魔法陣グルグル(漫画) ~アニメにもゲームにもなった作品~

Mahoujin-Guruguru 1990年代
  • いいところ
    ギャグ漫画でありファンタジー漫画でもある。
    RPGのパロディ部分。
作者衛藤ヒロユキ
出版社エニックス
連載開始1992年(平成4年)7月

世界は魔王ギリの脅威に晒されていた。ジミナ村の少年ニケは、勇者を目指していた父によって無理やり勇者候補にさせられる。
ニケは村のしきたりに従って魔法オババの下へ立ち寄り、ひっそりと育てられていたミグミグ族の少女ククリと出会う。
ニケとククリは魔王ギリを倒すためにジミナ村から旅立つ。

本作の作者である衛藤ヒロユキさんは、これより前にドラクエ4コママンガ劇場で書いていました。ただし他のドラクエ漫画と違う雰囲気のミネアが出てきたり、ドラクエ4の勇者が動揺のあまりに「ふんどし!」と叫んでしまったり……すごく特徴的でした。

そして本作が掲載されていた月刊少年ガンガンは、ドラクエの発売元だったエニックスから出ていました。本作が始まったころはドラクエ5の発売直前で、きっと盛り上がっていたはずです(そのころの僕はまだガンガンを読んでいませんでした)。

そういう作者さんがそういう雑誌で書く作品、ということで本作はギャグ的な内容でRPG(あるいはドラクエ)をすごく意識した漫画として生まれました。
僕が読み始めたのは連載開始からしばらくたった後で、主人公たちが最初の大陸から次の大陸へ移ったところ。つまり、主人公たちが幻にやられて延々と足止めを食らう回。なかなかすごいところから見始めたかもしれません。

あの号はZMANでガンダーの養女(年長)がケガして、ハーメルンでスフォルツェンドの戦いにじいちゃんとハーメルが駆けつけて、シャクマでホーリーが正体を明かして……ってところだったような。

出会いはともかく本作は僕が好きなRPGっぽく、僕が好きなラピュタのように少年少女の冒険もの。ということで僕はすぐ気に入りました。

勇者ニケ

周りから「勇者様」「勇者さん」と呼ばれていますが、職業は盗賊。
いい加減でお調子者。敵から逃げ回る場面も結構あります(特に初期)。しかし何だかんだ言って仲間には優しく、いざというときには頑張る少年です。そして勇者としての力に目覚めていきます。

外国では女神さまの名前ですが、当時の僕は知らなかったのでセーフ。

ククリ

特殊な魔法「グルグル」を使うミグミグ族の生き残り。パーティーでは魔法使いあるいはグルグル使い。
「すごい一族の末裔」「少年の主人公と行動する」ということで、僕はラピュタのヒロインと重ね合わせて見ていました。ククリは読んでいた本のせいで「勇者」へ異様にあこがれていたり意外と口が悪かったりして、全然違うキャラクターなんですが。

後々「ククリ(ククリナイフ)」という武器があると知って、女の子っぽい名前の武器だなと思いました。

キタキタおやじ

本名アドバーグ。キタの町の町長でしたが、町に伝わるキタキタ踊りの後継者を探すために旅立ちます。そう書くとまともなキャラに見えなくもないですが、本作最大のギャグキャラです。
踊りを宣伝したいのかしょっちゅう踊っていて変ですが、耐久力があるので戦闘では結構頼れます。

ザザ&ミグ

キタの町に住む兄妹。
この2人(ともう1人)も主人公たちのように旅立つんだろうなと、僕は予想していました。というか妹さんの方は「祟りのせいで女の子が生まれなくなった町で唯一の女の子」「ミグミグ族という不思議な人たちがいる世界のキャラで名前がミグ」とか、どう考えても何かあるじゃないですか……

トマ

ザザ・ミグと一緒に登場した少年。本作で旅立ったのは彼1人でした。
主人公一行に合流して魔技師(魔法アイテムを作ったり使ったりする職)として活躍しますが、地味だということをネタにされます。

ギップル

風の精霊。主人公たちの案内役。
クサイ台詞が苦手で、かっこいい台詞を聞くと苦しみます(作者さんの照れ隠しじゃないでしょうか)。風の精霊らしいクールな技や魔法を使ってほしいと僕は思うんですが、仮にそんなのを使えたとしても自分のかっこよさに「クサァ!」とダメージを受けてしまいそう。ポケモンの反動技みたいだ……
それと、僕は彼の掛け声「ギップリャ!」が好き。

ゲイル&エナ

戦士と魔法使いのコンビ。
原作だと最初の方でチラッと出るだけ。しかしアニメ(1作目)だと準レギュラー。ゲイルがやられて「俺は勇者だ……」と主張しつつエナに連れて帰られる、というのがお決まりのパターン。
2人の追加は尺稼ぎ? だとしても、原作に追いつくことを防がないといけないから仕方ないです。

本作は3度もアニメ化されています。1回でもすごいことだろうに、2度も3度もとか……
アニメ化された範囲はそれぞれで違っています。

  1. 旅立ち~チクリ魔が現れるところ(きりなしの塔に行く直前)。そこから先はオリジナル展開。
  2. きりなしの塔~光魔法結社に行くところ。
  3. 旅立ち~ラストバトル。

ダイの大冒険もそうでしたが、「かつてのアニメ化で最後まで行かなかった作品を再アニメ化して完結させる!」とやってくれるのはうれしいです。

本作はゲーム化もされています。スーパーファミコンで2回、そしてゲームボーイでも2回(1回はゲームボーイカラー)。元々ゲームを意識した漫画なので、ゲーム化は先祖返りみたいなもので作りやすそうです。

僕はスーファミ版の1作目で遊んだことがあります。
ニケとククリは拠点の町からいくつもの塔に入っていき、内部は毎回変化……不思議のダンジョンっぽいです。
ニケはオートでずっと武器攻撃(作戦変更によっては防御もする)。プレイヤーはククリを操作して魔法陣を書き、魔法攻撃します。

スーファミ版の2作目も今になって情報を見返すと面白そう……しかし遊んだ覚えがありません。発売された年は大学がいそがしかった時期なので、手を出さないでおいたのかもしれません。

後にスピンオフ作品として「舞勇伝キタキタ」がガンガンONLINEで連載されました。主人公はキタキタおやじです。
この記事を書いている時点では、続編の「魔法陣グルグル2」が同じくガンガンONLINEで連載中です。ギャグ成分もファンタジー成分も元のままです。

僕はファンタジーものが好きです。
指輪物語みたいなガチガチのハードなファンタジーも面白いんですが、そういうのばかりだと疲れてしまうかもしれません。だからこういうゆるいファンタジーも必要です。

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