- いいところ
Wiiリモコン自体を動かす操作が取っつきやすい。
WiiSportsやWiiFitなど、ゲーム好きじゃなくても遊べるゲーム。
メーカー | 任天堂 |
発売日 | 2006年(平成18年)12月2日 |
幅広く好かれたゲーム機
任天堂から出た据え置き型ゲーム機の1つ。普段からゲームをしているタイプだけじゃなく、ゲームに関わらないようなタイプからも楽しまれました。
発売されたのは2006年ですが、僕が買ったのはもう少し後。スーパーロボット大戦NEOが出た2009年だったかもしれません。
任天堂が感じた危機
Wii発売の少し前、任天堂の方々は「ゲーム離れ」というものによってゲーム人口が減ることを心配していました。原因として考えていたのは、Wikipediaによると……
- ゲームが複雑になっていること(お手軽じゃないこと)。
- ゲームがマンネリ化していること(ゲーム自体が飽きられつつあること)。
- ゲームは悪! という考え。
1はとてもよくわかります。「このゲーム、体験版で途中までやったら物語の先がすごく気になる!」なんてことがあっても「でも、ゲームのルールや操作法が難しいし……」「難易度が高いときついな……」となってしまったら買うのをためらいます。
ハードの力が上がってゲーム内でいろいろできるようになるのはうれしいことですが、複雑になりすぎると困ります。
2はゲームに限った話じゃないかもしれません。長く続いたコンテンツはどうしても「こういうの、前にもあったな」となる確率が上がります。
他の娯楽が増えたことで、「こういう話、ゲーム以外で見たことある。結末が読めるな」となる確率も上がっています。
3は今の子供より昔の子供の僕たちの方が体験してきたと思います。ゲームをやらせたくないと考える親は今もいますが、昔はもっといました。
一言で説明すると、「新規が入ってこない状況を危惧した」ということです。
任天堂の対策
任天堂の方々は、ゲーム人口を増やすためにどうしたらいいか色々考えました。それが、遊びやすく取っつきやすくすることでした。
Wiiリモコンでの操作
Wiiリモコンは、その名のとおりWiiのリモコン。これでもコントローラーです。
Wiiの電源を入れると画面にアイコンが並び、リモコン型のコントローラーで指してアイコンをプッシュ。それでゲームが起動します。
この操作法は直感的でわかりやすいやり方だと思います。
現行機のSwitchはリモコンじゃないですが、アイコンを押す形式は続いています。プレイヤーに好評だったんでしょう。
Wiiリモコンには、コントローラー自体を動かして操作する機能があります。お陰で、「Wiiリモコンを振る→画面の中でキャラが剣やラケットを振る」なんて操作もできます。これも、「Aボタンを押すと剣やラケットを振る」という操作よりずっと直感的で取っつきやすいです。
「Wiiリモコンをハンドル型の器具(名前はWiiハンドル)にはめ込む→ハンドルを右に傾けると画面の中で車が右に曲がる」という操作法もあります。十字キーを操作するよりわかりやすいです。
「Aボタンや十字キーを押すとか、誰でもわかるだろ」と思うかもしれません。でも、そういう気がするのは僕たちがゲームを習慣的にやっているからです。
信じられないかもしれませんが、ゲームを全くしない人からすれば「十字キーの右を押せばマリオが右に動く」ということでさえピンと来にくいんです。そういうタイプには「リモコンで指す」「コントローラーを振る」という操作法の方がわかりやすいはずです。
発表されたときは、以前までのコントローラーと違いすぎて「何これ……」みたいな意見が多かったとか。
ゲームをしない人でもWiiでゲーム
ゲームと言ってもいろいろあります。昔のものだと、ゲームセンターにあったインベーダーやパックマン。そしてゲームウオッチやファミコンなど。
どれに関しても言えることは、「ゲームをする人しか触れない」ということ。任天堂の方々はそこをぶっ壊しにかかり、ゲームをしない人でも触れるようにしました。
