ゼルダの伝説 知恵のかりもの ~主人公はゼルダ姫 カリモノとの冒険~

Zelda-Chiekari 2020年代
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    カリモノ集めが楽しい。
    難易度は低め(ハードモードに切り替えることは最初から可能)。
略称知恵かり
機種Nintendo Switch
メーカー任天堂
発売日2024年(令和6年)9月26日

ガノンから捕らえられたゼルダ姫のもとに緑色の剣士リンクが現れた。
リンクは激闘の末にガノンを破ったが、謎の裂け目に飲み込まれて消えてしまった。

それはハイラルで「神隠し」と呼ばれている現象。黒い裂け目が現れ、人間も世界自身も飲み込まれていく。ゼルダ姫はリンクによって助け出されたものの、ハイラル王すらも裂け目の向こうへ消えてしまった。

残されたゼルダ姫はハイラル王や民やリンクを救うために旅立つ。

以前のゼルダの伝説関係記事にも書きましたが、これまでゼルダの伝説の主人公はゼルダという名前の人物じゃありませんでした。
いつも剣で戦っている兄ちゃんの名はリンク。ゼルダは助けられる側のお姫様の名前です。

そんなゼルダ姫が主人公に! というのが本作です。

ゼルダ姫が戦う展開は初めてじゃありません。リンクと共闘することもありましたし、ゼルダ無双でプレイアブルキャラクターになったこともあります。
しかし、主人公となると別。
「CD-i」というもののゲームで主人公をやったという話も聞きますが、そうだとしても珍しいことなのは間違いありません。

そんなゼルダ姫が本作でどんな冒険や戦いを見せるのか……

なお、クリアまでは30時間ちょっとくらいでした。やり込んでいればもっと長かったはず。

ゼルダ姫

僕が子供だったころ、ゲームに登場するお姫様キャラは助けられる側のことがほとんど。僕はそこに疑問を持ちませんでした。
しかし大人になるにつれて違和感がわいてきました。「助けられるだけなんて受動的すぎるんじゃない?」と。よく思い出してみれば、ドラクエに出てくるムーンブルクの王女もアリーナも戦っていました。

ゼルダ姫も初登場時は助けられて「アリガトウ リンク」とか言うだけでした。しかしシリーズが進むなかで自ら戦う場面ができ、本作では主人公。ハイラルを駆け回って冒険します。

ときには海を泳ぎ、ときには水中に潜り、ときには崖の上からダイブし、ときには大きな石を魔物に投げつけ、ときには雪山や火山でのんびり眠り……姫様、結構おてんばですな!

リンクと同じく、ハートを取れば回復してハートのかけらやハートのうつわで体力が上がります。
そういうのはリンクだけの現象だと思っていましたが、ハイラル王とかダンペイとか一般人たちも同じなんでしょうか。

リンク

本来の主人公。今回は序盤で姿を消し、物語の途中で思いがけない再会をします。

ゼルダ姫との関係は作品によって違います。幼馴染のこともありますが、本作では「初対面で名前すら知らない」です。

トリィ

Tri01-Zelda

ハイラルに裂け目の危機が訪れると現れる妖精。顔つきはブレスオブザワイルドやティアーズオブザキングダムに登場するコログ族と似ています。
一般人は彼の姿を見ることができません。ただし特定の条件を満たせば見えるようになります。

本作のゼルダ姫は主人公だからか無言(プレイヤーに聞こえないだけで、作中では普通にしゃべっていそう)。代わりに彼がしゃべります。

……

……

何か言ってください……
と、トリィが思っていそうな場面もあります。

トリィが物語の中でどうなっていくかも本作の楽しめる部分です。

いろいろな種族

ゴロン族、ゾーラ族、デクナッツ、そしてゲルド族といろいろ登場します。

本作のゾーラ族は海ゾーラと川ゾーラの両方がいます。海ゾーラはブレワイのミファーたちみたいな姿。川ゾーラはもっと半魚人っぽい姿。
川ゾーラは過去作だと怪物っぽかったんですが、本作ではデフォルメされてかわいい姿です。

序盤でゼルダ姫はトリィと出会い、トリィロッドというものを与えられます。
これによってゼルダ姫は「カリモノ」「シンク」を使えるようになります。

カリモノ

コピー品を作る能力。PVでは「お借りする」と表現されていました。

カリモノにはコストがあり、限界はトリィの後ろにある▽の数まで。種類によって「▽1個」「▽3個」のように決まっています。トリィの成長によって使える▽の数は増え、1つのカリモノに必要な▽の数は減ります。
持っている▽以上にカリモノを出すと、先に出したものから順に消えます。

