聖闘士星矢 黄金伝説完結編 ~君は小宇宙を感じたことがあるか?~

SaintSeiya-FC2 1980年代
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    原作をかなり反映させている。
    アクションゲーム部分では主人公たちの違いをうまく出している。

この記事には黄金伝説完結編及び原作・アニメ十二宮編のネタバレがあります。

機種ファミコン
メーカーバンダイ
発売日1988年(昭和63年)5月30日
後に続いた機種ワンダースワンカラー

この世に邪悪が蔓延るとき、必ずや現れるという希望の闘士、聖闘士(セイント)。
彼らは女神アテナに仕え、己の肉体のみを武器として戦う。その拳は空を引き裂き、大地を割るという。

現代の聖闘士となった星矢たちは悪の教皇と対決するため、アテナである城戸沙織を守ってギリシャの聖域(サンクチュアリ)を訪れた。しかし沙織は教皇の刺客が放った矢に倒れる。
沙織を救うためには教皇に矢を抜かせるしかない。星矢たちは教皇の間へ行くため十二宮へ突入する。

聖闘士星矢とは

皆さん、干支に初めて触れたのは何だったでしょうか。四天王という言葉を初めて聞いたのは?
干支は忍空やハンターハンターかもしれません。四天王はサガシリーズや幽遊白書かもしれません。
じゃあ12星座は……となると、僕の世代の場合はほとんど聖闘士星矢じゃないでしょうか。

聖闘士星矢は1985年末から週刊少年ジャンプで連載されていた漫画。聖闘士となった星矢たちが上級の聖闘士や敵対勢力の戦士と激しく戦います。

最大の特徴は「聖衣(クロス)」と呼ばれる鎧のようなものを登場人物たちがまとうこと(敵対勢力は別のもの)。これが滅茶苦茶かっこいいんですよ……
聖衣はそれぞれ「天馬星座(ペガサス)」「龍星座(ドラゴン)」「獅子座(レオ)」のように星座がモチーフになっていて、主人公たちが使う技にも星座関連のものがいろいろあります(全然関係なさそうなのも結構あります)。

昔は「聖闘士」と変換で出すためには「せいとうし」と打ち込まないといけませんでした。「星矢」も「せいや」と打ち込むだけだと「聖夜」「誠也」しか出てきませんでした。
今は「せいんと」「せいや」でストレートに「聖闘士」「星矢」が出てきます。「聖衣」も「くろす」でOK。

黄金伝説完結篇とは

1987年8月10日、ファミコンソフトとして「聖闘士星矢 黄金伝説」が発売されました。終盤では星矢たちが十二宮で戦います。
しかしこのときは十二宮編が原作ですら終わっていません。多分、発売日でやっと一輝VSシャカが終わるかどうかくらい。アニメではムウに会っているところです。
よってゲームの黄金伝説も原作やアニメに沿った内容を描写できませんでした。

その後、1988年5月30日になってこの黄金伝説完結編が登場しました。このころなら原作は十二宮編が終わって海底でドンパチやっている辺り。アニメはオリジナルのアスガルド編に入っています。
そういうわけで、ようやく原作・アニメ準拠の内容で十二宮編の最後までできるようになりました。

  1. 主人公たちから1人選ぶ。
  2. 横スクロールのアクション面を進む(宮と宮の間)。
  3. ○○宮まで付いたらコマンドRPG的なバトルで黄金聖闘士と対決。
    場合によってはこの中で再び横スクロールのアクション面。
    話しかけることでイベントが発生することもある。

原作をかなり意識した作りになっているので、原作どおりのキャラを出しておけば大丈夫です。
話しかけたときのイベントも原作を反映させたものです。

黄金聖闘士と戦うときは攻撃をかわすのが重要。
よけ方は「星矢たちが腕を上げた直後に十字キーの右か左」。僕は「腕を上げた瞬間に十字キーの右か左」と覚えていましたが、反射神経がにぶいせいで「直後」になっていたのかも。

