スーパーマリオブラザーズ2(漫画)

SuperMario2-Comic 1980年代
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    少年漫画っぽい展開。
    敵キャラが仲間になっていく。
出版社徳間書店
発売日1986年(昭和61年)8月

マリオとクッパ軍団の戦いはマリオの勝利によって終わった。
……かに見えたが、マリオがピーチ姫をクッパ城に置き忘れていたせいで続くことになった。

マリオはルイージと共に再び旅立つ。
しかしクッパ軍団は敗北を機にパワーアップしていた。

この記事を書いている2025年5月現在、コロコロコミックではスーパーマリオくんという漫画が沢田ユキオさんによって連載されています。
これが始まったのは1990年。35年前で平成2年です。

しかし、スーパーマリオくんの前にも沢田ユキオさんのマリオ漫画があった……
それがこの記事で語るスーパーマリオブラザーズ2です。

タイトルに「2」と付いていますが、「1」はありません。当時のスーパーマリオ最新作が2だったからです。
スーパーマリオブラザーズ2はディスクシステムのゲーム。スーパーマリオ1より難しいのが最大の特徴でした。

当時の僕はアクションゲームが苦手(今も下手ですが)。スーパーマリオ2の1面をクリアできたかどうかすら怪しいです。そもそも僕の家にはディスクシステムがありませんでしたし。
よって、僕にとっての「スーパーマリオ2」はゲーム版じゃなく漫画版という感覚でした。

旅立ちは「マリオがスーパーマリオ1でピーチ姫を置いてきてしまった」というギャグ的なもの。
マリオは基本的にボケ役で、ルイージが突っ込み役。ギャグ漫画的な内容いっぱいです。

そうかと思うとバトルにはシリアスな展開があり、敵側や味方側に死者が出ることもあります。

絶妙なバランスで配置されたギャグとシリアス……普通にバトルもの少年漫画っぽいです。後に別の雑誌で始まる「ハーメルンのバイオリン弾き」と似たジャンルかもしれません。

個人的に好きだったのは、敵キャラが味方になってくれるところ。

うろ覚えで書いています。

マリオ&ルイージ

マリオはボケ役で主人公。ルイージは突っ込み役で相棒キャラ。
物語はこの2人の冒険で進みます。

今と違い、マリオとルイージの顔はほぼ同じ(表紙はカラーなので違うとわかる)。それでも行動や表情で何となく見分けがついていたのを覚えています。

あのころから「すなーっ!」と言っていたかどうかは覚えていない……

ピーチ姫

ヒロイン。クッパ城で囚われの身になっているのは原作と同じです。
しかし牢の中に入れられているとかじゃなく、わりと自由に行動しています。ゲームでもピーチ姫はしょっちゅう誘拐されますが、毎回こんなもんなのでは……

クッパ

クッパもギャグ的なことをしますが、部下をあっさり切り捨てたりと非常な面も見せます。

「どうしてクッパはピーチ姫を誘拐するんだろう」というのはスーパーマリオシリーズを知り始めた方が疑問に持ちやすい部分。本作のクッパだと、ピーチ姫が幼なじみのメロンちゃんとそっくりだからです。

クリボー

ゲームと同じく最初に出てくる敵はクリボー。クッパ軍団がパワーアップしていると最初に語ったのもクリボー。
でも、本作のクリボーってどういうふうに強化されたんだっけ……ネットで調べると「火を吐く」とか書いてあるんですが、そうだったですかね……変身能力があるのは覚えています。

終盤では旅に同行してくれます。
ゲームのスーパーマリオしか知らなかったころは「クリボー=普通に敵」としか思っていませんでしたが、本作を読んでから親しみがわきました。

ノコノコ

カメをひっくり返すと……メカだぜーーーーっ!
とか何とか言いつついきなりメカノコノコになります。やられた後で復活もします。

そういやノコノコも化けていましたっけ。ピーチ姫とかお民ちゃん(かんしゃく玉投げカン太郎の東海道五十三次のキャラ)とか。ゼルダ姫にも化けていましたっけ?

