- いいところ
広々としたフィールドをうろちょろ探索できる。
悪魔との会話や合体などの面白さは過去作同様。
略称 | 真V 真メガテンV 真5 真メガテン5 |
機種 | Nintendo Switch |
メーカー | アトラス |
発売日 | 2021年(令和3年)11月11日 |
後に続いた機種 | PS5 XboxSeriesX/S Steamなど |
序盤の物語
主人公は普通の高校3年生として生活していた。
ある日、下校中の駅で事件が起きた。その中で友人たちが姿を消し、主人公は2人を探してトンネルの中に入る。
そのときトンネルが崩れ始め……気が付くと主人公は荒れ果てた世界にいて、悪魔に襲われてしまう。
命の危機となった主人公を謎の男アオガミがかばい、こう告げる。
「少年、死にたくなければ手を取れ」
発表と発売
本作のことが発表されたのはSwitchが発売される前。調べ直してみると2017年1月でした。
その後は動きがないまま何年も過ぎ、2020年になって情報が追加。2021年11月に発売されました。このときはSwitch専用ソフト。
2024年6月にパワーアップ版として「真・女神転生V Vengeance(真・女神転生VV)」が登場。こっちは新しい話を追加され、SwitchだけじゃなくPS5、XboxのSeriesX/S、PCなどいろいろなハードで遊ぶことができます。
Vengeanceで追加された話は「復讐の女神篇」、元からあった話は「創世の女神篇」という名前になっています。
僕が買ったのはSwitchの真・女神転生VVです。元の版は人から話を聞く程度でした。
この記事は前からある創世篇について扱うので、タイトルを「真・女神転生5」にしてあります。もしかすると「書いている人、元のことを知らないな……」というところがあるかもしれません。
主な登場人物
主人公
名前はプレイヤーが決める仕組み。中性的な見た目の少年です。
謎の世界「ダアト」に迷い込み、アオガミと合体した「ナホビノ」として悪魔と戦い始めます。
合体後は髪が長い姿。このことは作中でネタにされ、戦闘(交渉)相手の悪魔も髪のことを言ってきます。主人公の返答は「神だけに髪が長い」「手入れが大変だ」「カッコイイだろう」です。
そんな返答はありますが、物語の中では無言系主人公。個性を見せることはありません。作中で起きていることに対してどう反応しているかはプレイヤーの想像力に任されます。
他のメガテンシリーズと同様に、彼(=プレイヤー)の行動は作中世界の運命に影響を及ぼします。
アオガミ
初登場は主人公が悪魔に襲われる場面。駆けつけるところがかっこよすぎてヒーローものっぽいです。
記憶を失っていますが、わりとすぐに取り戻します。
敦田ユヅル
真面目な優等生キャラ。妹がいるので僕は「お兄ちゃん」と呼んでいますが、主人公の同級生です。
それはよろしいのですが……彼、急に言ってくるんですよ……「僕には悪魔を使役する力がある」「世界の秩序を守る組織から悪魔召喚プログラムを授かっている」とか……
もしかしてお兄ちゃん、中二病キャラ……?
※公式HPに書いてあるとおり、彼は実際に特殊な立場の人間です。中二病じゃないです。
太宰イチロウ
帽子をかぶったチャラそうな兄ちゃん。ユヅルと対照的なキャラクターとして作られたんだと思います。
PVで初めて見たときは「名前があるモブキャラ?」と思いましたが、物語の中で重要なポジションになっていきます。
僕は彼の出番が増えていくところを見ながら「真メガテン3のあの子みたいになるんじゃ……」なんて気がしていました。そういう方向じゃないです。
磯野上タオ
真面目そうな同級生。
しかしこっちも「私には治癒能力がある」とか言い始めて……主人公たちの学校ではそういう中二病設定がはやっているんでしょうか。
※彼女もまた中二病ではなく、公式HPに書いてあるとおり実際に特殊な力を持っています。
敦田ミヤズ
ユヅルの妹でメガネっ子。大人しく、病弱な体質です。
王子様の夢を見ることがあるとか……こっちは中二病とかじゃなくて伏線的なもの。
個人的には長袖手袋マフラーというガードの高そうな姿が気に入っています。
八雲ショウヘイ
謎のお巡りさん。出てきたところから強者感が漂っています。過去作で葛葉ライドウを見ていると余計に強さを感じるのかもしれません。相棒のジョカも同様に余裕たっぷりのキャラ。
この人が重要なポジションになっていくのは当然という感じです。
ナホビノ
