赤ずきんチャチャ ~原作とアニメ、それぞれの面白さ~

LH-Chacha-Comic 1990年代
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    主人公たちのドタバタギャグが面白い。
    アニメ版にはRPG的な要素がある。
    ゲーム版もよくできている。
作者彩花みん
出版社集英社
発売日1992年(平成4年)6月3日

チャチャは世界一の魔法使いセラヴィーの下で見習いとして暮らしていた。しかしセラヴィーはライバルの魔法使いどろしーによってさらわれてしまった。チャチャは幼馴染のリーヤと共にセラヴィーを助けに行く。
どろしーの城でチャチャたちを迎えたのは、どろしーの弟子しいねちゃんだった。

【原作】
チャチャは修業中の身だが懸命に魔法を使ってどろしーと張り合い、セラヴィーを救おうとする。

【アニメ】
どろしーは何者かによって操られていた。
チャチャ、リーヤ、しいねちゃんがセラヴィーから与えられたアイテムを使うと、チャチャはマジカルプリンセスに変身した。チャチャはどろしーが呼び出したモンスターと対決する。

世界観にすさまじい違いがありますね……

本作は、主人公チャチャと仲間たちが繰り広げるドタバタを扱うギャグ漫画。少女漫画ですが、男の子でもわりと読みやすい方です。

アニメ化されることになったとき、どういうわけかチャチャが正義のヒロイン的なものへ変身して戦う話へとワープ進化。
これはこれでファンタジーRPGっぽくて面白いんですが、どうしてこうなった……元の状態だとおもちゃとして売り出すものがないって? 大人の事情というやつですか。

僕はアニメから入ったクチですが、この記事では原作を中心に語っていきます。その方が「アニメでどう変わったか」と解説しやすいからです。

延々と書きそうなので、ほどほどにしておきます。

チャチャ

魔法使い見習い。しかし魔法は下手でしょっちゅう失敗します。動物や怪獣をよく呼び出していたような。

物語の途中で影が薄くなることも……彼女はボケキャラですが意外と普通の子なんだと思います。

リーヤ

狼男の少年。大食いキャラですが、彼の一族の中では小食な方。
狼状態のときはふわふわのもこもこ(フワフワのモコモコではない)で、犬扱いされてばかり。狼と認識してくれる人もいますが、その人は毛皮目当てで狩りに来ます。

しいねちゃん

魔法使い見習いの少年。しいねじゃなくてしいねちゃん。変身魔法をよく使っていました。
常識人ポジション。しかし耳かき好きというよくわからん趣味も持っています。

セラヴィー

チャチャの師匠で世界一の魔法使い。
僕は(アニメから入ったせいか)立派な人物だと思っていますが、作者さんには変態と認識されていたそうな……いつも人形のエリザベスを抱っこしているしヤンデレキャラだしな……

なお、漫画版だとチャチャを弟子にしたきっかけは「師匠の娘だから」だと思います。

どろしー

しいねちゃんの師匠。ドロシーじゃなくてどろしー。
常に自分の上を行くセラヴィーは目の上のたんこぶみたいなもの。基本的には優しい人ですが、セラヴィーが関わると……

マリン

人魚の少女。リーヤが好きで、チャチャとは恋のライバル。
しかしリーヤを他の人と間違える場面が結構あります。人間同士でさえ「外国人の顔の違いがわからない」ということがあるので、人魚から見た狼男は余計にわからないのかも。

やっこちゃん

チャチャのクラスメートでライバルキャラ的な存在。魔法薬を作る人でもあります。
本作における僕のイチオシヒロイン。知性的でかっこいい子なところがあると思うので。

お鈴ちゃん

忍者の少女。真面目な子なので個性派ぞろいの本作では目立ちにくい……
マリンとは「ニンジャのオリン」「ニンギョのマリン」と似た肩書&名前になっています。

ポピィくん

超能力者の少年。原作では後になって登場するキャラですが、かなり目立つポジションのことが多いです。うる星やつらは藤波竜之介の登場が作品作りに影響大だったとか……ポピィくんも同じだったんじゃないですかね。

アニメではOVAだけに登場します。実はエンディングで隅の方にいるんでしたっけ?

最初はチャチャたちが魔法使いの検定を受ける話。検定の内容は師匠(セラヴィーとどろしー)を鬼ごっこ的に捕まえること。

検定に合格すると今度は入学。うらら学園での日々が始まります。
あの学校、漫画だと何年まであるんですかね。進級試験の話が2回あるので、少なくとも3年まではあります。

終盤に卒業し、正義の味方的なものに就職。社会的に成長しているわりに見た目はむしろ年齢ダウンなのは……漫画的表現なので突っ込まない方向で。
ここでセラヴィー先生の生まれが判明します。本名はサンダルさんだそうな。

基本はドタバタギャグ。そしてときどきブラックユーモアが挟まります。

終了後10年ちょっとたった2012年に始まった続編。チャチャたちが東京での生活を始めます。

リバイバルものは「どれだけ元のよさを持ってくるか」「それでいてどれだけ新しくするか」というさじ加減が重要だと思います。
赤ずきんチャチャNは元からいたキャラが次から次に登場して、それでいて舞台を変えたことで新しくもなっていて、リバイバルものとしてかなりハイレベルだったんじゃないでしょうか。

「愛と、勇気と、希望の名のもとに。マジカルプリンセス、ホーリーアーップ!」

設定・展開

まず、チャチャたちが暮らしている国は大魔王に王城を乗っ取られた状態です。作中世界の一般人は「王様が権限を譲り渡した」と聞かされていたような。
大魔王なんてものが君臨しているわりにみんなのんびり暮らしていますが。

