影牢 刻命館真章 ~シリーズの方向を決めたゲーム~

Kagero1 1990年代
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    トラップコンボが楽しい。
    いくつものエンディングを見ることができる。
機種PS1
メーカーテクモ
発売日1998年(平成10年)7月23日
後に続いた機種PSP PSVita PS3

その国はトキビトという種族によって統治されていた。トキビトは寿命を持たず、知恵と力によって人間を導く。その一方、裏では人間を見下して自分たちのためだけに使おうとしていた。

ある日、町はサーカスが訪れたことで盛り上がっていた。しかしそのさなか、1人の少女が姿を消していた。
それから十五年がたち……

刻命館の続編。あっちはトラップだのモンスターだの作れて、館の改装までできました。
本作はトラップに専念した作品。複数のトラップでコンボを作ることもできます。
館の改装がないからと言ってずっと同じ館で戦うわけじゃなく、3種類の舞台がありステージによって変わります。最初は狭いところ、次にやや広いところ、そしてもっと広いところ、という具合です。
主人公の行動が悪役っぽいことは前回と同じ。主人公自身に攻撃手段がなくてトラップを使わねば戦えないことも前回と同じ。僕がこのゲームのことを人に話すときは、「ホームアローンみたいなゲーム」と説明しています。

シリーズの形が決まったのもこの作品だと思います。ここから先の主人公はずっとお姉ちゃんで、(基本的には)トラップだけで戦います。主人公がお兄ちゃんでモンスター要素もあった刻命館とは違うわけです。
作品名もここから先は1作を除いて「影牢+サブタイトル」。そのため、シリーズ名=影牢シリーズになっていることが多いような。僕は刻命館シリーズと呼んでほしいんですが……「本作は1作目」「前作は0作目」みたいな感じなのかもしれません。

なお、僕が遊んだのは発売から長い年月がたってから。PSVitaのゲームアーカイブスで配信された後のことです。発売日は前作からそれほど離れていないのに……
発売されたころ、大学がいそがしかったせいかもしれません。主人公がお姉ちゃんになったので別物と感じたのかもしれません。モンスターを育てられないのでつまらないと感じたのかもしれません。遊んでみるとかなりハマったんですが。

ミレニア

主人公。人間ですがトキビトに育てられ、トキビトに従って行動します。作中では館(とか)に訪れた人間をトラップで次々に倒していきます。
いつも表情がなく、自分から話すこともありません。他人から問いかけられれば別ですが、どう答えるかはプレイヤーの選択によります。つまり、「トラップで倒すことを楽しんでいる」と考えているか「実は戦いたくない」と考えているかはプレイヤーが決められます。
ボブカット。

ヨカル

ミレニアを育てたトキビト。ミレニアにトラップを教えた人物でもありますが、ミレニアを戦わせることには思うところがあるようです。第1話では苦々しく送り出すところを見ることができます。
それはそれとして、渋い様子のヨカルをトラップにはめることもできます。すごいコンボをかける方も……反撃はされませんが怒られはします。

エクリプス王

トキビトの王。トキビトは「寿命で死ぬことがないので、外的要因で死ぬのを怖がる」という設定だったと思うんですが、この人の城はあちこちにトラップがあります。謁見の間も、王様と他のトキビトが話している横で槍だかトゲだかが「ジャキーン! ジャキーン!」と痛そうな音を立てながら動いています。
そういうの、怖いのでは……それとも、「怖いものをわざと近くに置き、勇敢な王だとアピールする」なんて文化があるんでしょうか。

キース

人間の青年。トキビトを打倒しようとする組織レッドブラッドのリーダー。そうしようとする理由はトキビトの悪行を知っているから。そして個人的な怒りを抱えているから。
ただし、展開によってはリーダーをあっさりやめます。

天井、壁、床に仕掛けられます。
自ら作って増やすことができますが、全部持ってステージに入れるわけじゃありません。

下に書いたものは、僕が好きだったトラップ。

天井

カビン
落っこちてターゲットの頭にかぶさり、視界をふさいだ状態のまま数歩フラフラと歩かせます。
パワーアップしたカビンだと大ダメージを与えられますが、僕は普通のカビンの方が好きです。大ダメージになると倒すのが早まり、コンボが短くなるからです。

メガロック
上から落ちてくる岩。坂道や階段だと下に転がります。これもパワーアップ版より弱めのこれの方がいいです。

アルデバラン
2周目以降限定。名前の元ネタは前作のキャラクター。形もその人物がかぶっていた兜と同じです。
カビンと同じく、視界をふさいで歩かせます。ただしダメージが少なく歩かせる距離が長めなので、とても使いやすいです。

