- 先に結論
仲間をほぎーとかあくーとかさせたくないなら、話しかけないでイベントを終わらせる。
しかしどうしてもやられてしまうキャラがいるので、イベント発生前にタームへ先制攻撃をかける方がいい。
お急ぎの方は「オススメは先制攻撃」の項目からお読みください。
何回戦うとシーフギルドがやられたり城が襲われたりするかの検証はこちら。
ロマンシングサガ2のタームイベント(アバロン編)は多くの方にトラウマイベントとして記憶されています。リメイクされたリベンジオブザセブンでは、表現が更におっかなく……
しかしこのイベント、うまくやれば犠牲者ゼロで終えることができます。今回はその方法についてまとめます。
復讐
あれは、悪夢などという言葉では生ぬるい――地獄としか思えない出来事だった。
バレンヌ帝国皇帝である私は、ゴブリンの巣での事件を片づけて宮殿へ戻ってきた。
疲労が全身にあふれていようと、玉座で臣下の言葉を聞かねばならない。元は千年以上昔の皇帝レオンがしていたことだが、私自身も行っている。それは単にかつての名君を真似ているだけだけなのかもしれない。私が伝承法によってレオンの影響を受けているからかもしれない。
普段なら市井のことを文官から聞いて指示を出す程度で終わる。しかし、その日は違った。
歩み出た文官は足取りがおぼつかず、苦しげな声をこぼす。
「へ、陛下! 地下から……!」
文官がうめき、どす黒い液体がその背中からあふれ、おかしなものが姿を現した。
二対の腕。一対の脚。瞳は人間と全く異なる複眼。大きな顎はいびつな動き方をし、ギチギチと奇妙な音を発する。
私はこのような怪物を見たことがなかった。しかし、知ってはいた。
千年を超す過去、何代も前から受け継いだ記憶――その中に刻まれていた。
「ターム……!」
巨大なアリとしか思えないその怪物は、かつてステップに巣を作り人々を襲っていた。
当時の皇帝により女王アリが討たれ、滅んだはずだが……
(まさか、今になって復讐しに来たとでも言うのか?)
私の困惑をよそにタームは襲いかかってきた。私はとっさに剣を抜き、切り伏せる。
タームに巣食われていた文官は黒い粘液の中で倒れ伏し、もはや呼吸をしている様子すらない。
どういうことだ……そうつぶやく暇(いとま)すら私には許されなかった。
「うっ……くあ……」
「がああ……あ……」
他の文官たちも苦しみ始めた。彼らの体からもタームがはい出す。
あまりにも数が多すぎる。私は玉座の間から駆け出した。
その先にはインペリアルガードの二人がいた。彼らもまた、先ほどと同じ怪物を倒したところだった。
「ぐうう……」
「うぐっ……陛下……逃げ……」
しかし彼らも体内から異形の怪物を現れさせ、無残な骸と化した。二人は頼れる部下であり友でもあったのに……
気が付けば、ギチギチという音はそこかしこから響いてくる。
いつまでこのようなことが続くのか……まさか、城内で怪物に支配されていないのは私一人ではないのか。
それとも、私自身も……
剣の柄を握る手が、絶望のあまりにゆるんでしまいかける。
辛うじて私の正気をつなぎとめてくれたのは、かけられた鋭い声だった。
「陛下、お気を確かに!」
私の前にいたタームたちが倒れ込む。翅の間には小さな刃が食い込んでいた。
現れたのは先ほどまでゴブリンの巣へ同行してくれた四人の仲間。刃を投げたのはヤウダの地から来てくれた忍だった。
「……お前たちは無事か?」
一度奥歯を噛み締め、仲間たちへ問いかける。
「先ほどまで陛下と共にいた私たちは平気ですが……城の中も、町も……あの怪物が……」
「申し上げにくいのですが……シーフギルドも……」
私の心は闇で包まれかけた。
城の家臣たちも、町の民たちも、皇帝として即位した私を温かく迎えてくれた。