パックンフラワー

パックンフラワーは離れていればどうということもない敵キャラ。しかし本作のパックンフラワーは土管の下に足を生やして動き回ることができます。つまり土管じゃなくて植木鉢なのかもしれません。

後々パックンフラワーはスマブラに出たりマリオカートでドライバーになったりします。本作のパックンフラワーを見ていれば「普通にやりそう」くらいです。

パタパタ

SuperMario2-Comic-02
いらすとやさんの素材でパタパタを再現。いつもお世話になっております。

空を飛びたいと願っていたら翼が生えてしまったカメ。

マリオにやられたとき翼が取れて普通の生活に戻りましたが、再登場したときはまた生えています。
再登場シーンがどういう場面か考えると、「マリオのために再び日常を捨てた」ということなのかも。

ゲッソー&プクプク

両方とも最初は敵として登場し、ゲッソーは途中から味方してくれます。
ゲッソーの子供も出てきますが、スーパーマリオ3(ゲーム)の子ゲッソーとどっちが先だったですかね……

キラー&砲台

キラーがキャラなのはみんなわかると思います。本作では砲台もキャラ。
両方とも最終的にマリオ側へついてくれます。

「キラーは命中したら爆発して死ぬ」というのは当時の僕が考えていないことでした。そう言われてみるとそうですが、ゲームだとマリオが下に落ちるだけですし……

ハンマーブロス

当時の僕は「ブロス」が「ブラザーズ」の略だと知りませんでした。亀的な言葉かと。

原作どおり兄弟キャラ。強いのも原作どおり。僕は原作だとボコボコに負けますが、どういうわけかハンマーブロスはわりと好きな方。
そういうわけで、本作で味方になってくれるのは嬉しい展開でした。

メット

どういうことをしてきたっけ……
2匹ずつでおなかを合わせるようにくっついて「これで弱点は消えた!」とか言っていたのは覚えています。

ジュゲム&トゲゾー

ジュゲムが乗っている雲は飛行メカ。トゲゾーはロボット的なものです。
本作でマリオを最も追い込んだのはクッパかジュゲムじゃないでしょうか。

カメカメ

クッパの部下で魔法使いキャラ。オリジナルキャラです。
ゲームのスーパーマリオでカメックが登場したとき、「カメカメみたいなのが来た!」と思いました。

必殺の魔法は「リセット」。無茶苦茶なことをする……

他のいろいろなキャラ

最後の方にコクッパがチラッと登場。「まだ出番じゃないだろ」とか言われて追い払われるだけですが。

キノピオ的なキャラは複数登場。
キンちゃんの本名は「キングゴジラライオン丸」だったですかね。

オリジナルのキャラはいろいろいました。
ジュゲムのじいちゃんのカメリアとか、敵キャラのお化けサンゴとか地上げキノコとか。忍者のキノコは何て名前だったっけ……毒キノコ丸とか?

本作は4巻分の長さがあると思います。しかし出ているのは3巻まで。連載されていたわんぱっくコミックが休刊になったからじゃないかと。

最終巻が今更出ることもないと思うので書いてしまいますが、ラストバトルは仲間になってくれたキャラが集まって大盛り上がりです。

スーパーマリオ2が終わると次はスーパーマリオ3。
しかし始まってすぐ休刊になってしまいました。

わんぱっくコミックのスーパーマリオ2を読むことはできませんが、上にも書いたとおり今はコロコロコミックのスーパーマリオくんがあります。

連載は30年以上。「世代を超えて続く」なんて言葉も当てはまります。親子ほど離れた年の人同士でもマリオくんの話ができそうです。
それだけ長く続いているので扱った作品も多数。スーパーマリオワールド、スーパーマリオランド2、スーパーマリオRPG、スーパーマリオオデッセイ……と、いくつもあります。
登場人物もヨッシーだのキャッピーだの増えています。ヨッシーが食いしん坊なのは完全に解釈一致。

長く続いているので変化した部分もあります。マリオと同じような見た目だったルイージがスラッとして、マリオの呼び名が「マリオ」から「兄さん」になったり。

「シリアス漫画よりギャグ漫画の方が続けるのは難しい」という話を聞いたことがあります。人間どうしても鬱な気分になってしまうことがあり、そんな状態でも笑える話を書くのは大変なことのはず。
それを30年以上……恐るべきプロ意識です。

今どきはマリオたちの個性がはっきりしています。ゲーム自体でマリオたちの言動が表現されているからです。何なら映画で見ることもできます。

昔はそうじゃなく、マリオたちがどういう人物かよくわかりませんでした。そんななかで本作はマリオたちの解釈を与えてくれて、非常に貴重な存在だったと思います。

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