弟切草 ~花言葉まで怖いゲーム~

Otogirisou 1990年代
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    おっかない雰囲気。選択によって変化する展開。
    読み進めるだけでゲームが進む。反射神経がにぶくても遊べる。
機種スーパーファミコン
メーカーチュンソフト
発売日1992年(平成4年)3月7日
後に続いた機種PS1 Wii WiiUなど

主人公と奈美は夕暮れの山道を車で走っていた。そのさなかに道のわきで咲いているオトギリソウを見つけ、主人公はオトギリソウに関する伝説を語る。
2人は道に迷い、しかも事故で車は壊れてしまう。困り果てた2人が見つけたものは、咲き誇っているオトギリソウと古びた洋館だった。

元々僕にとってゲームというものはスーパーマリオのようなアクションゲームかスターフォースのようなシューティングゲームでした。僕は両方とも苦手。
しかしドラクエでロールプレイングゲームというジャンルを知り、こんなに面白いものがあったのかと驚きました。反射神経など全く必要ないので、安心して遊べます。

それから何年かたって高校生のとき、この弟切草が発売されました。
ジャンルはサウンドノベル。初めて聞いた言葉でした。ゲームはずっと文字を読むことで進み、途中で出た選択肢をどっちにしたかで展開が変化します。

今はそういうゲームがいくらでも売られていますが、当時はそれほどでもありませんでした。
RPGでさえ「キャラクターを動かす」という操作があるのに、弟切草は本当に読んで聞いて見るだけです。文章と音楽と絵だけでゲームが成立するなんて、僕は考えもしていなかったはずです。

ポートピア連続殺人事件とかはありましたが、そういう推理ゲームとは違うもののように感じました。むしろドラクエのゲームブックと似ているように思ったかもしれません。

衝撃でしたが、僕はすんなり受け入れることができました。元々小説を読む習慣がある少年だったからかもしれません。

メーカーはチュンソフト。ここも僕にとっては「ドラクエと関係があるらしい」という感覚でなじみがありました。

本作はホラー調のゲーム。パッケージから既にびびらせてきます。

赤く怖そうなフォントの縦書きで「弟切草」。主人公は花を見ただけで「あれはオトギリソウ」と判別しましたが、僕は本作で初めて知りました。おっかない名前の植物があるんだな、と。

姉妹作として発売されたゲームもこの「赤くて怖そうなフォントの縦書き」を受け継いでいます。
「かまいたちの夜」……妖怪好き少年だった僕にはこっちの方がなじみのある言葉でした。

そして続いて登場したのが「夜光虫」! ずっとこのパッケージで続けるつもりなのか……
と、最初は思いましたが夜光虫は他のメーカーから出たゲームです。

ホラーもので洋館に入るとひどい目に遭う。今やこれは常識!

そういうわけで、主人公たちも謎の洋館でひどい目に遭います。おっかない過去が明らかになったり、ミイラが出てきたり、洋館が炎に包まれたり、どうにか脱出したと思ったらどんでん返しがあったり……

上にも少し書いたとおり、ときどき出る選択肢のどれを選んだかで物語の展開や結末が変わります。

それは……「復讐」
と、作中で語られますが実際は「秘密」「迷信」「恨み」とかです。

なお、名前の由来は「兄ちゃんと弟がいた」「弟が秘密をばらす」「兄ちゃんがキレて弟をズンバラリン」「血が花や葉っぱに黒い染みを作った」という話。僕の説明がシンプル化されているのでアレですが、本当は怖い話です。

本作はおっかない展開の連続。しかし、何度もやっていると麻痺してきます。以前は怖がっていたところで「また主人公たちがやられたよ!」みたいな反応になります。
ホラーとコメディは紙一重です。悪霊が後ろから迫ってくる状況はホラー映画だと怖いですが、ドリフターズのコントだと「いつものギャグ」として笑えます。

そうやって慣れてしまったころ、この「ピンクのしおり」が登場します。こうなるとお話の中に笑える展開が出てきます。慣れて笑い始めたプレイヤーにぴったりです。

姉妹作としてかまいたちの夜が生まれ、他のメーカーも夜光虫や晦(つきこもり)などいろいろ出しました。僕はファミコンショップ(テレビゲーム専門店)でバイトしていたときに学校の怖い話をよく扱っていたような気がします。

本作自身もPS1でリメイク版が、WiiやWiiUでバーチャルコンソール版が発売されました。

今では読むゲームがいろいろあることは皆さんもよくご存じのはず。レイジングループやひぐらしのなく頃に辺りもこの系譜じゃないかと僕は思っています。ひぐらしは基本的に選択肢なしですが。

リンクをはって思ったんですが、ひぐらしは見た目の雰囲気が弟切草とかなり違う……時代ごとの雰囲気とかもありますかね。

「読むゲーム」というものは本作から始まったわけじゃありません。もっと前からありました。
しかし本作やかまいたちの夜の登場が発展の機会になったんじゃないかという気がします。

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