- いいところ
絵やBGMがいい。
原作を無視している、と言うほどでもない。 - 注意事項
ジョジョの奇妙な冒険第3部のネタバレがあります。
略称 | コブラジョジョ |
機種 | スーパーファミコン |
メーカー | バンダイ コブラチーム |
発売日 | 1993年(平成5年)3月5日 |
ジョジョ3部のゲーム化
ジョジョの奇妙な冒険は1986年末から雑誌を変えつつ連載されている漫画。その中でも特に大人気の第3部をスーパーファミコンでゲーム化したものが本作です。
僕は買っていませんが、僕の周りには本作を好いて繰り返し遊んでいた人がいました。あまりにもずーっとやっていたせいで、僕もゲームの内容をかなり覚えています。
特にBGM。「キン肉マンの戦闘曲」だと僕はアニメの曲を思い出しますが、「ジョジョの戦闘曲」だと本作の曲(館に突入する前)を思い出します。
そのくらいには僕も好いていたんですが、ネットが当たり前の時代になってから驚きました。
本作がクソゲー呼ばわりされている……?
そうだったんでしょうか……はたから見ている分にはいいゲームだと思えたんですが、「原作を無視している」とよく言われています。
バトル
本作はRPG。主人公たちはパーティーを組み、敵キャラと戦います。
主人公たちはスタンド使い。スタンドという超能力を持っていて、分身みたいなものを戦わせたり謎の現象を起こしたりします。
敵もスタンド使い。本作はスタンドVSスタンドのバトルを中心にして進行します。
なお、本作の中だと一般人相手でもスタンドで攻撃します(原作では一般人相手だと拳でぶん殴ったり)。「攻撃」という動きの表現を「スタンドで攻撃」しか用意していないからかと。
トイレ
本作にはトイレがあり、主人公たちはそこで用を足します。
以前「トイレは意味がない要素だった」と書いてあるサイトがあって、僕は「そうだったのか……」と驚きました。
しかし今になって調べ直すと、「本作にはストレスの要素があり、ダメージや命中に関わる」と書いてありました。
だよなあ……僕の周りの人もよく作中のトイレに行っていましたし。面白がっていただけかもしれませんが。
主人公一行
空条承太郎
本作の主人公。
スタンドを使ったときに「オラオラ!」と声が出ます。
「オラオラ!」じゃなくて「うわうわ!」に聞こえるという意見もありますが、昔にしてはよくできていたと思います。
ジョセフ・ジョースター
承太郎のじいちゃん。第2部の主人公。
原作だとカメラを壊してDIOを念写していましたが、本作にそういう場面はありません。テレビを調べるとDIOがメッセージを送ってきます。その後でテレビが壊れるのは原作どおり。
ポルナレフ
原作だと香港で旅行者っぽく登場しますが、本作では主人公の町(日本)の本屋さんとして出てきます。
どうしてそこに……多分、主人公たちを待ち構える作戦。
アヴドゥル・花京院・イギー
原作では犠牲になりますが、本作だと生存エンドです。やったぜ!
アヴドゥルと花京院の登場は原作とほぼ同じ。
イギーは原作だとアメリカ在住で、スピードワゴン財団に連れてこられました。一方本作ではエジプトの遺跡に住んでいて、倒すと仲間になります。
なお、イギーは最初からイケメン顔。
ボストンテリアを見ると「イギー」って呼んじゃいません?
敵キャラたち
原作だと「担当キャラVS敵キャラ」のことが多いですが、本作では「主人公一行(最大5人+1匹)VS敵1人」のことがよくあります。
大勢いるので印象に残っているキャラを抜粋します。
灰の塔の人
主人公の学校で用務員さんをしています。
きっとポルナレフと同じで承太郎を不意討ちするための潜入作戦。
船長(偽)とオランウータン
近所の館(日本国内)にいます。
オランウータンの方はスタンドを船じゃなくて館と融合させています。これは原作でもやろうと思えばできそう。というかこっちの方がいつもどおりの使い方に近いということはないでしょうか。オランウータンは森の中に住んでいる生き物なので、船より家の方が近づきやすいはず。
デス13の子と女教皇の人
飛行機の中で襲いかかってきます。
女教皇の人は原作だと顔が出ていなくて、アーケードかPS1の格闘ゲームで登場したときに「原作者が新規で書き下ろしました!」とかやっていました。しかし実はそれより前に本作で顔が出ていました。ドット絵ですが。
このときの飛行機は墜落しません。ジョセフが乗っているのに……これは原作どおりじゃないですなぁ!