当時はこの回避方法を裏ワザのように思っていましたが、説明書をよく見ると十字キーで移動することがしっかり書いてありました。

昔は「の」が入らなかったと思いますが、最近は入るみたいです。

彼らは母親が違う兄弟(瞬と一輝は母親も同じ)。ただしアニメ版では省略。
父親は頑張りすぎだろと昔から言われています。男の子だけで100人いるので女の子も同数とすると合計200人の子供がいることに……超お金持ちだったので人工的な方法をガンガン使えたのかもしれませんが。

原作とアニメではクロスのデザイン(特にマスク=頭装備)が結構違います。本作ではアニメ寄り。

天馬星座(ペガサス)の星矢

主人公ですが、連載時の人気投票では5位。主人公が1位になれないのはジャンプだとたまにあることです。昔だとキン肉マン、比較的最近だと鬼滅の刃など。

生き別れになったお姉ちゃんを探しています。お姉ちゃんの居場所はすごく意外なところ。あの人じゃなかったんですか。

龍星座(ドラゴン)の紫龍

連載時の人気投票では1位。ギャラクシアンウォーズでは星矢に負けるけど強くてかっこいいもんな……

修業地は仲間たちと違って「聖闘士のメッカだからかライバルが大勢いる」「師匠がとてつもないスパルタ」「暑すぎたり寒すぎたりして住むだけでもきつい」なんてことがなく、結構楽そうです。

本作での特徴は必殺技が廬山昇龍覇しかないこと。廬山亢龍覇が出てくるのは最後の最後。廬山龍飛翔はどうしてないのか……

白鳥星座(キグナス)の氷河

連載時の人気投票では2位。最初は何を考えているのかよくわからないところかありました。

必殺技名が原作とアニメでいろいろ違います。本作ではダイヤモンドダスト(両方)、カリツォー(原作)、オーロラサンダーアタック(アニメ)。

アニメの氷河には「相手の足元に滑り込む→足首をつかむ→凍らせて動けなくする」という技もあります。
名前を忘れたので調べてみたら「シベリア仕込みの足封じ技」と出てきました。そんな名前だったですかね?

アンドロメダ星座の瞬

連載時の人気投票では3位。1人称「俺」ばかりの主人公チームでは珍しい「僕」のキャラです。
中世的なキャラなので小学生男子人気は低かったかも……代わりに女性人気が高そう。僕は主人公チームで最も好きでした。

技がやたら多いキャラでもあり、十二宮編終了時のプロフィール表では1人だけ必殺技欄がぱんぱんになっています。
しかし本作の技欄は4つまで。使えるのは終盤までネビュラチェーンとサンダーウェーブだけです。残り2つは最後に出てくるネビュラストリームとネビュラストームの分。

鳳凰星座(フェニックス)の一輝

連載時の人気投票では4位。そのころは敵キャラだったはずですが、主人公より上です。

どんなにやられてもどんなところに飛ばされてもどういうわけか生還するお兄ちゃん。映画では「瞬がやられる→一輝登場」というのがよくあるパターンでした。この定番ルートを作るため、瞬は勝率が下がる羽目に……

それと「鳳凰座(フェニックス座)」ってペガサスとかと違ってギリシャ神話と関係なく、もっと後の時代に作られた星座なんだそうな。

故人も含めて全部で12人。戦ったり味方してくれたりします。

白羊宮 牡羊座(アリエス)のムウ

原作では星矢たちの聖衣を修復してくれて、黄金聖闘士の強さについて教えてくれます。本作でも同じ。
原作では大抵の場合マスクなしの状態ですが、本作では珍しくマスクありです。そのせいで誰だかわかりにくいという話も……

金牛宮 牡牛座(タウラス)のアルデバラン

星矢たちに立ちふさがって黄金聖闘士の強さを体感させ、ほどほどのところで実力を認めて道を開けれくれる人。角を折られる描写は本作にもあります。

ポセイドン編、ハーデス編、アスガルド編(アニメ)と真っ先にやられるので、「かませ牛」なんて呼ばれてしまうことも……敵勢力は下の宮から来て、1個前の人(ムウ)は1番手なのにしょっちゅうよそへ行っていそうだし……

双児宮 ???