主人公がアオガミと合体して変身する姿。
初めてこの姿を見たときの僕は「もう人間に戻れないのかも……」と思いましたが、自由自在にアオガミと分裂して元に戻ります。
この「合体して不思議な力を持つ」というのはいい設定だと思います。
真メガテン1の主人公は普通の学生さん。しかし物語が始まるといきなり悪魔と戦い始めます。冷静に考えると「どうして普通の子がそんなことできるんだろう」という突っ込みが頭に浮かんできます(お約束として割り切るべきではありますが)。
本作のように「合体してすごい力を得た!」とすれば戦えることを説明できます。ニチアサみたいなものです。
悪魔との戦闘・会話
戦闘
今回もプレスターンバトル。上に出ているアイコンの数だけ行動できます。
行動回数は敵の弱点を突けば増え、攻撃をかわされたり止められたりすると逆に減ります。増えたり減ったりするのは敵も同じ。つまり弱点や耐性をうまく使えば有利になります。
このシステムをよりうまく使えば、「主人公が1ターンに何回も動いて強力な技を連発」なんてこともできます。
マガツヒスキルは超必殺技みたいなもので、ゲージをためて使います。
僕は「禍時:会心(1ターンの間、全ての攻撃をクリティカルヒットにする)」ばかり使っていましたが、世間では霊鳥や凶鳥の「呪毒散布(状態異常にしたり能力を下げたり)」が人気みたいです。
難易度調整
今どきのゲームには必須の要素。
「Casual」「Normal」「Hard」から選ぶことができます。DLCを使えば更に簡単な「Safety」も選べます。
最後のはやたら簡単になるので大体の敵には勝てるはず。勝てばよかろうです。
会話
シリーズで定番の要素。今回も悪魔と交渉して仲魔にできます。やっぱりメガテンはこれが目玉。
過去作だと「外道は交渉不能」ということがありましたが、本作なら大丈夫。スライムもレギオンも最初から交渉で仲魔にできます。
本作は戦闘中に悪魔へ話しかけると仲魔が代わりに話し始めることもあります。
オーディンとヴァルキリーなら上司・部下の会話、ヨシツネとクラマテングなら師弟トーク、という具合。マーメイドはケルピーと船沈めトークを……価値観には随分違いがあるようですが。
探索要素
個人的に本作の目玉。
広々としたフィールドを好きなように移動して探し物をしたり問題を解決したりできます。
いくつかのフィールド
Vengeanceじゃない真メガテンVだと「港区」「品川区」「千代田区」「台東区」の4つ。ダンジョン的なものも2つ。これらで探索を楽しめます。
「ダンジョンの何とかが難しい」と言っているのを聞いたことがあります。しかしバージョンアップで簡単になったそうです。そのお陰か、僕はそれほど難しくないと感じました。ゼルダの伝説とかで慣れていたお陰もあるかもしれません。
不満を1つだけ言わせていただくと、壁を登らせてほしかったです。壁(床)を通り抜けることまでは求めないので。
壁を登らせてしまうとイベントの順番管理が大変なことになりそうです。
悪魔たち
本作はシンボルエンカウント。悪魔たちはフィールドやダンジョンでうろうろしています。
つまり、仲魔にしたい悪魔がいるならその姿をフィールドやダンジョンで探せばいいです。しかしなかなか見つからなくてお供として出てくるのを期待した方が早い悪魔も……
チョトンダとかクラマテングとか……僕が見落としているだけだと思います。
クエストナビ
ポケモンに「連れ歩き」という要素があり、作品によってはポケモンを連れ歩くことができます。
本作にも同じようなものがあります。仲魔の悪魔ではなくNPCの悪魔を連れ歩くようなもので、対象になるのも一部の悪魔だけ。しかし人気の悪魔は結構押さえられています。
真メガテンVVでは数が増え、バージョンアップで更に追加されるそうです。
ミマン
頭が割れていて赤くて剣を持っていたりする何だかよくわからんもの。
彼らを見つけた回数に応じてオマケ的なものをもらえます。
居場所がわからないときはキツネ面のチロンヌプにヒントを聞けます。探すのは結構難しいので、大人しくお世話になっておいた方がいいです。マッカ(作中の金銭)を払わないといけませんが。
後の方にいるミマンは彼らの秘密を明かしてきます。
サブクエスト
悪魔たちが(たまには人間も)いろいろな頼みごとをしてきます。
これをすることで合体が解禁される悪魔もいます。
「対立する2人のどちらかの依頼しか受けられない」という流れもあります。
育成要素
合体!
