- いいところ
世界の設定がかっこいい。
小説などの関連本が面白いものばかり。
メーカー | グループSNE |
発売日 | 1989年(平成元年)3月 |
TRPGというゲーム
本来、RPGとはコンピューター(ファミコンやパソコン)を使わずに紙、ペン、サイコロなどの道具と一定のルールを使って遊ぶものだったそうです。例えばダメージはルールに基づいて自分で計算し、魔法が効いたかどうかはサイコロの出目で判定します。
日本ではウィザードリィやドラクエなどゲーム機でのRPGが先にはやり、RPGという言葉は「ゲーム機で遊ぶゲームのジャンル名」として広まっていきました。
そのため、ゲーム機と関係ない本来のRPGにはTRPG(テーブルトークRPG)という言葉が使われるようになりました。
ジャイアントパンダが見つかって名前をパンダから変えることになったレッサーパンダみたいだ……
僕がTRPGというものに初めて触れたのは高校生のころ。フォーチュンクエストという小説の3巻を読んだとき。主人公たちはファンタジー世界の住人で、旅先で出会ったキャラクターと一緒にTRPGをしていました。
作中には「ディーディーとかティーティーとか」という台詞があります。当時の僕は知りませんでしたが、実際にある「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と「トンネルズ&トロールズ」という有名TRPGが元ネタだったんでしょう。
しばらく時間がたって、大学に入る前後辺りの僕は「モンスターコレクション」「アイテムコレクション」などのファンタジー解説本を入手。穴が開くほど読み、どんどんファンタジーにのめり込んでいきました。
そしてこれらの本を書いた方々がソード・ワールドRPGというものに関係していると知り、フォーチュンクエストのキャラクターたちがやっていたアレだと気づきました。
こうして僕はTRPGについて知っていったわけですが、周りの友人たちは違います。どういうものか説明するときは「ファミコンを使わずにドラクエをやるようなもの」と話していました。
何かの本で、「TRPGを知らない人にTRPGのことを話すと『セーブはどうする?』『テントは使ったらなくなる?』と尋ねられる」とか書いていました。僕も同じ事になりました。
ソード・ワールドの世界観
本作はフォーセリアという世界を舞台にしています。モンスターがいて科学の代わりに魔法が存在するファンタジーな世界です。
主人公(プレイヤー)たちは冒険者。ときに剣や魔法を使って事件を解決させます。
「最初に始原の巨人が存在した」「巨人の骸から神々や竜が生まれた」「神々の争いが起きて竜が暴れ始めた」「古代の魔法王国が存在していたものの魔精霊の騒動で滅びた」などの設定がものすごくかっこいい……
プレイヤーの技能
1人でいくつも取ることができ、個別に成長させられます。例えば魔法戦士なら魔法の技能と戦士の技能をそれぞれ持っている、みたいな感じです。
- ファイター
パーティーに複数いる人。武器で攻撃する役だったり、敵を引き付けて仲間を守る役だったり。 - シーフ
鍵を開けたり罠を外したりする役。重い装備品は使えません。 - プリースト
ヒーラー。何の神様を信仰しているかで使える魔法が違います。武器を出す魔法のディバインウェポンがかっこよさそう。 - シャーマン
精霊使い。自然的な魔法を使います。僕は、聖剣伝説2・3に出てきた精霊と一緒に戦う姿をイメージしていました。 - ソーサラー
こっちも魔法使い。学問所で魔法を学んだ人たちです。 - レンジャー
野伏。屋外での潜伏・探索ができます。弓矢の扱いも可能。 - セージ
賢者。冒険に役立つ知識の持ち主です。 - バード
吟遊詩人。魔法のような効果がある歌を使えます。 - 他の技能
格闘技で戦う技能とか軽い武器で戦う戦士の技能とかあってもいいんじゃないかなと思っていました。
ファリス陣営でもファラリス陣営でもない中立陣営の魔法があってもいいんじゃないかとも思っていました。個人的には竜語魔法やクリスタニアのタレントがその類という解釈。
プレイヤーの種族
- 人間
フォーセリアに最もよくいる人たち。個性がないことが個性。どの職業もできます。 - エルフ
腕力が低く知性が高い妖精。シャーマン技能を必ず持っていて、プリースト技能を持てません。
僕は本作のエルフとある漫画のエルフの影響で「エルフ=人間に警戒している」というイメージになりました。 - ハーフエルフ
人間とエルフの血を引く者。あまりいないはずですが、ソードワールド関連の作品にはよく出てきます。 - ドワーフ
筋力や生命力が高い妖精。見た目はごつめ。魔法技能はプリーストだけ使えます。 - グラスランナー