このシステムで最も便利だと思うのはコスト以外の制約がないことです。「▽を1度使い果たすと再使用まで時間がかかる」みたいなのは一切なく、どんどん出し続けることができます。
そのお陰で、敵が強くても続けざまに呼んで呼んで呼びまくって粘り勝ち! なんてこともできます。

離れたところに召喚することも物語が進めばできるようになります。

シンク

動きをシンクロさせる能力。相手を自分の動きに合わせることができ、逆に自分を相手の動きに合わせることもできます。

自分を相手に合わせることの使い道は、「壁登りできる魔物を出す」「シンクロし、壁登りさせて自分も壁の向こうに行く」とか。

ゼルダ姫が本作の中で使うのは大まかこの2つ。
今までのゼルダシリーズにあったいろいろな効果のアイテムはありませんが、プレイヤーの行動によってカリモノが増えるのでできることも増えていきます。

個人的に本作の目玉。
魔物を倒すとミニチュアの魔物みたいなものが現れ、トリィロッドで調べると仲間にできます。

……仲間じゃない? もしかして、カリモノの魔物は人形みたいなものなんでしょうか。
そうかもしれませんが、僕はドラクエの仲間モンスターやポケモンのように思いながらプレイしていました。
ここでは特に印象に残っている魔物を挙げます。

キャンゾル

ゾルは緑色のスライム。キャンゾルは白いスライムで、頭に炎が灯っています。
最初は「だから何?」と思いましたが、すぐにこいつの有用性を理解しました。
クモの巣(クモモンスターのトラップ)が張られていても焼き払うことができ、何ならモンスター自身を焼き払うこともできます。
寒い雪山もこいつを持ち上げたり近くに置いたりしているだけで大丈夫になります。
かがり火に火をつけるときは、こいつを直接投げ込むか離れたところへ召喚するかシンクで運んでやるかです。

モリブリン・ブタブリン

近距離攻撃向けと遠距離攻撃向けがいます。
本作はブレワイ・ティアキンのボコブリンがいないので、こいつらが雑魚キャラになります。

雑魚だから仲間にしても弱い、ということはなく、頼りになる場面も結構あります。

タートナック

鎧の騎士。
過去作では結構苦戦したような気がしますが、本作ではカリモノで仲間になってくれます。敵の攻撃をはじいてくれることがあるので、耐久力が高め。

メガドン

クリーム大盛りのビスケットサンドみたいな姿。近づくと落ちてきて、下敷きにされるとトムとジェリーのようにぺちゃんこです。
僕はスーパーマリオ3のドッスンを連想し、倒すのは難しいと思いました。しかし普通に横から攻撃すれば倒せます。

仲間にすれば、エレベーターのごとくゼルダ姫を運んでくれるようになります。

トッピュー

過去作で見たことがないような気がするんですが、初登場でしょうか。
敵のときは、こっちを吹き飛ばしてくるので戦いにくい相手。
味方にしてしまえば、「ゼルダ姫がベッドに乗る」「トッピューを召喚」「ベッドごと飛ばされる」「連続して呼んでどんどん飛ぶ」とかできて便利です。

キース

普通のキースだけじゃなく、ファイアキース、アイスキース、エレキースといます。
ブレワイやティアキンではうっかり触って余計なダメージを受けたりしていました。そんな面倒能力も味方にしてしまえば便利能力です。

バクダン魚

これを見て真っ先に思い出したのは、ファミコン版グーニーズの魚キャラ(倒すと爆弾が出てくる)でした。
こいつのいいところは水上でも水中でも出せること。爆発して壁を壊したりしてくれます。

ウィズローブ

ファイアウィズローブ、アイスウィズローブ、エレキウィズローブがいます。
ブレワイやティアキンではほっそりして不気味でしたが、本作ではデフォルメされて愛嬌がある姿。FF3辺りの黒魔道士やFF9のビビっぽいです。

ライネル

ブレワイやティアキンでリンクを散々苦戦させていた魔物。色違いで強いのもいましたし。
本作でもかなりの強敵。巨大な剣の1撃だけでゼルダ姫の体力をごっそり持っていきます。弓矢攻撃を使ってこなかったり色違いがいなかったりする分だけ優しい方。

他の魔物と同様に、味方にしてしまえば頼れる相手です。ただし召喚するには▽が6つも必要。使えるようになるのは最終盤です。

魔物は倒さないとお借りできませんが、品物はいきなりトリィロッドで調べればOKです。
ただし、壊れているとお借りできません。

こっちも印象に残っているものを挙げていきます。

古びたベッド

ゼルダ姫はこれを出せば基本的にどこでも寝られます。海のど真ん中だろうと灼熱の砂漠だろうと、ボスが暴れている戦場だろうとです。そして体力回復。

回復アイテムとしては上位互換のベッドが後々出てきますが、それでも出番は終わりません。横長の台でもあるので、これを階段状に積んでいけば壁を乗り越えられます。しかも必要な▽はたった1つなので、物語が進めばこのベッドだけでかなりの高低差を無視できます。