悪魔を合体させて新しい悪魔にするのは本作でも目玉要素です。普通の合体も特殊合体もあります。
精霊と合体させて種族内のランクを上げたり下げたりすることもできます。過去作だと種族によって「サラマンダーたち上位精霊で上げ下げ」だったり「フレイミーズたち下位精霊で上げ下げ」だったりしましたが、本作の精霊はフレイミーズたちだけです。
サラマンダーたちがいないのは残念ですが、精霊合体をシンプル化するためには仕方ない措置です。
サラマンダーたちは上げ下げ担当じゃない別の悪魔として登場、という形でもよかったかも。
写せ身とスキル
前作までだと「何とかの悪魔が持っているスキルを合体で継承させて……」とかして狙いの悪魔にスキルを覚えさせたりしていました。
本作には「写せ身」というものがあり、これを使うことで悪魔にスキルを覚えさせることができます。真メガテン4Fで例えると、「メフィストの呪殺貫通をアリスに覚えさせたい」「メフィストの写せ身をアリスに使って直接覚えさせる!」とかできるわけです。
難点は写せ身を1つずつしか持てないこと。どんなに強くて貴重な写せ身でも、1つ持っているときに2つ目を見つけたら取れません。そこはバランス調整というものでしょうか。
福音書・魔導書と香
福音書は主人公のレベルを上げるアイテム。魔導書は仲魔のレベルを上げるアイテム。そして香はステータスを上げるアイテム。
これらは結構あちこちで手に入り、主人公や仲魔を強化できます。
香は過去作だともっと見つからなかったような……僕はこういう簡単にする変化は大歓迎。難易度を下げたくない方は鋼の意思で使わないようにしていただくということで……
何にせよ、こういう強化要素があるお陰で好きな悪魔を好きなだけ冒険に参加させられます。
御厳と神意
御厳の読み方は「みいつ」。神意の読み方が「かむい」。
御厳は制作者の方々が考えた言葉だと僕は思いましたが、そういうわけじゃありませんでした。調べてみると「厳(いつ)=神聖なこと」「御厳(みいつ)=『厳』の敬った言い方」という解説が出てきました。
本作の中では真メガテン4のバロウスアプリで使うポイントみたいなもの。御厳を使うことで神意=スキルを習得できます。
個人的に早く取りたい神意は「道具の知恵(仲魔が道具を使えるようになる)」「仲魔の技数」「神の技数」「神の懐(仲魔のストック数)」辺り。「神格習合」は主人公の耐性(火に耐えられるとか水を反射できるとか)を変えてボス戦を有利にできます。
御厳を集める方法は上のミマンを探すことやフィールドのイツヅカ(銀色でカクカクした木の実のようなもの)を取ること。大小の御厳結晶でも増えます。
過去作とのつながり
ネタバレになるので細かくは書けませんが、「あの悪魔が言っていたのは○○のことじゃない?」「これは○○で見たのと同じものじゃ……」と思えるときがあります。
たまたま同じような事件があっただけかもしれません。たまたま同じような道具があっただけかもしれません。
同一のものじゃなかったとしても、ニヤリとできれば十分です。
物語の結末
本作もまた、主人公(=プレイヤー)の行動によって結末が分岐します。
過去作だと「ロウエンド」「カオスエンド」みたいな感じでしたが、本作はちょっと違う雰囲気。厳密に「ロウ」「カオス」じゃないけど突き詰めて考えると「ロウっぽい」「カオスっぽい」……くらいです。
過去作には「物語の途中途中でロウっぽい行動を取っていると終盤でロウルートに入る」という感じのもありました。
本作も物語の中で主人公の属性がロウやカオスに傾きますが、ルートを決めるのは終盤の選択。「ロウ的な選択ばっかりしていたけど最後だけカオスルートっぽい方!」なんてこともできます(ペナルティ的なものもあります)。
この記事を書いている時点の僕はまだ見ていませんが、隠しエンディング的なものもあるようです。
初プレイのときの僕は「ロウっぽい方」にしました。しかしもう一方に味方したい気がしていました。周回してそっちをやるのがよさそうです。
僕はクリア直前で「まだ終わらせたくない……」という気分になって脇道にそれていました。途中でもかなり寄り道していました。
その結果、かかったのは140時間以上。まっすぐに進めばクリア時間は80時間ちょっとだったと思います。
終わりに
悪魔を会話で仲魔にしたり、合体で新しい悪魔を作ったり……そういったメガテンの面白さは元のまま。そしてフィールドで探索する楽しみもあり。育成もかなりやりやすい仕組み。
本作は楽しさをプラスアルファされたメガテンだと思います。
攻略関係記事
かなり面白いのでハマってしまい、後略関係の記事をいくつか書いています。
よろしければご覧ください。
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