たけしの挑戦状 ~ゲームオーバー連発の果てのエンディング~

Takeshi-LoC 1980年代
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    伝説の高難易度ゲーム。
機種ファミコン
メーカータイトー
発売日1986年(昭和61年)12月10日
後に続いた機種スマートフォン

今は映画監督として有名で当時はコメディアンとして有名だった北野武(ビートたけし)さんが監修したゲーム。

主人公は会社員。町を離れて宝探しで成功すればクリアになります。
そこだけ見ればゲーム(あるいは他の創作物)のストーリーとして普通ですが、難易度はすごい高さです。
どうすれば町を離れて宝がある島まで行けるのか、どうすれば宝を見つけられるのか……そういったことの1つ1つが理不尽なまでの難しさで、ノーヒントのことがほとんど(ヒントがあっても難解)。
「最初の方であれをやっておかないといけなかったのか!」と終わりがけになってから気づくこともあります。
島にたどり着く直前のシューティングゲーム的な部分も大変な難しさ。
今ではクソゲーの代名詞のように語られることもあります。

しかし待ってください。ファミコン時代のゲームは難しいものが多く、「作った人たちはクリアさせる気がないだろ」と思えることすらありました。つまり本作の難しさくらい普通……いや、やっぱり難しすぎるかも……
難しすぎたせいでメーカーに抗議の電話がたっぷり来たとか攻略本を出しても解説しきれなかったとか聞いています。

そこまでの難しさは本作がタイトルどおりの「挑戦状」だから。キャッチコピーには「謎を解けるか。一億人。」というのもありました。
見出しの「常識が危ない」もキャッチコピーの1つ。今までのゲームと違って一筋縄ではいかないぞ! と突き付けていたわけです。

なお、当時の僕はこのゲームを持っていませんでした。しかし友達と一緒に遊んだことはあります。

主人公が行くところを中心に列記します。

主人公の職場

壁のグラフは超右肩下がり。発売されたころはバブル経済が始まった辺りですが、この会社は金回りがよくなさそうです。
そうかと思うと主人公が社長に話しかければ普通にお給料をもらうことができ、辞めると伝えれば退職金も出ます。

主人公以外にも人がいますが、どんどん襲いかかってきます。やられたらお葬式シーンになってゲームオーバーです。
どうしてそんなことに……アクションゲームだからと、とりあえず戦えるようにしておいたんでしょうか。

カルチャークラブ

語学、スポーツ、音楽、免許などについて学べます。いろいろ習得するためにはお金が必要です。

映画館

看板に出ている映画が後の北野映画っぽいです。それはさておき、攻略の上では行かなくてもいいです。

旅行店

いろいろなところに行くチケットを買うことができます。そういえば本作には「ポリネシアンキッド 南海の黄金」というサブタイトルが付いているようですが……

カラオケスナック

今の僕なら「スナック」の意味が分かりますが、小学生だったときの僕はお菓子のことと思ったのでは。それとも「町にある謎の店にもスナックと書いてある……」と疑問に思っていたか。
親戚のおばちゃんによると、昔のカラオケはおっさんが飲み会のときにやることだったそうです。本作が発売されたときはカラオケ専門店が現れて若い世代に親しまれ始めたころだったかもしれません。

本作のカラオケは2コンのマイクで歌う形式。とは言ってもファミコンのマイクには歌詞を把握できず、「音を感知したかどうか」くらいしか判断できません。よって真面目に歌ったりせずマイクをフーフーすれば十分です。

ここで酒を飲んだり歌ったり戦ったりしていると、謎の老人から宝の地図をもらえます。
ここで老人を倒しておかないと、後で困ることに……

地図は白紙ですが、「水につけて5分待ち、2コンのマイクで声を出す」「日光にさらして1時間待つ」のどちらかをすれば地図として使えるようになります。
しかし、当時の子供が1時間もファミコンをつけっぱなしにさせてもらえるでしょうか。DSやSwitch(携帯モード)なら起動状態のままで放置しておけばいいですが、あのころファミコンは居間のテレビにつないで遊ぶことがほとんど。絶対に親が怒り始めます。

