- いいところ
カードでのバトルや移動が面白い。
バトルの描写がかっこいい。
機種 | ファミコン |
メーカー | バンダイ |
発売日 | 1988年(昭和63年)8月12日 |
後に続いた機種 | 3DS |
序盤の物語
天下一武道会が終わり、悟空たちはのんびりと過ごしていた。
しかし悟空たちが買い物へ行っている間にクリリンがカメハウスで殺されてしまった。亀仙人は残されていた紙切れに顔をこわばらせた。
「ピッコロ大魔王のしわざじゃ!」
悟空はピッコロ大魔王の恐ろしさを聞かされたが、クリリンの仇を討つために旅立つ。
ドラゴンボールのRPG第1弾
今どきはドラゴンボールのゲームと言うと格闘ゲームかもしれませんが、最初は普通のアクションゲーム(神龍の謎)。その次に出たのがこのゲーム、RPGの大魔王復活でした。
原作では天下一武道会(2回目。天津飯たちが出る回)の後からなだれ込むようにピッコロ編へ突入しました。一方、本作の物語は天下一武道会が終わって一呼吸置いてから始まります。その後の内容も大まかオリジナルです。
本作はドラクエ3の発売から半年たって発売されたゲーム。ドラクエは冒険の書(セーブ)でしたが、こっちはパスワードです。バッテリーバックアップへ移行する途中の時期だったんだと思います。
バトル、そしてフィールドでの移動はカードで行います。これが本作の大きな特徴になります。
登場人物
孫悟空
いつもの主人公。マジュニアじゃない方のピッコロが出る話なので少年の姿です。
原作ではやられても生き延びる場面がよくありますが、本作では……
クリリン
本作はほぼオリジナル展開ですが、最初に彼がやられるのは同じです。
原作でも「えっ……メインキャラなのにこういうことってあるの……?」と読者に衝撃を与えました。
ピッコロ大魔王
原作だと魔族を増やすときに口から卵を産むんですが、部下に「無理して大丈夫?」みたいな感じで心配されます。
本作は雑魚キャラとして魔族が無数に出てきます。大魔王様、干からびてカリカリになっているのでは……
魔族たち
タンバリンやシンバルなど原作どおりの魔族がいれば、ウクレレやバンジョーなどオリジナルの魔族もいます。
ウクレレは廉価版のタンバリンみたいな感じ。バンジョーはタコっぽい雰囲気です。
シンセサイザー星人っていうのもいるんですが、あいつ(あいつらだ、と言うべきかも)は何者なったんでしょうか。タンバリンたちと同じでピッコロ大魔王に生み出された? それなら「星人」って?
よく考えたらピッコロ大魔王もナメック星人だし、宇宙人キャラがいてもおかしくない(当時はサイヤ人の設定すら出ていませんが)んだろうか……でもそうすると今度は「シンセサイザー星ってどこよ?」ということに。
いろいろな原作キャラ
ヤムチャや天津飯たち、ハッチャン、桃白白、ピラフ一味……といろいろ登場します。
ペンギン村に行くので、アラレちゃんやガッちゃんなどDr.スランプのキャラも出てきます。
必ずしも原作どおりなわけじゃないですが。ペンギン村も島の中にあるわけじゃないですし(Dr.スランプだとゲンゴロウ島というところにあります)。
今だとネットでぶっ叩かれそうですが、本作が出たのは昭和。昔の原作ありゲームはこのくらいの改変なんて普通でした。
カードが重要
悟空(プレイヤー)はこんなカードを常に持っています。
上のドラゴンボールは1から7まであり、フィールドでの移動力とバトルでの攻撃力を示します。
その下の漢字はバトルのときの攻撃方法。上の絵の「必」は「必殺技を使う」ということです。
1番下の漢数字はバトルのときの防御に関わる……みたいですが、あんまり気にした覚えがありません。
フィールドではカード
フィールドはスゴロクのようなマスを作られていて、悟空はマスの道を通って町やダンジョンなどへ行き来する仕組みです。
移動するときにカードを引き、そこに書いてある星の数だけ動けます。星の数が大きいカードを出せばどんどん動けますが、そういうのはバトルのために取っておいた方がいいかもしれません。
止まったところで今度はイベントカードを引くことになります(カードは伏せた状態)。
何のカードだったかによってイベントが発生します。
ピッコロ大魔王だとバトル、占いババだと修行(経験値稼ぎ)や手持ちカード交換など、という具合。
バトルでもカード
フィールドでの雑魚戦もイベントの中ボス戦も同じシステムです。
悟空と敵キャラでカードを出し合い、星の数が大きい方が攻撃(同じだと「互いに隙をうかがっている」として両方ストップ)。
漢字で書いてあるものが攻撃方法。「必」だと必殺技で、悟空がかめはめ波や残像拳などを使います。どの技を使うかも伏せられたカードを引くことで決定。
必殺技や普通の攻撃をしている場合は(敵の攻撃も)カードで表現されます。このカードが漫画のコマのような役目を果たし、バトルを派手にしてくれます。
攻撃された敵のカードを見ると、「そういや漫画でこんな顔をしながら食らっていたっけ」という気分になれます。タンバリンの目玉飛び出そうな顔とか。
間違いなく本作の1番いいところ。
バトル漫画のツボを押さえているとも言えるかと。
ネットで本作のことを調べていると「仲間キャラに協力してもらえる」という話が出てきたんですが……そんなのありましたっけ? 僕は気づいていなかったのかも……説明書は隅から隅まで見るタイプなんですが。
アドベンチャーモードでゲームオーバー!
