- いいところ
グラフィック、BGMがパワーアップ。声優さんたちの熱演。
いろいろ遊びやすくなっている。
かつて足りなかった部分の補完。
略称 | LAL |
機種 | Nintendo Switch |
メーカー | スクウェア・エニックス |
発売日 | 2022年(令和4年)7月22日 |
後に続いた機種 | PS4 PS5 PC(Steam) |
オムニバスRPGの復活
1990年代辺りのスクウェアRPGはあれこれリメイクされています。その一方で「このゲームは無理だろ……」と言われていた作品がありました。それがこのライブ・ア・ライブ。
大勢の漫画家さんが関わっていたので、著作権のことが壁になると言われていました。僕はWiiUで(後に3DSも)バーチャルコンソール版が出ただけでも結構驚いていました。
しかし28年ばかりたってHD-2Dのゲームとして復活。
現代の技術を使われているということでグラフィックやBGMはパワーアップ。キャラクターたちには声が付いていて、イベント中や戦闘中にしゃべります(キューブは声なしでピポピポ言います)。
この記事のアップロード日はスーファミ版の発売日。30周年ということでいろいろ盛り上がっています。
全体的な変化(抜粋)
システム的なもの
- セーブの枠が増えた。
- 中断して他の話に行ける。再開も可能。
(オプションに行き来する選択肢あり) - クリア後に中断から再開できる(それぞれの再開ポイントから)。
- アイテム名一部変更。
- ステータスの名前変更。
移動中
- 右下にレーダー的なものが出るようになった。行き先、移動ポイント、目的地などが表示されるのでわかりやすい。
- アイテムの出るところがキラキラしてわかりやすくなった。
戦闘
- 行動ゲージで順番がわかりやすくなった。
- ブレイクダウンしてもアイテムが出るようになった。
- ブレイクダウンするリーダーキャラに旗の印が付いてわかりやすくなった。
タイトル
- リメイク前は「ライブ・ア・ライブ」。リメイク後は「ライブアライブ」。
いくつものシナリオ
大まかなことはリメイク前の記事で書いたので、違いがあって驚いたことを中心に書きます。
原始編
本作でもキングマンモーは強敵。しかし前はもっともっと無茶苦茶な強さだったような気がします。主人公たちが強化されたせいなのかもしれません。
足音がした理右下のレーダーに表示されたりもするので、探すのも前より楽です。
技名はいろいろ変わりました。前はヒーロー番組そのものだったし、仕方ないかと。
リメイク前と同じく、原始編のキャラは台詞が台詞じゃないです。しかし声を聞けばちゃんと感情がわかります。声優さんの実力がすごいお陰なんでしょう。
ポゴの声はエヴァンゲリオンのシンジ君。「シンジ君とは思えない……」と思えるときと「これはシンジ君かも」と思えるときがあります。
功夫編
この記事を書くにあたってのプレイではレイを後継者に選びました。
修業パートは後継者にするキャラだけを鍛えるのが鉄板! ということでずっとレイの相手をしていたんですが、どんどん強くなって最後の方は回復アイテムを使わないと負けるような状況でした。前もここまでだったですかね……僕が忘れているだけかもしれませんが。
ラストバトルの直前で「旋牙連山拳!」と師弟で同時に言うのはリメイクで強化されたところ。「あの場面で師から弟子へといろいろ継承された」とより強調された気がします。功夫編のキーワードには「継承」がありますし。
幕末編
ザル警備なのは以前と同じ。見つかっても戸をくぐればもう大丈夫だったり。見つかったら警笛のようなもので「侵入者あり!」と全体に伝えられる、なんて仕様だと難易度が上がって困りますが。
城の人に「呪われた城」なんて呼ばれているくらいなので、敵キャラはやる気がないのかもしれません。
合言葉変化の鐘が鳴ったとき、前はおぼろ丸が「鐘の音……」とか言うだけでしたが本作では何に変わったか言ってくれます。どっちだったかわからなくなりやすいので助かります。
西部編
序盤の酒場前で決闘中断する場面、撃たれる悪党たちはリメイク前だと何だかよくわからんところから出てきます。しかし本作ではわらの中とかに隠れています。その方が不意討ちしやすそうです。
主人公のサンダウン・キッドとライバルのマッド・ドッグが撃った瞬間をよく見ると、サンダウンの方が一瞬早いです。前はどうだったですかね。
そのライバルさん、前は決闘シーンに出てくると主人公からあっさりやられていました。
一方、本作では強化されています。弱すぎると「主人公だけでよくない?」となってしまうので、こっちの方がいいです。