タライ
タライです。ドリフです。
このシリーズにはマヌケなトラップもあります。

プレスウォール・アタックウォール
飛び出してターゲットを押し出す壁。ターゲットを無理やり移動させるのに使います。
スパイクウォールというトゲ付き壁もありますが、ダメージが大きいのであまり使いたくありません。

アロースリット・コールドアロー
壁から矢が飛び出し、ターゲットにダメージを与えつつ立ち止まらせます。アロースリットは一瞬立ち止まらせるだけですが、コールドアローなら凍らせてしばらく止まったままにすることができます。

マグネット・パワーマグネット
ターゲットを壁に引き寄せます。他のトラップの効果範囲へ引き寄せるのに使います。
ダメージを与えずにコンボの数を稼げるので大好きです。

バズソー
丸のこが壁から飛び出し、ターゲットを押しながらまっすぐ移動します。
パズソーかバズソーなのかわからなくなります。頭文字がBだと思い出せばどっちなのかわかります。

ベアトラップ・ヘビークロー
トラバサミ。ターゲットを立ち止まらせます。

スプリングフロア・スマッシュフロア
床が斜め向きに飛び出し、ターゲットを指定方向に飛ばします。

ステージに元から仕掛けてあるトラップもあります(上に少し書いてある城の槍やトゲもそう)が、僕は自分で仕掛けるトラップの方が好きです。

トラップをターゲットに連続して当てていけば完成です。
ただしトラップは使った後でチャージタイムが発生します。ボケッと待っていればコンボが途切れます。そのため、チャージがたまるまでターゲットには他のトラップにかかりっぱなしでいてもらわないといけません。たとえばベアトラップにかまれたままでじたばたさせておくとか。

すごい長さのトラップコンボを考える方もいますが、僕は延々とハメ続けられるトラップが好きでした。
僕が好きだった無限トラップはこんな感じ。
※順番にまっすぐ並べるという意味です。


スマッシュフロア
(空白七マスまで。短めがいい)
アルデバラン
バズソー(壁)

  1. ターゲットが扉を開けて入ってくるなり、スマッシュフロアで壁(バズソーを仕掛けたところ)まで飛ばす。
  2. アルデバランをかぶせる。ターゲットは壁に向かって歩く(歩く動きをするだけで、実質的には動いていない)。
  3. スマッシュフロアのチャージがたまったらバズソー発動。扉の手前まで飛ばす(①に戻り、好きなだけ続ける)。

前作は3角の印でタイミングを見やすかったんですが、本作にはそういうのがありません。しかしこのコンボなら「扉を開けて1歩入ってきた」というタイミングを細かく判別できるので(マップを使うとより確実)、1発目のスマッシュフロアを外しにくくなります。1発目を当てて行動不能にしてしまえば後はこっちのものです。
弱点はターゲット以外の敵に対して無防備だということ。敵が2人同時にまとめて来た場合はうまく引き離さないといけません。1人目のターゲットをさっさと倒せば、2人目のターゲットで好きなだけトラップを続けられます。

本作は前作と同じでマルチエンディング。「ターゲットを全て倒したか」「途中で出てくるあるキャラをどう行動させたか」などの条件で変化します。
4種類あり、僕が見たのはそのうちの2つ。ネタバレを避けて言うと、「全員倒したEND」と「二人で出発END」です。

前作同様、本作もサントラが発売されています。そして前作同様にプレミア価格となっております。畜生……
何でも本作のサントラにはイメージソングが付いているとか。EGGプロジェクトでサントラが復活したとしても、そこだけは切られるんだろうな……

本作の音関係だと、僕はボタンを押したときの「バシ! バシ!」という効果音が好きです。

主人公のミレニアは、ずっと後で出た続編の「影牢 もう一人のプリンセス」でゲストとして登場。プレイヤーが操作することもできます。

このゲームを扱っているメーカーは無双シリーズを出しているところでもあるので、無双スターズというゲームにも登場しました。ただし使うトラップは本作のものじゃなく「もう一人のプリンセス」のもの。「もう一人の~」のキャラクター扱いなんだと思います。
それにしても、ミレニアは屋内で戦うキャラクターだったはず……無双スターズでは外で戦いますが……

それから随分たって、「カゲロウ」というゲームを見つけました。「久しぶりに復活か?」と思ったら、「影廊(シャドーコリドー)」という別のゲームでした。

刻命館・影牢シリーズは本作の後も何作か出ます。ただし、後へ行けば行くほどお色気路線が強くなっていたような……僕はあんまりそういうのを求めていないんですが、世間では受けるのかもしれません。

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