- この記事に書いてあること
ドラクエ3がファミコン版からHD-2D版でどのように変わったか。
HD-2D版ドラゴンクエスト3が発売されてから3週間。たくさんの方が冒険に出たと思います。ファミコン版以来久しぶりという方も……
今回は36年の時を越えて再登場したドラクエ3リメイクにどういう新要素や変化があるのかについてまとめます。
ファミコン版について知っている方は昔を思い出すネタとして使ってください。
知らない方はかつての雰囲気をチラ見するネタとして使ってください。
ドラクエ3リメイク一覧
- 1988年2月10日
ファミコン版(原作)発売。 - 1996年12月6日
スーパーファミコン版発売。 - 2000年12月8日
ゲームボーイカラー版発売。 - (GBC版とWii版の間に携帯アプリ版発売)
- 2011年9月15日
Wiiで25周年記念版発売。ファミコン版とスーファミ版を含む。 - 2014年9月25日
スマートフォン版(iOS・android版)発売。
後に3DSとPS4(2017年)、Switch(2019年)に移植。 - 2024年11月14日
HD-2D版発売。
対応ハードはSwitch、PS5、XboxのSeriesX・S、PC(MicrosoftStoreやSteam)。
人気ゲームということでちょくちょく出ていました。
僕自身は結構飛ばしている……と思ったら携帯アプリ版だけでした。
ファミコン版との違い
浦島太郎が浜を歩いていると子供たちが亀を(略)
なんと、竜宮城で遊んでいるうちに地上では36年の時が過ぎていたのです。乙姫様から渡された玉手箱を開けてみると……
「何これ。四角くてちっこいのとCDにドラゴンクエスト3って書いてある……」
それはともかく、実際のプレイに(大まか)従った順番で挙げていきます。
いろいろなハードで遊べる
原作のドラクエ3はファミコンでしか遊べませんでした。
上にも書いたとおり、本作はSwitch、PS5、Xbox、PCといろいろなハードで遊ぶことができます。
カセット(意外と今の小学生にも通じる。親がそう呼ぶので)だけじゃなく、データだけを買うダウンロード版もあります。事前ダウンロードしておけばかなり早めに遊び始めることも可能。
「どのハードがおすすめか」というのは、いろいろなゲームで言われている「自由な場所と姿勢で遊びたいなら携帯モードがあるSwitch」「モニターに映して画像のよさを追求したいなら他(持っているハードから選ぶ)」というのがドラクエ3リメイクにも当てはまりそうです。
Switchにはニンテンドーカタログチケットというのがあり、2本セットでダウンロードソフトを買うことができます。
しかしドラクエ3リメイクは対象外です。
ドラクエシリーズはスクウェア・エニックス(ドラクエのエニックスとFFのスクウェアが合併した会社)のゲームであって、任天堂のゲームじゃないからです。
画像の変化
原作は作中世界もキャラクターもドットで作られていました。
本作はHD-2D。ドットと3D-CGを掛け合わせたような技術で作られています。
初めて本作を見たとき、僕は「オクトパストラベラー(スクウェア・エニックスが2018年に発売したRPG)みたい」と思いました。
ロマサガ2リベンジオブザセブン(ドラクエ3リメイクの1か月前に発売。同じくリメイク版)みたいな感じにする手もあったと思います。あっちは普通に3D-CGで作られています。
しかし3D酔いする方も結構います。久しぶりに復帰する方が大勢いると考えると、ドットっぽい作中世界にする方が無難だったんじゃないでしょうか。
オープニング
原作のオープニングは黒い画面に白い字で「DRAGON QUEST III」と表示されるだけでした。BGMもなし。
容量が足りなかったから仕方ないです。僕は「物語はまだ始まっていない」と語っているようで好きでしたが。
本作はオープニングからいろいろ表示されて、BGMもジャンジャカ流して……かがくの ちからって すげー!
