- この記事に書いてあること
カイリューがどんな道をたどってきたか。
これからのカイリューがどうなっていくか予想。
2025年7月22日のポケモンプレゼンツでポケモンレジェンズZ-Aの情報が追加され、カイリューがメガカイリューにメガシンカすると明かされました。
カイリューはポケモンSVの対戦で大活躍しています。しかし初代ポケモン赤緑では強かったものの最強と言うほどではなく……今回はカイリューの歴史や思い出についてまとめます。
カイリューとは
- 初代ポケモン赤緑から登場していた。
- 全国図鑑ではナンバー149。
- ポケモン赤緑でカイリューより後の番号なのはクリア後ポケモンのミュウツーと隠しキャラ的なミュウだけ。
- ミニリュウ→ハクリュー(レベル30)→カイリュー(レベル55)と進化する。
ハクリュウ・カイリュウじゃなくてハクリュー・カイリュー。 - ドラゴン・ひこうタイプ。
こおりタイプが超苦手。 - 種族値(ステータス)は平均的。特にこうげき(咬みついたり引っかいたりする攻撃力)が高い。すばやさは若干低め。
- そのわりに「地球を16時間で1周できる」とかポケモン図鑑に書かれている。
計算するとマッハ2くらい。音速がマッハ1なのでカイリューは音速の2倍のスピードを出せることになる。 - 種族値の合計が高い方。カイリューたち「種族値合計600」のポケモンは600族と呼ばれている。
- 人間を助ける優しいポケモンだということも昔からポケモン図鑑によく書かれている。
- 色違いは緑色になる。
- ムーミンに似ていると言われることが多い。
進化するレベルが55なのはポケモン赤緑の時点だと最も遅いです(今はもっと遅いレベル64で進化するサザンドラもいます)。当時は「なかなか進化しない……」「他の進化条件がある?」と困った人もいたはず。
「カイリューの進化はおかしい」というのもたまに聞く話。蛇っぽい姿からいきなり手足が生えるもんな……
第1世代 ポケモン赤緑など

ポケモン赤緑だとカイリューの系統は唯一のドラゴンタイプ。最後から2番目に勝負するトレーナーのワタルが切り札として使ってくることもあり、存在感を放っていました。
使う技もはかいこうせんにかみなり、ふぶき、だいもんじ……と、かなり多彩。
アニメでもここぞというときに出てきて目立つ印象でした。
僕が特に覚えているのは灯台に出てきた巨大カイリュー。ボスキャラ的なトレーナーが出してきてサトシのピカチュウと戦う場面もありました。
しかし、対戦では「最強のポケモン!」という雰囲気ではありませんでした。
あのころのドラゴン技はりゅうのいかりしかなく、ダメージ固定技なのでタイプ一致でも威力が上がったりしません。
つまりカイリューはタイプ一致じゃない技で頑張って戦っていたわけです。
特にかみなり、ふぶき、だいもんじ辺りはとくしゅ(火を吐いたりビームを撃ったりする攻撃力)を参照して使う技なので、こうげきが高いカイリューには得意な分野じゃありません。
なお、はかいこうせんはノーマル技。とくしゅじゃなくてこうげきを参照する技です。「こうせん」と言っていてもです。
上の方に「最後から2番目のトレーナーが……」とか書いていますが、必ず苦戦するわけじゃないです。こおり技を使えば大ダメージを与えられてあっさり勝てます。フリーザーで先に動いてこおり技を撃つとか。
テレビゲーム関係の番組でポケモン対戦をするコーナーがあったんですが、参戦していた人たちもケンタロス、スターミー、ラッキーとかばかり使っていた覚えがあります。
これにはシステム的にカイリューが不利と言える部分もありました。「ポケモン3体で参加」「3体の合計が150~155」ということになっていて、レベル55で進化するカイリューがいると他のポケモンはレベル50×2体。強さが偏ってしまいます。
「こおり状態になると(大抵)ずっと凍っていて動けないまま」というのはふぶきを使うカイリューにとっておいしい状況だったかもしれません。
しかしマイナスの方が大きかったと思います。カイリュー自身も凍らされると困りますし、何よりこおり技はドラゴン・ひこうタイプのカイリューにとって大ダメージを与えてくる存在。
「こおり技が強い」ということは「対戦相手がよく使ってくる」ということにつながるので、カイリューにとってはやっぱり苦しい状況です。
第2世代 ポケモン金銀など
ゲーム内のイベントでワタルが登場。ワタルがカイリューのはかいこうせんを人間に撃たせるシーンは今もネタにされています。アニポケではロケット団がいつもピカチュウたちにやられるのでよくある風景という気も。
今回はワタルが殿堂入り直前のボスキャラ。ワタルの手持ちにはカイリューが3体もいます。つまり全6体の半分がカイリュー。
そんなにカイリューが好きなのか……と言うか、このときはもう第2のドラゴンタイプとしてキングドラがいたはずなんですが。
このときのカイリューは進化レベルの55より低いとよくネタにされます。「ワタルは改造やチートを使っている」なんて呼ばれることも……「ジムリーダーや四天王みたいな人は育成の特殊なコツを知っていて、低レベルでも進化させられる」ということじゃないですかね?
