- この記事に書いてあること
バーチャルボーイがたどってきた道。
バーチャルボーイがSwitchで復活!
VRはもっと進化できるはず……
メーカー | 任天堂 |
発売日 | 1995年(平成7年)7月21日 |
バーチャルボーイとは
バーチャルボーイは1995年に任天堂から発売されたハード。定価は1万5千円です。
1989年のゲームボーイ、1990年のスーパーファミコンの後に続くものでした。
任天堂以外だと、1994年11月22日にセガサターン発売。1994年12月3日にPS1発売です。

バーチャルボーイの本体は赤い双眼鏡のような形。下にスタンドが付いていて、テーブルや机で置けるようになっています。
テレビと接続する必要はありません。この双眼鏡部分をのぞくとゲーム画面が映っていて、立体的に見えます。
このゲーム機は20世紀のうちに発売されたVR機器というわけです。
しかし「未来のゲーム機!」とか呼ばれてもてはやされたわけじゃなく……
バーチャルボーイは不評?
少ない販売台数
バーチャルボーイは他の任天堂ハードと比べて明らかに売れていませんでした。
発売日の1995年7月は僕がゲームショップで働いていた時期に含まれていますが、バーチャルボーイをどんどん売っていた覚えはありません。
ウィキペディアで調べてみると、バーチャルボーイの販売台数は国内で14万台。同時期に売られていたスーファミは1717万台。
バーチャルボーイの台数はスーファミの100分の1以下。そのくらいしか出回っていなかったと考えると、発見率はかなり低かったはずです(販売時期の長さに違いがあるので単純計算で正確な答えは出ないと思いますが)。
どうしてこんなことに?
ファミコンもスーファミも最初からコントローラーが2個付いていました。2人プレイOKということ。
ゲームボーイは通信ケーブルで他のプレイヤーと一緒に遊べる仕組みでした。
一方、バーチャルボーイは双眼鏡部分をのぞき込んで遊ぶ仕組み。つまり遊んでいる本人以外は面白くも何ともなく、1人で遊ぶことしかできません。
これだと「みんなで一緒に遊んで面白さが人から人へと伝わる」ということが起きにくくなってしまいます。
「目が疲れる」という話もありました。疲れるので目に悪いのかという話も……視力を鍛えるのでむしろ目にいいという話も後で聞きましたが、真相と風評はまた別。
PS1やサターンに比べて黒赤2色のゲーム画面が単調だったというのもあるかもしれません。
消えていくバーチャルボーイ
バーチャルボーイのソフトはかなり少なく、ウィキペディアによると19作しかありません。その下に書いてある発売しなかったソフトの方がずっと多いです。
発売日も19作全てが1995年の後半だけ。任天堂の方々も早いうちから「これは駄目か……」と判断していたのかもしれません。
年月が過ぎ、かつてのことを知っている人は「バーチャルボーイは任天堂の黒歴史」なんて言うようになりました。

「黒歴史」は∀ガンダムという番組に出てきた言葉で、今では「なかったことにしたい歴史」みたいなネガティブ方面の意味で使われています。
ガンダムに詳しい方によると悪い意味ばかりの言葉じゃないそうなので、誤用されているとも言えるんだとか。
バーチャルボーイは任天堂ミュージアムにもしっかり置いてあるし、どうぶつの森系ゲームにも置物として出てくるので、なかったことにはされていないんですが。
「最低限度の分は売ったので赤字ではなかった」という話も聞いたことがあります。
その後の話
バーチャルボーイの中古価格
出回っていた台数が少なかったということはレアということ。現役のころはどうだったか忘れましたが、今(2020年代)は高額で取り引きされています。プレミアです。
この記事を書いている途中でオークションサイトを軽く調べてみると、3万円とか6万円とか出てきました。元は1万5千円だったんですけど!
3DSの立体視
任天堂の方々は立体視をやめてしまった……というわけじゃなく、3DSに立体機能を付けました。
今もその機能は使えるので、3DSを持っている方はカメラ機能で適当に撮影してみてください。立体の画像ができます。

立体と言うか奥行きがある写真のように見えます。
しかし3DSの立体視も「大人気の機能!」という反応じゃなかったと思います。立体視を使えるゲームはいろいろありましたが、1回見て「おお、すごい!」となって立体機能を切ることがほとんど。ずーっと常に使っていたわけじゃありませんでした。
やがて2DS登場。これは3DSの立体視をカットされていました。なくてもゲームできるし、仕方なかったかも……
SwitchのVR機能
Switchが現役になってしばらくした2019年、ニンテンドーラボというゲームに「Toy-Con 04: VR Kit」というバージョンが登場しました。

段ボール製のパーツを組み立ててゴーグルを作り、Switchを装着(後に発売されるLiteやSwitch2はうまくはまらない)。顔の前で構えてのぞき込むとVRのゲームを楽しめます。
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドにもVRモードが追加され、のぞき込みながらVRのハイラルで遊べるようになりました。