安全な方がいいでしょう?
ホル・ホース
原作どおり、最初は吊られた男の息子さんと一緒に現れます。
その後はときどきチラッと出てきたりマライア(金属引き寄せの人)と組んで襲いかかってきたりします。
ダービー兄
主人公たちとカードで勝負します。
主人公側を1人ずつ倒していき、最後に残った承太郎が勝利。これ以外の流れを見た覚えがないんですが、もしかして展開固定なんでしょうか。
アレッシー
原作だと承太郎とポルナレフが子供にされますが、本作ではジョセフ・アヴドゥル・花京院が子供にされます。戦うのは子供にされていない承太郎とポルナレフ。
オインゴボインゴ兄弟
戦いはなく、会話シーンだけで登場します。
この2人は原作どおりに画面の外で自滅していたのかも。
ペット・ショップ
館突入前に対決。イギーがザクッとやられないので安心です。
ダービー弟
普通に戦闘シーンで対決。F-MEGAとかないです。
お兄ちゃんの方と殴り合うよりはイメージに合うかも……
ヴァニラ・アイス
このときは「クリーム」というスタンド名がまだありません。初めて世間に出たのは、本作の数か月後に発売された画集『JOJO6251 荒木飛呂彦の世界』の中です。
原作では主人公一行を最も多く葬り去った敵キャラでしたが、本作ではそこまでできません。
DIO
館の中で対決。外まで出ないので「ロードローラーだッ!」とか「最高に『ハイ!』ってやつ」とかありません。パワーアップはラスボスだからあってもよかったのでは。
戦うときの「無駄無駄!」は「無駄無駄!」に聞こえないかも……「ウダウダ」かも……
他のキャラ
ホリィさんは普通に登場。
家出少女はいません。
館の外で戦わないので、上院議員やキャビアを持ってくるのが何とかと言われる人もいません。この人たちは助かったと言えるかと。
原作どおりじゃない?
世間ではそう言われていますが、結構原作を意識した作りになっているんじゃないでしょうか。
戦う順番や出てくる場所はかなり違いますが、そういうのはゲーム化するために仕方ない部分もあったはずです。
イベントや戦闘には「これは原作にあった!」というところが結構あります。内容が変わった部分もありますが、「ゲームじゃ再現できない」というところもあったはず。
アレッシーのところなんかは「昔のアニメ化ならありえたオリジナル展開」くらいのものだと思います。
昔のゲーム化にはもっと原作を無視したものがありました。僕が本作を許容しているのは「よそに比べればマシ」なんて感じているからなのかもしれません。
本作のいいところ
主人公たちの絵
移動中や戦闘中に主人公たちの顔が表示されています。
これがよく書けていて、驚いた顔になったり渋い顔になったりしても「承太郎たちならこういう表情をしそう」と思えます。
曲
上の方にも書きましたが、本作のBGMがかなりいいです。特に戦闘曲。
これのサントラが出ているんだそうな。しかし今はプレミア価格。
全員生存エンド(その後の妄想)
原作終盤のどんどんやられていくところがピンチ感大盛りでいいんだとは思いますが、ハッピーエンドもいいものです。ゲーム版くらいはそういう結末でもいいんじゃないでしょうか。
それにしても、この世界の第4部以降はどうなるんでしょう。
第4部で花京院が杜王町に来てくれたら、吉良をもっと早く見つけられないでしょうか。
第5部でポルナレフが花京院やアヴドゥルの手を借りて活動したら、ボスが困ったり……それほどでもないですかね。
承太郎が作った家庭にイギー(あるいはその子孫)がいたら、第6部の徐倫も少しくらい穏やかに成長できたんじゃないでしょうか。
DIOがやられるのは同じなので、神父は原作どおりに活動するはず。
スピンオフ漫画の「悪霊的失恋」はかなり変わりそう。
終わりに
現在、本作は中古で買わないかぎり遊ぶ手段がありません。
ファミコンのジャンプ系ゲームだったら「ニンテンドークラシックミニで遊べます!」となったかもしれませんが、本作はスーファミのゲームです。
任天堂の方々、今からでも「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン ジャンプ版」なんて作って本作を入れてくれないですかね……どういうわけかNintendoSwitchOnlineのスーファミに入れてしまうのも大歓迎です。
ジョジョのゲームって言うと今は格闘ゲームが多いですが、最初はこのRPGでした。
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