ポケモン金銀ではりゅうのいぶきやげきりんなどドラゴン技が増えました。しかしこのころのドラゴン技は全てとくこう(金銀から新設。火を吐いたりビームを撃ったりする攻撃力)を参照する技だったので、こうげきが高いカイリューにはあまりおいしくありませんでした。
カイリューにとっておいしかったのはおんがえしが追加されたことじゃないでしょうか。おんがえしはノーマル技なのでこうげきを参照し、しかもはかいこうせんと違って「撃った後で1回休み」というデメリットがありません。
こおり状態が確率で自動的に溶けるようになったのはカイリューにとって有利な面も不利な面もあったと思います。
しんそく(先制攻撃できる技)を覚えたカイリューはポケモンクリスタル(ポケモン金銀の強化版ソフト)を持っていれば入手できました。すばやさがほどほどのカイリューでも先に攻撃できて便利です。ダメージ計算で参照するのもこうげき。
ただし次のポケモンからハードがゲームボーイからアドバンスになり、互換が途切れてしまいます。しんそくカイリューとの再会はしばらく後のこと。
「カイリューなら秘伝技(飛んだり泳いだりと移動に使う技)を赤緑のときよりいろいろ覚えられる」というのもいいところだったかもしれません。しかしそういうのって最後の最後に進化するポケモンより序盤からいるポケモンの方が使いやすいかも。
第3世代 ポケモンルビサファなど
新しいドラゴンタイプとしてフライゴン、ボーマンダ、ラティアス・ラティオス、レックウザが登場。
プレイヤーからすればにぎやかになって嬉しいですが、カイリューからすれば「手強いライバルがドッと増えた……」という感じです。カイリューより素早いポケモンばかりですし。
特にボーマンダはタイプが完全にかぶっていて、あっちの方が素早く、進化レベルも低めです。
ルビーサファイアからポケモンには特性が追加されました。カイリューの場合はせいしんりょくで、敵からの攻撃にひるまなくなります。
この特性はどうなんですかね……もっと今ひとつの特性はいくらでもありますが、「いつでもどこでも便利!」と言うほどでもありません。
じしんを覚えられるようになったことは大きな強化。ただし覚えるためにはわざマシンを使わないといけません。
このころのわざマシンは入手回数が限られていて、複数回使うためには周回しないといけないこともありました。
そこまで貴重なものを誰に使うか、というのは悩みどころです。
第4世代 ポケモンダイパなど
ここでもドラゴンポケモンが追加。伝説のポケモンであるディアルガ、パルキア、ギラティナ。そして一般ポケモンのガブリアスです。
特にガブリアスは強いポケモンとして人気を集め、「主人公(そのくらい強いということ)」「美しい種族値(ステータスの配分がうまくできているということ)」とか呼ばれるようになります。
ダイパからポケモンの技はこうげき技ととくこう技に分かれました。ドラゴン技も同じで、
- こうげき技
げきりん ドラゴンクロー - とくこう技
たつまき りゅうせいぐん りゅうのいかり りゅうのはどう
というふうに分かれています。
こうげきが強いカイリューはこうげき技を覚えればいいわけです。
第4世代では多くの技が増え、カイリューはストーンエッジやばかぢから、アイアンヘッドなど使えるようになりました。しんそくカイリューも復活。
カイリューが強化技のりゅうのまいを使えるようになったのはこの第4世代と第3世代のどっちだったですかね。
しかしライバルたちが強い……
元々ドラゴンタイプはレアなタイプだったはずですが、この辺りから「珍しいけど普通に持っているポケモン」くらいになってきた気がします。
旅パ(物語を進めるときのポケモン)として僕が初めてドラゴンタイプを使ったのも第4世代のポケモンHGSSでした。あいつもしんそくカイリュー。
第5世代 ポケモンBWなど
ブラックホワイトでは新しいドラゴンタイプとしてオノノクス、クリムガン、サザンドラが登場しました。オノノクスとクリムガンは初のドラゴン単タイプです。
アニポケでもドラゴンポケモン使いのアイリスが旅の仲間になり、カイリューやキバゴやフカマルを手持ちにします。
ここで夢特性(隠し特性)というものが追加されました。今までと違う特性が全ポケモンに配られたと思っていただければ大体合っています。
カイリューの場合はマルチスケイル。HPが満タンならダメージを下げられる効果です。