ブレスオブザワイルドのVRモードは舞台のハイラルにいるような感覚になれました。
しかしジョイコンはSwitchの本体(画面部分)にくっつけたまま。つまり「顔のちょっと斜め前でジョイコンを操作する」という不自然な姿勢で遊ぶことになってしまいます。
段ボール製のパーツごと頭で固定できればそんなことにならなかったんですが……自分で固定器具を作った方もいたんだそうな。
できればジョイコンを振って剣を振ることもできれば……僕が欲しいのはブレスオブザワイルドじゃなくてスカイウォードソードのVRモードみたいです。
バーチャルボーイ、まさかの復活!
2025年9月12日、Switch2が発売されて数か月たったときのニンテンドーダイレクトで驚くべきことが置きました。
NintendoSwitchOnline(追加パック)で
バーチャルボーイ復活。
NintendoSwitchOnlineはファミコン、スーファミ、ゲームボーイの過去作で遊べるようになったりNintendoMusicで曲を聞けるようになったりするサービス。
追加パックに加入すればゲームボーイアドバンス、ニンテンドー64、ゲームキューブ、そしてメガドライブのゲームも加わります。
バーチャルボーイもゲームボーイアドバンスみたいに遊べるようになるわけです。
配信開始は2026年2月17日の予定。Switch1でもSwitch2でもOK。
なお、2025年はバーチャルボーイ30周年でもあります。記念する意味も含めての復活なのかも。
遊べるソフト
この記事を書いている時点で予定されているソフトはこちらの15作。
- バーチャルボーイワリオランド アワゾンの秘宝
- ギャラクティックピンボール
- レッドアラーム
- テレロボクサー
- マリオズテニス
- ジャック・ブラザーズの迷路でヒーホー!
- バーティカルフォース
- マリオクラッシュ
- T&Eヴァーチャルゴルフ
- バーチャルボウリング
- インスマウスの館
- スペースインベーダー バーチャルコレクション
- V・テトリス
- 3Dテトリス ←日本で未発売だったポリゴブロック?
- バーチャルフィッシング
このリストに入っていないのは、
もうメーカーがない「とびだせ! ぱにボン(ハドソン)」「スペーススカッシュ(ココナッツジャパン)」「バーチャルLAB(J・ウイング)」、
野球選手を実名で使っていそうな「バーチャルプロ野球’95」、
モロに版権ものの「SDガンダム DIMENSION WAR」です。
必要なもの
- バーチャルボーイ for Nintendo Switch 2/Nintendo Switch
- バーチャルボーイ (ペーパーモデル) for Nintendo Switch 2/Nintendo Switch
このどちらかにSwitchまたはSwitch2を装着して遊ぶことになります。
ペーパーモデルはペーパーと言うくらいなのでニンテンドーラボのゴーグルを赤くしたような雰囲気。つまり僕はニンテンドーラボのゴーグルとSwitch1でいける……?
ペーパーモデルじゃない方はかつてのバーチャルボーイをかなり忠実に再現しています。
買えるのはマイニンテンドーストア。
お値段はペーパーモデルが2980円でペーパーじゃない方が9980円(どちらも税込)です。
ペーパーモデルはスタンド部分がないので、ジョイコンを付けたままにして顔の前で構えないといけません。
ペーパーモデルじゃない方ならジョイコンを外したりプロコンを使ったりできます。YouTubeのニンダイ動画だと38:15辺りでその姿勢をやっています。
予約方法・購入方法
この記事を書いている時点だとマイニンテンドーストアで予約を受け付けている状態です。
ただしNintendoSwitchOnline加入者限定です。
終わりに 今回はどうなる?
他の記事にも書いたと思いますが、僕はVRを未来のゲームだと思っています。
今の時点でもゲーム内の世界へ飛び込んだような気分になれますが、まだ発展途上だという気も……バーチャルボーイがはやらなかった理由には「お手軽じゃない」というものもあったのでは。
VRのMeta Quest(Oculus Quest)はすごいハードですが、まだ発展の余地があるはず。
「サングラスみたいなのをスッとかけるだけでゲームの世界が広がる」なんて段階まで成長すれば一般的に流行するのでは。
それでもなお今回バーチャルボーイが復活したのは、任天堂の方々に「VRや立体視をあきらめたくない」「VRや立体視自体をもっと普及・発展させたい」という考えがあるからじゃないでしょうか。

ペーパーモデルじゃない方は世代の人間を狙い撃ちできそうなデザインです。
少なくとも1995年よりは受け入れられそうな気がします。
あのころはまだVRなんて「よくわからないもの」「そうそう触れないもの」の1つだったと思います。しかし2025年の今なら知名度が違うはずです。
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