原作と同じく謎の聖闘士が登場します。一体何者なんだ……

氷河で行くとカミュとの負けイベントに入ります。
氷河以外で行った場合は、戦闘後「どういうわけか氷河がいない?」という状態。漫画やアニメならともかく、ゲームだと1人だけ成長が遅れることにつながります。

巨蟹宮 蟹座(キャンサー)のデスマスク

巨蟹宮まで行くと積尸気冥界で飛ばされて横スクロール面の黄泉比良坂スタート。ここの亡者が叩いても叩いても倒れないので厄介です。

聖闘士星矢本編ではデスマスクが弱めのキャラ扱いで、かに座の人は肩身の狭い思いをする羽目に……
そんな思い出のある方は星矢の派生作品を見てください。デスマスクの分を補うように蟹座の聖闘士はいい扱いのことが結構あります。教皇に格上げしたキャラもいます。

獅子宮 獅子座(レオ)のアイオリア

原作やアニメと同じく、本作でも最初は操られています。カシオスが出てきて助けてもらえるのも同様。

イケメンキャラで外伝作品の主役になったこともある優遇キャラです。ハーデス編でも出番多め。
しかし13年前の事件の後は「あいつの兄ちゃんは裏切り者でさ……」とか言われて針の筵だったんじゃなかろうか。

処女宮 乙女座(バルゴ)のシャカ

ピンチになって一輝が駆けつけてくれるのは原作・アニメ同様。「シャカの目が開いた!」とか言うのもです。

一輝が出てきた後で六道輪廻を食らい、横スクロール面開始。難易度はかなり上がっていますが、一輝もパンチの射程がかなり長かったりして強く作られています。

天秤宮 空き部屋?

氷漬けの氷河がいるのは原作・アニメと同じ。紫龍が天秤座の剣で氷河を助けるのも同じ。

原作だと紫龍が「武器選びを間違えると中の氷河までやっちゃってやばいわ……」とか言っていますが、本作だと間違えても横スクロールで移動するところからやり直しになるだけです。

天蝎宮 蠍座のミロ

原作やアニメだと復活したばかりの氷河がミロと戦います。こっちでも同じことができます。

ミロの必殺技スカーレットニードルは15発打ち込んでとどめを刺す技。さすがにそこまではゲームで表現できません。このゲームで敵側に15回も動かれたらバトル長すぎと感じそうです。

この記事を書くにあたってスカーレットニードルのことを調べていたら「極細注射針 スカーレットニードル」というのが出てきました。名前を付けた人はミロを意識したのでは……新種生物にキングギドラシリスとか付けられたこともありますし。

人馬宮 空き部屋

この辺り、空き部屋多くないです? 聖域は経営陣のトップが変なことになっているせいで新人の補充や防御態勢がうまく行っていないんじゃなかろうか。

原作ではアイオロスのメッセージを見て新たに覚悟を決める場面がありました。
アニメでは謎のアスレチックを越えてからメッセージイベントです。どうしてあんなのがあったのか……住人がいないから代わりにアスレチックで守っている、ということもあるでしょうか。

本作ではメッセージを見て終わりです。六道輪廻のときみたいにアスレチックを横スクロールにするとか、ゲームにしやすそうですが……やられても面倒なだけですかね。

磨羯宮 山羊座(カプリコーン)のシュラ

聖闘士星矢はギリシャ神話モチーフの漫画ですが、どうしてシャカとかシュラとか別のところっぽい名前のキャラもいるんですかね……
しかしよく調べてみると、「磨羯」というのはインド神話に登場する怪魚マカラのことでもあるみたいです。「修羅」も同じ土地の伝説に登場します。
どうやらシュラはインド関係のキャラだったようです。