このマルチスケイルがカイリューにとってかなりの強化でした。相手の方が速くてもマルチスケイルで攻撃をいっぺん耐え、バラエティー豊かな技で反撃(またはりゅうのまいで自己強化してから反撃)、という戦法が使えます。
しんそくも他の先制攻撃技より速く動けるように強化されました。
カイリューは天候とも相性が良かったと思います。
ポケモンBWには「特性で天候が変わると変わりっぱなし」というシステムがあったので、「仲間の特性で雨にしてもらう」「カイリューがかみなりやぼうふう(両方とも雨だと必中になる)を使う」という戦い方もできました。
タイプかぶりライバルのボーマンダを上回り、このまま最強ポケモンの道を駆け上がっていくのか……
第6世代 ポケモンXYなど

ここで初登場したドラゴンタイプはドラミドロ、ガチゴラス、ヌメルゴン、オンバーン、そしてジガルデ。やけにたくさんいて、もう普通のタイプかなという気もします。
その一方で、ドラゴンタイプに超有利なフェアリータイプも登場。カイリューだけじゃなくドラゴンタイプ全てが警戒しなくてはならなくなりました。
「げきりんで毎ターン暴れてやるぜ!」なんてやった直後にフェアリータイプを出されたら、無駄に何ターンも過ごす羽目になるかもしれません。
個人的に最も記憶に残っているのはマリルリ。マリルリって初登場の金銀では強いポケモンじゃなかったと思うんですよ。しかしフェアリータイプを持つようになり、特性ちからもち&タイプ一致じゃれつく攻撃でドラゴンタイプと戦い始めました。
ここではメガシンカも追加。ライバルのボーマンダはメガボーマンダ化できるようになりましたが、カイリューにはナシ。メガカイリュー登場までには10年以上待たないといけません。
フェアリータイプが出現してメガシンカがないとは言え、ここでカイリューが滅茶苦茶不利になったわけじゃないです。
弱点を突かれるとパワーアップできるアイテムじゃくてんほけんが追加されたので、「わざと弱点を突かれる」「じゃくてんほけんでパワーアップ」「更にりゅうのまいでもっとパワーアップ」「威力が高くなった攻撃を繰り出す」なんてこともできます。
しかしドラゴンタイプのライバルも負けてはいませんでした。
第6世代辺りには「カバルカイリュー(カバルドン・ルカリオ・カイリュー)」という組み合わせがあった……みたいですが、僕はあまり覚えていません。「ガブガルゲン(ガブリアス・ガルーラ・ゲンガー)」の方が記憶に残っています。
第7世代 ポケモンサンムーンなど
ここで初登場したドラゴンタイプはバクガメス、ジジーロン、ジャラランガ、アクジキング。そして後からアーゴヨン。第6世代よりも更に普通のタイプ化した気がします。
手強い相手のフェアリータイプはここで更に増えました。特に目立っていたのはミミッキュ。伝説のポケモンにはカプ系4体。
ミミッキュは特性のばけのかわで攻撃を1回スルーできるので、「マルチスケイルで1回耐える」という戦い方のカイリューとは似たところがあります。
第7世代ではZワザが追加されましたが、僕は「第6世代の続き、延長線上」みたいな印象を持っています。メガシンカが続投しているからでしょうか。
カイリューもある程度の活躍はできたはずなんですが、あまり覚えていないような……やっぱりフェアリータイプが増えたのはきつかったのかもしれません。
カイリューに関してもっとよく覚えているのはレッツゴーピカチュウ・イーブイで3D化されたこと。元々持っているかわいさがわかりやすくなりました。
第8世代 ポケモン剣盾など
追加されたドラゴンタイプはカジッチュ系のアップリュー・タルップル、化石ポケモンのウオノラゴン・パッチラゴン、ジュラルドン、ドラパルト、ムゲンダイナ、レジドラゴ。
最初のころ、カイリューはいませんでした。しかし追加コンテンツの冠の雪原で再登場しました。寒さが苦手なのに寒そうな地域のDLCで出るのか……
ポケモン剣盾の変化で最も大きかったのはダイマックスが追加されたこと。これを使えば数ターンの間巨大化でき、耐久力を上げたり威力アップした技を出したりできます。
ダイマックスは強力ですが、「ターン数に制限がある」というのが弱点。カイリューは「攻撃されたらマルチスケイルで耐える」「はねやすめで回復し、またマルチスケイルを使えるようにする」と繰り返すことでダイマックス終了を待つことができました。