名前(使える字・文字数)
原作で名前に使える字はひらがなのみ。濁点・半濁点も1文字扱いです。もちろん「ヴ」なんてありません。
本作ならひらがな、カタカナ、いくらかの記号……いろいろ使えます。しかも最大8文字。
「マクシミリアン」「ピカチスタミナ」「デュークフリード」「ゴールドバーグ」なんて長い名前もありです。「ズンドコベロンチョ」は足りないので略して「ズンベロ」で。
性格・性格診断
ゲームが始まると「それは ○○が16さいになる たんじょうびの ことであった」……ではなく、性格診断が始まります。
ドラクエ3はスーファミ版で性格システムを付け加えられました。性格によってステータスの成長に違いがあります。
主人公=勇者の性格はオープニング後の性格診断で決まります。仲間たちの性格はルイーダの酒場で作るときに決まります。
性格はずっと同じとは限らず、作中の行動やアイテム使用・装備によって変化します。
キャラメイク強化
原作だと勇者は1種類(男女兼用)で、仲間は職業ごとに2種類ずつでした。
現在、勇者は2種類。こうなったのはいつからだったっけ……スーファミのときにはイメージイラストに女勇者がいたような。
本作の仲間たちは職業ごとに8種類。おっちゃんじゃない僧侶や商人、じいちゃんじゃない魔法使いなんかも作れます。髪色変更もあり。
ボイスあり
本作ではキャラクターがしゃべります。NPCだけじゃなく、勇者と仲間たちも戦闘中に掛け声的なものを出します。
勇者は声優の檜山修之さんと皆口裕子さんが担当。僕の世代がわかりやすい言い方だと、幽遊白書の飛影とドラゴンボールZのビーデルの方々です。
仲間たちは18種類から選択できます。
新しい職業
原作だと、仲間たちは戦士、僧侶、魔法使い、武闘家、商人、遊び人。そして後から賢者。
スーファミ版で盗賊が、本作で魔物使いが追加されました。
盗賊は戦闘後にアイテムを盗んでいることがあります。
魔物使いは魔物っぽい特技を使うことができます。
特技
原作だと戦士や武闘家は基本的に直接攻撃するのみ。
本作ではいろいろな特技を使うことができます。
特技が始まったのはドラクエ5。このころはモンスターの仲間(仲間モンスター)と1部の人間の仲間が使うものでした。
(ドラクエ4の5章でトルネコが商人軍団を呼んだり力をためたりしていましたが、プレイヤーが選択して使うわけじゃありませんでした)
その後、ドラクエ6やスーファミ版ドラクエ3で多くのキャラクターがいくつもの特技を使うようになりました。
新しい呪文
呪文は36年の間にかなり増えていて、本作にも新しいものが数多くあります。
例えば僧侶はザオラルよりも前にザオを覚えます。初登場はドラクエ10で、本作だとHP1で復活させる効果です。
新しい呪文は他にもあります。デイン(ライデインの下位呪文)、マホリー(マホトーン状態を治療)など。
最近のドラクエでは、メラゾーマやベギラゴンの上位呪文としてメラガイアーやギラグレイドがあります。本作にはありませんが、バージョンアップで追加されないですかね……
ステータスの変化
原作だと戦士や武闘家は普通にやっていればずっとMP0でした。
本作では戦士や武闘家にもMPがあり、特技を使うときに消費します。
原作だと防御力は素早さの2倍に防具の分を足して出されていました。お陰で装備品が少ない武闘家も素早さのお陰でそこそこの守備力を持てました。
本作には身の守りというステータスがあり、守備力はこれと防具の分で出されます。
新しい装備品・アイテム
武器や防具、その他アイテムはかなり増えています。
上に少し書いた性格を変えるものもあります。
例えば、「ずのうめいせき(賢さが成長しやすい)」に変えるインテリ眼鏡、「でんこうせっか(素早さが成長しやすい)」に変える疾風のバンダナなど。初登場は性格ができたドラクエ3のことが多いです。
MPを回復させる魔法の聖水やエルフの飲み薬はドラクエ4やドラクエ5で追加されたものです。
昔からあった祈りの指輪は影が薄くなったような……
装備品もブーメランやグリンガムのムチなど後のシリーズ作で増えたものが追加されています。
小さなメダル
原作だとこれはランシールバグか何かをしないと取れないアイテムだったはず。しかも効果はなし。
ドラクエ4(ファミコン版)から小さなメダルは集めてアイテムと交換する要素になっています。
作品によって「決まった枚数を持ってきたら好きなアイテムと何回でも交換できる」「集めた枚数ごとに決まったアイテムをもらえる(1回ずつ)」の2パターンがあり、本作は1回ずつです。
ドラクエ4コマ漫画劇場に「4の勇者たちが大量のメダルを持ってくる」「交換してくれる王様が玉座のジェット噴射で脱出」というのがあったっけ……
セーブ(冒険の書)
ドラクエは1・2だとパスワード(復活の呪文)で、ドラクエ3からセーブ(冒険の書)になりました。
セーブできる場所は大抵の場合だと王様がいるところ。
今になってみると面倒……というわけで、みんなダーマのおっちゃん(入ってすぐのところにいる)にセーブしてもらっていました。
ドラクエ4以降だと教会でセーブ(おいのりをする)できます。
本作も教会でセーブ。教会の外(町の入り口近くとか)にいるシスターもセーブしてくれます。「あんたそこで何してるの」と言われますが……シスターだし、布教や奉仕活動をしているのでは?
