キビキビダンスの元ネタ ~ポケモンの怖い話~

Pokemon-Kibikibi ゲーム雑談
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  • この記事に書いてあること
    「キビキビダンス」と呼ばれるもののこと。
    その元ネタ。どうやって広まったか。

ある日、TwitterことXのトレンドワードに「キビキビダンス」という言葉が現れた……

元ネタはポケモンSV(スカーレット・バイオレット)。DLCを最後までプレイしていれば1発でわかりますが、そうでない方々は「何それ?」「はきはき踊るってこと?」と思ったはずです。

今回は「キビキビダンス」という言葉が生まれた流れについてまとめます。

注意!

  • ポケモンSVの追加コンテンツ「ゼロの秘宝」、特に「番外編 キビキビパニック」のネタバレがあります。
  • ポケモンについてあまり知らない方でもわかるように書きます。ポケモンに詳しい方は僕が語るまでもなく知っているはずなので。

2022年11月18日、ポケットモンスタースカーレット・バイオレットが発売されました。

主人公はポケモントレーナー。ポケモントレーナーというのはピカチュウやリザードンなどのポケモンを鍛える人のことです。有名なのはアニメのポケモンで20年以上に渡って活躍していたサトシ。

本作の主人公はポケモントレーナーとして強くなり、同じポケモントレーナーの仲間を増やしていきます。
主人公は実力あるトレーナーなので強力なポケモンをゲットすることもあります。DLCの物語を進めると、犬・サル・キジモチーフの強いポケモンを手に入れます。

犬サルキジのポケモン……その組み合わせを聞けば、大体の方はこう想像するはずです。

「桃太郎のポケモンもいるんじゃない?」

犬サルキジのポケモンがいた土地の雑貨店には、桃をかたどった置物(?)がありました。
甘いにおいを発していて、物語が進むとより強いにおいになります。

これは怪しい! 僕たちプレイヤーは想像力を刺激されました。

「この置物、桃太郎のポケモンと関係あるんじゃない?」
「置物自体がポケモンじゃない? 今は擬態しているとか」

こんな会話を続けているうちに仮称が付きました。桃太郎モチーフなので「ピーチドン」です。「ドン」と付いているのは本作の出番が多いポケモンに「コライドン」「ミライドン」がいるからかもしれません。単に怪獣っぽい言葉だからかもしれません。

キビキビの始まり

2024年1月11日、DLCが追加されました。その中で発生するイベントの名前は「キビキビパニック」

DLCの物語を進めていくと、主人公と仲間のトレーナーたちでちょっと離れた村まで行く話になります。目的は、その村にいる仲間トレーナーのスグリ・ゼイユと会うこと。
なお、その村は犬サルキジのポケモンがいた土地にあります。