もちろん自分でダイマックスを使ってもいいです。このとき強かったのはひこうタイプのダイマックス技で攻撃しながらすばやさを上げること。
ひこうタイプの技を元々持っていればそれを使うことができ、カイリューにはぼうふうやそらをとぶがあります。
アニポケではサトシがカイリューを手持ちに入れました。「サトシのパーティーで最強はいつのだった?」という話になるとこのときの6体がよく挙がります。
第9世代 ポケモンSVなど

ここでも多くのドラゴンタイプが追加されました。モトトカゲ、シャリタツ、セグレイブ、追加進化のカミツオロチとブリジュラス、過去作の三犬っぽいウネルミナモ・ウガツホムラ・タケルライコ、そして伝説のポケモンのコライドン・ミライドン。
コライドンとミライドンはゲーム開始直後から一緒に行動するポケモンで、ドラゴンタイプがかなり身近な存在になりました。
ここでとうとうアレが来ました。テラスタルです。
テラスタルを使えばポケモンのタイプが変わります。カイリューもいろんなタイプになります。
カイリューはいろんなタイプの技を持っているポケモン。以前までタイプ不一致で使っていた技も、テラスタルと併用すればタイプ一致にできます。特に恩恵があるのはしんそく。
技がたくさんあるということは、たくさんの組み合わせを作れるということ。普通にこうげき技で戦うカイリューもとくこう技で戦う特殊型カイリューもいます。
もちろんテラスタルを使えば耐性も変わります。マルチスケイルもあるので、「大ダメージを与えられるこおり技なら減らされてもいくらかきついはず!」「と思ったらほのおタイプにテラスタルしたのでダメージがやたら小さくなった!」なんてこともありえます。
結果として、現在のカイリューはネット対戦で大人気のポケモンです。
「カイリューの型は200種類ある」なんて話も……時間がたてばもっと増えそう。育成論を考える方は大変。
カイリューは元々それほど強いポケモンではありませんでした。
しかし元々いろいろなタイプの技を使える器用さがありました。そして、世代を進めるごとに新しい技を追加されました。
現在の人気は、積み重ねられた強化とテラスタルのシステムがピタッとはまった結果だと思います。
これからのカイリュー
冒頭でも触れたとおり、カイリューはポケモンレジェンズZ-Aでメガカイリューへメガシンカできるようになります。
ポケモンに詳しい方々は、さっそくカイリューの新しい戦い方について考え始めたようです。
- マルチスケイルで攻撃を受け止め、りゅうのまいでパワーアップする。
- メガシンカし、パワーアップ状態で戦う。
本当にポケモンレジェンズZ-Aでこの戦い方ができるとは限りません。何せポケモンレジェンズアルセウスではほとんどの特性がナシにされていました。カイリューもマルチスケイルを使えないかもしれません。
しかしスマートフォンやタブレットのポケモンチャンピオンズならどうでしょうか。対戦に特化したアプリなので特性もメガシンカもありそうです。
カイリューの快進撃はまだ続くのかも……それともメガシンカに調整が入りますかね。メガシンカするとそれまでの強化が解除されるとか。
色違いのメガカイリューはどんな色でしょうか。
メガカイリューは進化前のハクリューっぽいところがあるので、色違いハクリューみたいなピンク色とか?
まとめ
「ただでさえ強いカイリューをもっと強くしなくてもいいんじゃない?」という考えもあるようです。
しかしポケモンシリーズには「人気があるポケモンは優遇する」という傾向もあります。リザードンやミュウツーにメガシンカが2つあることとかです。メーカーの方々も生活が懸かっているので仕方ありません。
ポケモンチャンピオンズはネット対戦があるので強さのバランスを考えないといけません。一方、Z-Aにはネット対戦がないはず。つまり、ハチャメチャなことにしてもいいはず。
よって、「メガカイリューを出しておけば派手に勝てる」みたいなことにしてしまっても大丈夫です。むしろ僕はメガカイリュー無双みたいになったところを見たいです。

アクション要素があって難しい、となるくらいなら救済要素を作ってしまう方がいいのでは。

強くしすぎると、敵として出てきたときに困っちゃう!
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