チャチャは大魔王視点で行方がわからなくなっていたお姫様。大魔王は姫の生存を知り、刺客を次々に送り込んできます。
チャチャはリーヤ・しいねちゃんと協力してマジカルプリンセスに変身し、刺客と戦うことになります。上の口上は変身したときの台詞です。

やがてチャチャは出生の秘密を知り、家族を救うため旅立つことに。
新しい装備品を探したりキーアイテムを集めたりと、RPGっぽいところもあります。

ラストバトルはめっちゃ熱い展開です。
セラヴィー先生と大魔王の一騎討ちは別のアニメみたいな雰囲気。でもやっぱり師匠キャラはバックアップに努めるべき……というわけで個人的に好きな場面はエリザベスを動かして励ますところです。もちろん最後の力を合わせるところも好きです。

元は大魔王を倒したところで終了の予定で、人気があったことから半年ほど延長になったとか。

上の文章だけ見るとシリアスっぽいですが、基本的には原作と同じドタバタギャグをやっています。

キャラクター

チャチャの家族やしいねちゃんの家族はこっちが初出。後に漫画版でも登場します。
お鈴ちゃんのおじいちゃんもこっちのキャラです。
しいねちゃんの父(アクセス)はどろしーと顔見知りみたいですが、どういう関係なのか……僕は魔法を修業していたときの兄妹弟子だったんじゃないかと予想していました。ただ「しいねちゃんを預けた人と預けられた人」だけかもしれませんが。

原作だとセラヴィー先生はうらら学園卒業後に世界一の魔法使いとなり、魔法の修業(?)をしながらリーヤのベビーシッターをしていました。
アニメでは城の少年騎士をしていた人。就職先がすごいせいでどろしーちゃんが余計にイラッとしていそうです。うらら学園卒というのは原作と同じだったような……

CV

チャチャ役は声優の鈴木真仁さん。変身前の子供らしい声と変身後のキリッとした声を使い分けていました。
他の作品だとスレイヤーズやワンピースでも声を出していたのを覚えています。

リーヤ役はSMAPメンバーだった香取慎吾さん。どうしてアイドルが……と思うかもしれませんが、あのころはたまにありました。ケロケロちゃいむのお兄ちゃんとか。

しいねちゃん役は声優の日髙のり子さん。この方はらんま1/2やタッチなどサンデー原作のアニメでよく声を出している印象でした。となりのトトロでお姉ちゃん役だったのもこの方。

チャチャのアニメについて調べると「声優 下手」という言葉が出てきます。
そんなことないぜ……チャチャたちのしゃべり方はこれがいいんです。もし「チャチャアニメが復活!」ということになったら、リーヤ役は香取さんか同じような口調ができる声優さんにしてほしいです。

主題歌

オープニングテーマはSMAPの方々が歌う「君色思い」。僕のスマートフォンは基本的にアイドルの曲とかほとんど入っていませんが、これは別です。

ビデオ(VHS)やDVDだと版権だか何だかの都合で別の方が歌うバージョンになります。

毎度毎度申し訳ありませんが、そろそろここがゲームブログだと思い出すことにします。
下には書いていませんが、PC-FX版(1996年10月25日発売)もありました。

ゲームボーイ版

1995年4月28日発売。

チャチャ、リーヤ、しいねちゃん、マリン、やっこちゃん、お鈴ちゃんから主人公を選び、ペアを組んだ相手と一緒にうらら学園の卒業試験を受けます。

リーヤかしいねちゃんをペアにして変身アイテムを持っておくとマジカルプリンセスに変身できる、という隠し要素がありました。

スーパーファミコン版

1996年8月9日発売。

よく作られたRPGでした。難易度が低めなのは年少の子でもクリアできるようにしていたからだったのかもしれません。原作ありのゲームはこのくらいがいいかと。

チャチャたち3人以外のキャラも多数登場。戦闘中にマジカルプリンセスへ変身することも可能。
こういうところがあればキャラゲーとして十分だと思います。

上でも書いたように、僕はアニメから入ったクチです。

マジカルプリンセスを持ち上げているので「バトルシーンのかっこよさが気に入ったのか」と思うかもしれませんが、初めて見たのはエリザベスが人形作りのじいちゃんに修理される回です。
マジカルプリンセスや刺客たちのことを全然知らなかったので、ミケネコ博士が逆襲してくる直前の回想シーンを見て「何これ……パロディでもやった?」「時代は変わりましたって何?」とか思いました。

そんな状態でも僕は「個性的なキャラクターがぞろぞろ出てくる」というツボポイントをしっかり突かれ、再放送を見たり小説版を読んだりしました。
もちろん原作も読み、両方にそれぞれの面白さがあると知りました。

僕の中では「高校時代から大学卒業辺りまでで最もハマった作品」の1つ。マイブームの流れは「ラムネ&40リューナイト→チャチャ」みたいな感じです。

ただ、僕の実家には「僕が楽しんでいると茶化してくる」という人たちがいます。よってまたこそこそ楽しむことに……

アニメのオリジナル展開は結構難しいと聞いたことがあります。下手なことをすると「蛇足」「改悪」という話になりますし。
その点、赤ずきんチャチャはうまく付け加えたんじゃないでしょうか。

原作漫画もわりと最近まで続編が連載されていました。
そうやって復活できるのは本作が人気のある漫画だったからだと思います。

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