酒場のお姉ちゃんのアレは名前変更で日記になっています。今どきはそういう流れかと。体装備なので、「こいつを服の中に入れておいたお陰で助かったぜ……」となるパターン。
現代編
主人公の高原日勝は以前だと「知性が低い、成長しない」とネタにされていました。ネットで調べてみると「知力25」という言葉が出てきます。
本作はステータスの名前が変わっているのである意味セーフです。「特攻」が25のままなのは原作再現。
現代編で最も大きな変化は倒したライバルと再戦できること。これで技を覚えることに失敗しても再チャレンジできます。
※6人目を倒すとセーブしてすぐアイツ登場なので、6人目だけは再戦できません。
近未来編
上にも書いたとおり、本作はグラフィックが強化されています。そのお陰でタロイモのかわいさがよりわかりやすくなっています。口をパカッと開けっぱなしにしちゃうところとか、なかなかたまらんものがあります。
それはともかく、こっちも上にも書いたとおり本作はキャラに声が付いています。その恩恵を最も強く受けているのがこの近未来編じゃないでしょうか。元々熱かった展開がアキラや無法松のキャラボイスによって更に熱くなっています。
近未来編を象徴する曲「GO!GO!ブリキ大王!!」も影山ヒロノブさんが歌ってくれています。
近未来編のオープニングやFF6のオペライベントはリメイク後の方が本来の形だったんじゃないか、なんて気もします。
SF編
このゲームは功夫編の後継者をレイにしないと最終編のメインキャラが男オンリーになってしまう……そこでこの記事を書くにあたってのプレイではキューブを「メガネっ子で無口な人格のロボ」と脳内変換しながら遊んでみました。お陰で今までと違う感覚を味わえました。
途中でキューブを「彼」と呼ぶ人がいましたが、その人物と僕の解釈が一致していないだけです。
作中で「デジム」という名前がときどき出てきて「前はそんなのあったっけ?」と思っていましたが、どうも「宇宙船のAIは愛称の『デジム』で呼ばれている」ということになったみたいです。
人工知能を「AI」と呼ぶこともリメイク前のころは一般的じゃなかったかもしれません。
パワージャッキには使用回数の制限が……前はそんなのなかったのでは……使えなくなったら詰んでしまう……
と思いながら調べてみると、前から回数制限があったのを僕が忘れていただけでした。しかもリメイク後ではどんどん使っても足りなくならないだけの回数が用意されているとのこと(むしろリメイク前の方が積む可能性ありだった)。
つまり「回数制限がある!」というのは怖がらせるための演出。やられた……
そんなわけで、おっかないのは前と同じ。むしろベヒーモスがでかくなって怖さアップです。
中世編
相変わらずこの話はオルステッドを全力で追い込む……
アリシアは「あっさりだまされすぎじゃない?」とか言われていて、以前の僕は「だまされているだけだし、悪い人間じゃない」と思っていました。
しかし改めて見てみると「ここまで突発的な行動を取らなくてもいいのに」と若干引き気味になりました。相手の話を聞かずにいきなりざっくりやるのは感情的すぎるかと。
彼女は世間知らずな箱入り娘として作られたんじゃないでしょうか。
最終編
ここまでの話の主人公たちが集結。
持っていたアイテムはこっちに持ち越すことができます(前は装備しておいたものだけだった)。お陰で「原始編のラスボス戦でコーラのビンを使う(装備していると使えない)→最終編に持ち越してこっちでも使う」とできます。
リメイク前だと最終編世界のすでに取ったアイテムはもう取れませんでしたが、本作では再び取れます。誰が置いたんだろう……
物語はリメイク前と同じ、と思わせて……あのキャラはリメイクされた今やっと救われたり本当の意味で主人公になれたりしたんじゃないかと思います。
あるキャラの台詞も「俺が悪いのか……」から「俺が悪いのだ……」に変更されています。1文字だけで結構違います。
終わりに
グラフィック、BGM、物語の変化、そして遊びやすさアップ……リメイク作はいろいろありますが、本作はかなりいいリメイクだったと思います。体験版もあるので、とりあえず遊んでみるのがいいです。
1990年代辺りのスクウェアRPGはあれこれリメイクされています。聖剣伝説3のリメイクもかなり面白く作られていました。
こんな感じで思い出の作品が復活し続けてくれるとうれしいです。
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