セーブ数
原作と同じで3つか……と思うかもしれませんが、違います。
セーブスロットの選択画面で右や左を押してみてください。4つ目以降が出てきます。
そういうわけで、本作は最大9つです。
キラキラ
フィールドに出て歩いていると、キラキラ光っているところがあります。ここを調べるとアイテムゲット。
これが始まったのはいつだったっけ……と思ったらどうもドラクエ9からだったようです。
敵が動く!
画面が切り替わってバトル開始! な、何だと……敵が動くッ!
あんた何を言っているのと思うかもしれませんが、原作では敵が動くなんてありえないことでした。
初めて動いたのはドラクエ4。スライムが合体してキングスライムになったり、メラゴーストがぴょいんとはねて2体になったり……
難易度変更
戦った結果、「敵が強い……」と感じたかもしれません。「こんなの楽勝」と感じたかもしれません。
変えてみようと思ったら難易度を調節してみるといいです。「バッチリ冒険」はノーマルモード、「楽ちんプレイ」はイージーモード、「いばらの道だぜ」はハードモードです。
「楽ちん」はHPが1から下がらなくなります。ダイの大冒険のヒュンケルっぽいということで、ヒュンケルモードと呼ぶ向きもあるようです。
レベルアップでHPMP回復
原作でレベル1のキャラをリムルダール辺りに連れていってはぐれメタルを倒すと、レベルがいっぺんに上がってようやく終わると画面が赤みがかった状態。
これは、レベル1のHPが高レベルだと瀕死に近い数値だからです。
本作ではレベルが上がるとHPやMPが回復します。発売前の動画でも言われていたような気がしますが、今どきのRPGではよくあること。
ルーラの変化
ドラクエ3に限らず、かつてのドラクエではルーラにそこそこ多めのMPを必要としました。
時は流れて現代……RPGなどにはファストトラベルというものが普通に備わっています。町から町へ、フィールドから特定のポイントへ……と一瞬でワープする機能のことです。これは本当にキャラクターがワープしている場合も単にキャラクターの移動を省略しているだけの場合もあります。
そういうわけで、町へ一瞬で移動するのはもはや常識。MPなんか使うわけない……ということでルーラのMPは0。ドラクエ9辺りからこんな感じです。
本作のルーラはダンジョン内で使うこともできます。他のゲームのファストトラベルもそんなもんです。「敵に絡まれているときは使えない」というシステムのゲームもあります。
モンスター・バトルロード
原作ではロマリアにモンスターの格闘場がありました。ここではモンスター同士が戦っていて、どっちが勝つか賭けることができました。
スーファミ版だと、もう少し北へ行くことですごろく場がありました。これは文字どおりすごろくのようなことをする場所。
本作にはどちらもなく、代わりにモンスター・バトルロードがあります。
ここでは主人公たちが自ら集めたモンスターを戦わせます。ロマリアにあることを考えると、ポケモンバトルを観戦する側からポケモントレーナーとして指揮する側へ変わったようにも見えます。
中ボス追加
ドラクエ3の中ボスと言えば、ジパングのやまたのおろちとサマンオサのボストロール。2回戦うカンダタもそう。
本作では中ボスが増えています。ピラミッド、テドン……と。
ドラクエ3は逃げ回って鍵など重要アイテムだけ回収する遊び方もあります。昔と同じつもりでいると思わぬ強敵が……
転職の変化
ダーマに着くと、レベル20以上の仲間が転職できます。
原作だと遊び人になることはできませんでした。しかしこれはスーファミ版からできるようになっています。つまり、どのキャラもやろうと思えば遊び人を経由して賢者になれるわけです。
転職するとステータスは半分。以前だとしばらくはレベルアップしてもステータスが上がりませんでしたが、本作では上がります。そのため、転職を繰り返してステータスをどんどん上げることもできます。
オルテガのイベント追加
主人公たちは冒険中にあちこちでオルテガの足取りを知ることになります。
今までにも「ムオルでポカパマズと呼ばれていた」「ギアガの大穴で消息を絶った」などの話はありました。「サイモンと合流する予定だった(しかし敵側の策略によって……)」というのは知られざる伝説(ドラクエの小説)で明かされた話。
そういったオルテガのエピソードが本作で強化されています。
クリア後の展開
これも今どきのゲームにはよくある要素。ドラクエシリーズではドラクエ5の裏ボスが始まりでした。
ドラクエ3もスーファミ版から追加されています。本作にも……
「クリア後のことは発売から1か月たつまでネットで出さないように」ということになっています。
終わりに
この記事、短くなると思っていたんですが全然そんなことはありませんでした。僕もドラクエをファミコンのころから遊んできたクチなので語り始めたらこんなもんかと。
上の表を見ると、ドラクエ3は何年か置きにリメイクされています。本作から年月が過ぎたらまた登場するのかもしれません。
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