村に行くとスグリが迎えてくれます。しかしゼイユは様子がおかしく……

「キ……キ…… キビキビー!」

と、言いながら踊り始めます。踊り始めるとコミカルなBGMが流れ始めます。

踊り方
  • 肘を曲げ、肩の前でこぶしを握る。
  • 曲げたままの腕を上下に動かす。
  • 腕の動きに合わせ、足でステップを踏む。

主人公たちは「ポケモン勝負したがってる?」「主人公たちと会えて気分が高ぶってる?」などと言いつつ困惑。ゼイユはここのところ様子がおかしいとか。

呪いの類じゃないかという話まで出て、ホラー的な空気になってきます。

広がるキビキビ

歓迎会をしようとか明日から謎の解明をしようとか公民館で話しているうちに夜。
仲間トレーナーの1人が外に出て、帰ってこなくなります。

どこに行ったんだと、主人公たちは探しに行くことにします。入れ違いになると困るので、公民館にも仲間を残しておきます。
外に出ると村の人たちがいて……

「キ……キ…… キビキビー!」

また踊り始めます。BGMも同じ。

主人公たちはいなくなった仲間を探して村の中をめぐります。その中で村人と何度も会い、そのたびに踊る姿を目にします。

公民館に残していた仲間まで踊り始め、混乱はどんどんひどいことに……

キビキビの終わり

しかし、そんな中で主人公たちは原因となったポケモンがいると気づきます。
それがかつて「ピーチドン」と仮称されたポケモン、モモワロウでした。

ピーチドン改めモモワロウ
  • 紫色の木の実のような姿。殻がパカッと割れて、目や口や手のある本体が出てくる。
  • 殻から毒の餅(くさりもちという名前)を作り、他の生き物に食べさせる。
    食べた者は欲望を引き出されたりモモワロウに操られたりする。
  • 臆病な性格で、自分から戦うことは少ない。操った者を盾にして自分は逃げようとする。
  • 犬サルキジのポケモンも操ったことがある相手。
  • 犬サルキジのポケモン共々オーガポンというポケモンからボコボコにされ、自分自身は長い年月に渡って休眠状態になっていた。
  • 犬サルキジのポケモンをモモワロウとのイベント戦に出すと、モモワロウが怒り始める。
  • オーガポンをモモワロウとのイベント戦に出すと、オーガポンが怒り始める。
  • どく・ゴーストタイプ。
  • 全国図鑑でナンバー1025。DLCを含むポケモンSVが最新作の時点で最終番号。
  • 分類は「しはいポケモン」。

それからもすったもんだあって、騒動は終息。ゼイユたちおかしくなっていた人々は元に戻ります。

プレイヤーとしては「面白いイベントを見られた」「人気キャラの活躍(?)をまた見ることができた」「珍しいポケモン(モモワロウ)をゲットできた」で終わりなんですが、世間的には終わりませんでした。

あまりにもインパクトがあるイベントだったので、プレイヤーはTwitterことXに「キビキビー!」と踊るキャラの画像や動画をどんどんアップロード。Switchから直接送る手段があった(この記事を書いているときの数日前に終了)ので出しやすかったんです。

「キビキビー!」と叫びながら踊るキャラの面白さはプレイヤー以外にもわかりやすかったようです。世間に広まっていき、いつしかあの動きは「キビキビダンス」という名前で呼ばれるようになりました。

YouTubeやXで調べてみると、自分で踊ってみたりキャラクター(ポケモン以外も含む)に踊らせてみたりしています。

GoogleやYahooで「きびきび」を調べてみると、「きびきび動く」みたいな項目だけじゃなく本作についての話までわりと上の方に出てきます。

腕だけ動かすのではなく、肩甲骨というか肩ごと動かす方がいいです。その方が派手になって面白いし、原作にも近づくと思います。肩こりにも効きやすいかと。

やりすぎると肩を壊すので注意しましょう。
速く動かすのはフィクションだから、ということで現実世界ではゆっくり動かした方がいいです。

「肩ごと動かす」というのがわかりにくいかも……左手を右肩に当て、右腕だけでキビキビの動きをしてみてください。「肩が少ししか上下しない」「肩が大きく上下する」と違う動かし方ができるとわかるんじゃないでしょうか。

変な動きと面白いBGMでカムフラージュしていますが、モモワロウが起こした騒ぎはよく考えると怖いことじゃないでしょうか。

操られておかしな行動を取り始める、というのはホラーものっぽいです。
モモワロウに操られた人はただ変な動きをするだけじゃありません。操られていない人と会えば、毒の餅を食べさせて仲間にしようとしたり襲いかかってきたりします。
正気の人間が襲われて減っていく流れはゾンビなどが暴れるホラー映画のようです。

作中では主人公たちがモモワロウを倒すことでみんなキビキビ動くのをやめます。しかし、もし主人公たちまで正気を失っていたら……?
操られた人はいつまでもキビキビ動いていられるわけじゃないと思います。普通に消耗するはず。それが何日も続いていたとしたら、きっと体力のない者から順に……

あのBGMがなく、周囲には夜の静けさだけ。都会の明かりも人けもない村の片隅でおかしな人たちが迫ってきたら……と脳内で変換してみると怖さがわかるはずです。

ポケモンレジェンズアルセウスで語られているように、人間なんかよりずっと強い力を持っていると考えればポケモンは怖い生き物です
「キビキビパニック」はそんな力が使われたことで発生したもの。村1つ滅びかねなかった事件だったんじゃないでしょうか。

いつかこのことを書こうと思っていました。待ちすぎて時期を逃した気もしますが。

僕が子供のころだと、世間に広まるのはテレビか口コミしかありませんでした。インターネットで広まっていくのは現代ならではだと思います。

ゲームをしない人にまで広まるのって、落ち着いて考えるとすごいことかもしれません。

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