ただのでかい石です。
しかしこんなものでも投げつけて攻撃する武器になります。しかも投げているのがお姫様となると、「どんなお姫様なの……」ということになってネタ的です。

トランポリン

序盤の日常的な場面で目にし、カリモノにできます。僕たちが知っているトランポリンと同じでぴょんぴょんする道具。これも高いところへ上がるときに使えます。
コストも▽1つで場所も取らないので、かなり使いやすい方。

水のかたまり

ブロック状にまとまった水です。召喚すれば詰みあがっていき、中を泳ぐこともできます。
これを使えば、越えられなかった段の上まで泳いで進むこともできます。

象の像

他にも猫、鷹、蛇の像があります。象だけ上に書いたのは名前がダジャレになっていて面白いからです。
取ったダンジョンの謎解きに使ったらもう用なしだと思いましたが、突風が吹き出してくるトラップを止めるときに役立ちます。

ロース岩

ゴロン族の大好物。
しかしこれを食べられるのはゴロン族とブレワイ・ティアキンリンクくらい……本作のリンクはどうなんでしょうか。

床ビュン

床がどんどんはがれてビュンビュン飛んでくる魔物……と僕は思っていたんですが、魔物たちと違ってただ近づいて調べればお借りできます。
こいつ、床の形をしている魔物じゃなかったんですか……

ブレスオブザワイルドやティアーズオブザキングダムの面白いところに「壁や谷を越えられる」ということがあったと思います。たったそれだけでも行き先を制限されずどこでも行けるのは楽しさにつながっていました。

本作もカリモノをうまく使えば壁や谷をどんどん越えられます。

壁越え方法の例
  • 段を作って越える
    ベッドなどカリモノをどんどん積んでいく。
  • 運んでもらう
    壁登りできる魔物や飛べる魔物にシンクし、あっちの動きに任せる。
    水平移動する床ビュンに乗る。上下移動するメガドンに乗る。
  • 飛ぶ
    ベッドに乗り、トッピューに飛ばしてもらう。
    床ビュンやメガドンを連続して呼び出し、少しずつ上に進む。

YouTubeを見ると、うまい方々がいろいろな方法で飛んでいます。
僕もいろいろ試してみましたが、今はトッピューとベッドで飛ぶのが1番簡単かなと思っています。

本作はブレスオブザワイルドやティアーズオブザキングダムとは違うジャンルだと思います。同じものはSwitchで遊べるゼルダシリーズだと夢をみる島や神々のトライフォース(こっちはスイッチオンラインのスーファミ版)。

本作の舞台にはいくつものダンジョンがあり、いかにも昔からのゼルダシリーズと思えるような謎解きをできます。
ゼルダ姫が使うのはリンクが使っていたブーメランやフックショットじゃなくてカリモノ。何を持っているかはプレイヤーによりけりなので、解き方もプレイヤーによりけりです。この辺りはブレワイ・ティアキンっぽいところ。

「ゼルダシリーズの謎解きをしたい」「でもブレワイやティアキンは3D酔いする」という方にはいいゲームだと思います。

基本的な戦い方は、

  • 魔物を呼び出す。
  • 戦ってもらう。
  • 自分はダメージを受けにくいようにする。

こんな感じです。もちろんこれだけで済まない敵もいます。
ゼルダ姫は序盤で使えるようになる剣士モードで自ら斬りつけることもできます。物語が進めば弓やバクダンも使えるようになります。しかしRPGにおけるMPのような消耗要素がある能力です。

雑魚キャラが相手なら、手持ちポケモンと野生のポケモンを戦わせているような気分でサクサク倒していけばいいです。
しかしボスキャラで同じことをすると時間がかかるので暇です。アクション要素があるゲームのボス戦で寝そうになるなんて、僕には初めての経験だったかもしれません。画面の中でもゼルダ姫は魔物に戦わせてベッドで寝ていましたが(回復のためです)。

本作は最初からオプションで難易度をノーマルモードから辛口モードに変えられます。そうなっているのは「簡単でつまらないと思うのならこっちをどうぞ」という意味なんだと思います。

このブログはできるだけネタバレしないようにしているので細かくは書けませんが、いい終わり方でした。
ゼルダ姫は冒険を乗り越えたことで思い出が残ったんだと思います。

ゼルダ姫はシリーズの名前にもなっているのに出番自体ないこともありました。
しかし本作では主人公。剣士モードで戦うこともできますが常に使えるわけじゃなく、メインはカリモノ。
本作はゼルダシリーズを別の角度から遊べるゲームです。

Zelda-Chiekari-Yukabyun
Zelda-Chiekari-Lynel

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