子供くらいの背丈の妖精。ホビットの名前は使えないのでこの名前。手先が器用で、全員がシーフでレンジャー。魔法は一切使えず、大抵はお調子者です。
ファンタジーについて詳しく知るまで、僕にとって妖精とは小さくて背中に蝶やハチの羽が生えているアレのこと。人間大のものも妖精だと知って驚きました。 - その他の種族
マーマン(人魚)やフェザーフォルク(鳥人)辺りをプレイヤーキャラクター化する特殊ルールをどこかで見たような……何の本だったっけ……
関連本
ここまで知ったふうな感じで語っておいてなんですが、僕は本作で遊んだことがありません。
一緒に遊ぶ人がいなかったからです。大学生のとき、そういう人がいそうな部に入っていれば違ったのかも……
そういうわけで、僕がソード・ワールドに触れる手段はいろいろな本でした。覚えたルールは本の内容を理解するためのものとして使っていました。
リプレイ集
プレイヤーたちがプレイしている様子を文章でまとめた本。ソードワールド関連本の中で最もよく読み返したのがこれだと思います。いろいろ読みましたが、僕が特に好きだったのは1部と新1部。
特に好きだったのが、魔法を漢字で表現してカタカナのルビを付けるところ。「魔力賦与(エンチャント・マジック)」「石弾炸裂(ストーン・ブラスト)」「火球爆発(ファイア・ボール)」「気弾(フォース)」とか。
僕から見るとすごいかっこよさです。スネアなんてただ転ばせるだけの魔法なのに「転倒(スネア)」と書くだけでかっこよさアップ。
シナリオ集
ソード・ワールドで遊ぶためのシナリオをまとめた本。使うことはないわけですが、楽しく読んでいました。小説のあらすじを読んでいるような感覚だったんじゃないかと。
印象に残っているのは四大魔術師の塔。ドラゴンだの吸血鬼だの出てきて怪獣大決戦的なのを面白がっていました。
小説
長編だったり短編だったり。特に好きだったのはサーラの冒険。
読者参加型の小説(読者が展開を考えて送る)もありましたが、当時の僕はとても大人しい青年だったので投稿できませんでした。
途中になっているシリーズも……
「混沌の大地」の続き、今も待っています!
コンピューターRPGでのソード・ワールド
コンピューターゲームのブログなのにどうしてこの項目が最後の方になっているのか……
それはさておきパソコン版の「ソード・ワールドPC」とスーパーファミコン版の「ソード・ワールドSFC」「ソード・ワールドSFC2」があって、僕はSFCとSFC2で遊びました。
SFCは途中までしかレベル上げできませんが、SFC2だと最大まで行けるので派手になって楽しかった覚えがあります。魔晶石をガンガン使えるのもいいところ。たっぷり拡大した魔法をぶっ放していました。
パソコン版も欲しかったんですが、どこで買えばいいのかわからなかった(当時はまだインターネット注文がはやっていない時代で、アマゾンと言えば買い物サイトじゃなくヒーローの名前でした)ので……ソフトそのものはともかく、攻略本か何かは持っていたような。
サントラもあったんですが……どうにかして買っておけばよかった……
その後の影響
僕は冒険者というものを先にフォーチュンクエストで知っていて、「モンスターを倒したりしながら愉快に暮らしている人たち」くらいの認識でした。しかしソード・ワールドを知ったことで「ごろつきみたいな冒険者もいる」「アウトロー的存在」というイメージになりました。そういえば、フォーチュンクエストにもガラの悪い冒険者がいたっけ……
「最初に巨人がいて、その骸から神々や竜が生まれ……」「神々には対立関係があり……」という設定にはすごくハマりました。そのせいで、今も世界樹の迷宮などでキャラクターの脳内設定を考えるときは「彼らの世界はどんなふうにして生まれた?」「どんな神様がいる? 神様の敵は?」という部分から入ります(神魔の話はスレイヤーズという小説にも影響を受けています)。
だからうちのメディックはきっとファリス的なものの信徒です。第5階層? 何か問題でも?
他には、ゲームボーイのポケモン赤でポケモンの名前にソード・ワールドのキャラ名を使っていました。例えばフシギダネはケインでポッポはアリシアン。
終わりに
本家本元のTRPGとしてのソード・ワールドでは遊んだことがありませんが、今の僕を形成するうえではかなり影響されたと思います。
今はソード・ワールド2.0や2.5があり、そっちでは僕がイメージしていたものに近いグラップラーやフェンサーもあります。
コンピューターゲームばかりやっている僕が言うのもなんですが、このTRPGという文化も続いてほしいです。
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