町やダンジョンに入るとアドベンチャーモード。レトロゲームのポートピア連続殺人事件やオホーツクに消ゆみたいな画面になります。
このモードには本作を語るうえで欠かせないものがあります。それは即死要素。
悟空は原作で「死にそうだったけど生き延びた!」なんてことが何度もあったのにあっさりやられます。アウトな選択肢をポチッとやってしまった瞬間に、フラグを立てないまま行動しているうちに……などなど。摩訶不思議アドベンチャーです。
他にもいろいろあります。「これはどうしようもないな……」と思えるものも「悟空ならこのくらい大丈夫じゃない?」と突っ込みたくなるものもあります。こういうところも昔のゲームならでは。
僕は「カリン塔で……」で詰まってしまったのをよく覚えています。登るアイテムが必要なんて思わないですよ……原作だと悟空は登る途中でカリン塔につかまりながら寝ていたし……
BGM
本作のことを検索すると「怖い」という言葉が出てきます。いきなりゲームオーバーになることが怖いんでしょうか……いや、BGMが怖いということじゃないでしょうか。
ピッコロ大魔王の「魔」の紙切れが見つかったときに流れる短いBGMもなかなか衝撃的ですが、最も怖いのはやられたクリリンが見つかったときなどのBGMじゃないでしょうか。
無音の記事なので直接お聞かせすることはできませんが、聞いただけで不穏な空気が漂ってくるような……怖い夢の中でも流れていそうです。
上に書いたゲームオーバーのときの曲もかなり怖いんですが、僕はクリリンのときの曲の方がおっかないと思います。トラウマBGMなんて呼び方もできるのでは。
怖い話はこのくらいにして……戦闘曲はシンプルなのに緊張感たっぷり。「急いでいるときや焦っているときの脳内BGM」なんてものが人によってはあるみたいですが、僕にとっては本作の戦闘曲がその中の1つです。
それと、本作のエンディングって歌詞付きらしいですね。ファミコンなので実際に歌ってくれるわけはないですが、アニメが大人気の作品としてはいい措置だと思います。
で、何が「歌詞付きらしい」なのかと言うと……
僕と大魔王復活
ここまで書いておいてなんですが、僕は本作をクリアしていません。
ラストダンジョンのダークキャッスルまでは行けたものの、どうしてもピッコロ大魔王に会えなくて……
僕はこのゲームを買ったんじゃなく、友達に借りたんじゃないでしょうか。バトルで仲間が出てくること(仲間を出す方法)について知らなかったことも、説明書なしのソフトだけの状態で借りたからだとすれば自然です。
ラストダンジョンは倒した敵キャラを調べてアイテムを見つけてどこかで使わないと先へ進めないらしいです。当時の僕は「倒した敵を調べる」ということを思いつかず、アイテム発見にたどり着けなかったんじゃないでしょうか。そうやって詰まっているうちに返却期限が来てしまったとか、単純にあきらめたとか。
そんなことがあってから30年近い時が過ぎ、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」というものが発表されました。ジャンプ関係のファミコンゲームが詰め合わせになった品で、ドラゴンボールも含まれています。
僕は「大魔王復活もあるはず! リベンジしてやる!」と思いましたが、大魔王復活は入っていなくて……
今遊ぶなら3DS
しかしよく調べてみると、3DSに「バンダイナムコゲームスPRESENTS Jレジェンド列伝(2013年11月発売)」という詰め合わせ系ゲームソフトがあり、大魔王復活はその中に入っていました。
ミニファミコンに本作が入っていなかったのは「Jレジェンド列伝に入れたからいいか。今度は別のドラゴンボールソフトにしよう」と判断されたからなのかもしれません。
せっかくなので入っているソフトを比べてみると……
DBファミコンソフト | Jレジェンド列伝 | ミニファミコン |
神龍の謎 | ○ | ○ |
大魔王復活 | ○ | |
悟空伝 | ○ | |
強襲!サイヤ人 | ○ | ○ |
激神フリーザ!! | (初回封入特典) | |
烈戦人造人間 | ||
サイヤ人絶滅計画 |
真の不遇は他のソフトだったのでは。
終わりに
ドラゴンボールは僕が小学生のときに始まった漫画。30年以上たった今も形を変えながら作品が作り続けられていることにはいつも驚かされます。
この記事がアップロードされることには新作アニメの「ドラゴンボールDAIMA」が始まっているはず。これからの展開にも期待しています。
「ダイマ」が始まるから「ダイマオウフッカツ」の記事を作ったんですね……
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