主人公の自宅

主人公の妻子が住んでいます。攻撃してくるのは町の人たちと同じ。
奥さんと離婚しておかないと、後で困ることに……ただし別れるときに慰謝料を取られて所持金が減るので、「離婚→社長からお給料や退職金をもらう」「お金を使うだけ使ってから離婚」のどちらかの順で進める方が節約できます。

空港

どういうわけか、飛行機が頻繁になぞのくうちゅうばくはつ(謎の空中爆発)を遂げます。
正しい行き先の飛行機ならセーフ。つまりサブタイトルがヒントになっている! と思いましたが、サブタイトルの表示はもっと後になってから。後出しではヒントと言えません。

南太平洋の島

カルチャークラブでひんたぼ語を学んでいれば、土地の人たちが言っていることを理解できます。
学んでいなくても、日本語→ひんたぼ語の法則を理解していればセーフ(普通に作中で学んでいた方がいいですが)。

今はインターネット上にひんたぼ語翻訳サイトなるものがあります。

いろいろな店

いくつかのアイテムを買っておかないと詰まります。
リゾートセンターは、カルチャークラブで免許を取っていれば気球やセスナなどを使わせてもらえます。

ハンググライダー

いきなり始まるシューティング。しかしこれをしないと宝の島まで行けません。
かなり難しいです。下降は自由にできますが、上昇は風を利用しないといけません。敵キャラもいます。

最後は正解の島に降りないといけません。4つあるうちの2つです。2つもあるのは、1つの島を北側と南側とか2方向から見たせい?
4つとも無視してどんどん進むと、何だかよくわからん場所へたどり着いてしまうことに……

宝がある島

離婚や退職をしていないと連れ戻されてしまいます。ここまで追ってこられる主人公、実は頼れる人?

ラストダンジョンで奥にある宝を取ってクリア。地図の老人を倒していればの話ですが。
エンディングでは伝説的なあのお言葉をもらえます。「えらいっ」だけじゃなく……

発売から40年近くたっていますが、本作のことは語り継がれています。後の北野映画っぽいとか、町の人と戦えるところや自由度の高さがグランドセフトオートっぽいとか。
主人公がやったことを妄想で補完しつつ振り返ってみると……

主人公はしがないサラリーマンとして暮らしていた。妻との仲はつかみ合いの喧嘩になるほど悪く、子も家庭内暴力に走っている。さまざまな娯楽を試してみるものの、満たされることはない。

暗い日々を過ごしていたが、酒場で偶然会った老人に宝の地図を託された。しかし老人と口論になり、手にかけてしまう。もう後戻りはできない……主人公は事件が発覚する前に家族も職も捨てて旅立った。
彼を待っているものは巨万の富か、それとも……

確かにこれは映画っぽい。ラストシーンは「宝を見つけて喜んでいる一方、警察の手が回ろうとしている」辺りになりそうですが。

おおっと、町の人がつっかかってくる理由を盛り込めなかった……「主人公がストレスのあまりに襲いかかられる幻を見ている」というのはどうでしょうか。

以前にWiiのバーチャルコンソールで配信されていました。もう配信終了していますが。
今はiOSやAndroidでダウンロード購入できます。新しい行き先の「アメリカ」やハードモード・イージーモードを追加されているとか。イージーはともかくハードは……あれ以上難しくするとか……

本作は難しさのあまりにクソゲー扱いされていました。しかし難しさは本作が「挑戦状」として真面目に作られていたからこそ。今も伝説として残っているのは製作者さんたちの本気度が高かったからこそだと思います。

それはそれとして……任天堂の皆さん、NintendoSwitchOnlineのファミコン版に入れません?
巻き戻しとの相性がよさそうです。

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