そんなインドキャラのシュラが使う必殺技はエクスカリバー。今度はアーサー王なのでイギリスの伝説です。もう訳がわかりません。

ここで戦うのは原作・アニメと同じく紫龍。廬山亢龍覇も出ます。
星矢たちと黄金聖闘士たちが同士討ちになる描写はここ以降で共通です。最も原作に近いのはここ(というか廬山亢龍覇)だと思います。

宝瓶宮 天秤座(アクエリアス)のカミュ

原作やアニメと同じく、本作でもここで氷河VSカミュの師弟対決になります。

アニメだと氷河の師匠はクリスタル聖闘士。原作だと天秤座のカミュ。違うのはアニメが原作の前に師匠設定を出してしまったからです。
そのため、アニメではカミュに対して「師匠の師匠だから俺の師匠も同然」とか言います。間違ってはいないかと。

双魚宮 魚座(ピスケス)のアフロディーテ

ここも原作やアニメと同じで瞬が師匠の敵討ちをすることになります。瞬の師匠の設定は氷河と同じく原作とアニメでいろいろ違っていますが。

原作やアニメと違うのは星矢でもアフロディーテを倒せること。星矢も相打ちになり、「姉さん!」とか言いながら消えていきます。
じゃあ次の最終戦は瞬でクリアできるのか……残念ながらそうではなく、星矢なら発生するイベントが発生しなくてゲームオーバー待ちになります。

教皇の間

最後の戦い。処女宮で姿を消した一輝も原作・アニメ同様に駆けつけてくれます。一輝が処女宮から教皇の間まで来るのは早すぎじゃないのか……あのお兄ちゃんはもっといろいろおかしいところがあるので今更です。

一輝の助けを借りつつ勝つとエンディング。原作だと十二宮編終了後の星矢たちはまさに満身創痍の状態でしたが、本作ではわりと余裕がありそう。原作でムウが話す内容を代わりに話さないといけないので仕方ないです。

へびつかい座マーク
当時は蛇使い座を入れて13星座にする考えが
まだ広まっていませんでした。

いいところ

キャラゲー(原作があるゲーム)は原作をどれだけ反映させられるかが重要。今どきはともかく、ファミコンの時代はその辺りを適当にしているゲームもよくありました。
そんななか、本作は原作・アニメをかなり反映させていました。これだけでもかなり存在価値があったと思います。

難易度はどうでしょうか。
難しいところもありますが、パスワード制なのでやり直しが効きます。アクションゲームが苦手な少年だった僕も、繰り返しやっていれば終盤のステージもそのうち通り抜けられました。

ネットを見渡してみると「最強パスワード」みたいなのが結構出てきます。

困るところ

いいところでもある「原作をかなり反映させている」は逆方向に影響しているとも言えます。「原作かアニメを知らないと攻略が難しい」ということにもなるからです。
ただし本作のプレイヤーは大抵の場合原作かアニメから入ったクチだったと思うので、困ると言うほどじゃなかったはずです。

この黄金伝説完結編もいつか記事にしようと思っていました。買ったのは僕自身じゃなく周りだったんですが、それでも内容やBGMはかなり記憶に残っています。

それをどうしてこの時期に記事作成したのか……
近々FFタクティクス イヴァリースクロニクルズというゲームが出て、この中では星座に関する敵キャラやアイテムが登場します。
僕は干支なら空で言えますが、12星座は十二宮編を思い出さないと無理。そのため、FFTの記事を書きながら十二宮編のことを振り返っていました。

もし僕と同じ感覚の方がいたら、この記事を読むことでFFTを理解しやすくなるかもしれません。

FFTに出てくるルカヴィ(星座関係のボスキャラ)と十二宮編の黄金聖闘士生存組は数が一緒なのか……星座が一致しているのはその中の3分の2。

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