Wiiで出たWiiSportsやWiiFitは運動をするゲーム。プレイヤーが運動をすれば、画面の中でゲームが進行します。つまり、これらのゲームはゲームであるだけでなく運動をする契機や口実でもあります。
Switchのリングフィットアドベンチャーやフィットボクシングも同じ方向性のゲームです。
こういうゲームがあることで、Wiiはゲームをする道具としての顔だけでなく運動に使う道具としての顔も持つようになりました。お陰で、いつもならゲームをしない人もWiiを手に取るようになりました。
そして、WiiSportsやWiiFitをきっかけとして他のゲームらしいゲームにも興味を持ってもらえればなおよしです。
Wiiチャンネル
Wiiではゲーム以外のいろいろなことができました。
下に挙げたものはその例です。※今はどれもサービス終了しています。
- インターネットチャンネル
その名のとおり、インターネットできます。 - Wiiショッピングチャンネル
ダウンロードソフトを買えます。 - Hulu・YouTube
ご存知動画サイト。 - テレビの友チャンネル
テレビの番組表を見ることができます。 - お天気チャンネル
天気予報を見ることができます。 - ニュースチャンネル
最新ニュースを見ることができます - 出前チャンネル
出前館で食べ物を注文できます。 - Wiiスピークチャンネル
周辺機器のWiiスピークを使ってボイスチャットできます。
カマボコみたいな周辺機器があると思っていたらこれか……
ゲームの悪影響?
個人的に、「ゲームは悪い影響を及ぼす」という考えにはもの申したいです。
食わず嫌いというものがあります。しかしそのほとんどは単に「知らないだけ」「興味がないだけ」じゃないかと思います。
僕の知り合いにアニメをすごく馬鹿にする方がいるんですが、キン肉マンとかドラゴンボールとか自分が好きなアニメだと何も言わないんです。
しかし、彼が馬鹿にしているアニメとキン肉マン・ドラゴンボールの何が違うんでしょう。はっきり言って、違いは彼自身が好きかどうか、あるいは知っているかどうかでしかないです。
そういうわけで、任天堂の方々はスポーツやネット機能と絡めることでゲームを「知らないもの」から「知っているもの」に変えて食わず嫌いを取り除こうとしたわけです。
ゲームキューブのソフト
Wiiには後方互換機能があり、ゲームキューブのソフトで遊べます。
ただしゲームボーイプレイヤーをつなぐことができないので、ゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンスのソフトで遊ぶことはできません。
Wiiのソフト
もちろん普通にWiiのソフトで遊ぶこともできます。
売り上げの記録を見てみると、上位にはWiiSportsやWiiFitの名前があります。NewスーパーマリオブラザーズWiiとかマリオカートWiiといった定番ゲームの名前もあります。
WiiPartyやマリオパーティはみんなで遊ぶのが楽しいゲーム。友達の家でこれを遊んで楽しかったら、「僕も買おう!」という考えになって新しいお客様ご案内かもしれません。
こうやってみんなで遊ぶことは任天堂がもっと前から重視してきたことです。
結果
任天堂の方がゲーム離れの話をしてから20年近い時間が経過しています。今のところゲームという娯楽は滅んだりしていません。
スマートフォンが一般化したこと、そして気楽に触れられてとっつきやすいスマホゲーの存在もゲーム離れを防いでくれていると思います。
Wii自体も先代・先々代のゲームキューブやNINTENDO64より売れました。
Wiiの次のWiiUは不調でしたが、その次のSwitchは大人気のゲーム機になりました。
まとめ
コントローラー自体を動かすことによる操作はSwitchのジョイコンにも受け継がれています。
最初はWiiリモコンが疑問の目で見られましたが、今では受け入れられているわけです。
Switchも人気のゲーム機。任天堂の挑戦によって切り開かれたものがあると思います。
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