シーフギルドには私の遠縁に当たる者がいた。
皆、今はもう……
正気を手放してしまう寸前に、わずかな冷静さが一つの仮定を導き出した。
先ほどの文官も地下のことを言おうとしていた。
シーフギルドは地下に居を構えている。
まさか、タームたちが来た場所は……
案の定、としか言いようがなかった。
シーフギルドの向こうにある下水道でもタームが闊歩しており、あちこち調べているうちにやつらがどこから来たのか見えてきた。
伝承法で受け継いだ記憶によれば、かつて皇帝ジェラールはディープワンという怪物を下水道で倒した。
その住みかの向こうには古びた墓地があり、進んだ先は行き止まりでしかなかった。
しかし、今は奥に大きな穴が開けられていた。
穴の中からもあの忌まわしいギチギチという音が聞こえてくる。タームの巣があることは間違いない。
「見ていろ……」
私がつぶやいた言葉は、旅立っていった者への手向けではなかった。
家臣、友、民――ここへ来るまでに、私はあまりにも多くのものを失ってしまった。もはや心に満ちているものは嫌悪や恐怖などではない。
かけがえのないものを奪った者たちへの怒り。もはや憎悪と呼んで差し支えないだろう。
すなわち、その言葉はタームへ向けた復讐の宣告。
私は残された仲間を伴い、闇の中へと足を踏み入れた。
オススメは先制攻撃
上の展開は忘れてください。
「シーフギルドには遠縁の者が……」というのは勝手に考えました。「シーフギルドがやられていると聞いて閃く」という流れを作るためです。本作の忍者が使うのも剣じゃなくて体術ですし。
そもそも、僕が今進めているセーブデータだとアバロンはこんなことになっていません。
アバロンでのタームイベント「クィーンの復讐」は、ステップでタームを倒していれば最終皇帝が登場してすぐに始まっています。
皇帝一行が戦うたびにタームは勢力を増し、下水道をうろついたりシーフギルドをぶっ潰したりし、最後には玉座の間で文官を食い破って襲いかかってきます。
「クジンシーから挑戦状が来た! ちょっと行ってくる!」と出発してしまえば、戦って帰ってきたころには……
つまり、戦わなければタームは増えません。
最終皇帝が「これは歴代の皇帝の云々!」とか言って行動開始したらすぐにパーティーを結成し、下水道のディープワンがいたところから更に奥へ進み、地下墓地を通ってアリの巣へ直行するといいです。
これなら兵隊アリは1匹も出てきません。宝も余裕顔で拾い集められます。
最後は奥で女王アリ(リアルクィーン)と勝負。勝てば犠牲を一切出さずにタームイベントアバロン編完了です。
クジンシーの挑戦状は無視していいです。何ならずっと放っておいてもOK。どうせクリアまでに会います。
玉座を調べるとイベント開始なので、玉座に触らないという手もあります。それだと開発ができませんが。
犠牲者の法則と対策
皇帝が苦しんでいる仲間に話しかけるとタームが出現します。シティシーフなんか「ほ ほぎー」「あ あくー」というボイス付きで苦しみます。
そうやってタームが出現してしまったキャラはいなくなり、騒動が終わると次のキャラに入れ替わっています。
冗談じゃないです。今、うちのアバロンにはかつて皇帝だったビーバーとかカンバーランドイベントで仲間になったゲオルグ&ソフィアとか(の1周して再登場したキャラ)がいるんですけど!
対策は簡単で、話しかけなければいいです。取り付いていたタームはどこに行っちゃったんだ、というのは考えない方向で……
大抵のキャラはそうやって「話しかけない。近づきもしない」とすればいいです。しかしインペリアルガードたちはやられる場面がイベントに組み込まれています。やられないで済ませるには、イベント開始前から仲間にしておくしかありません。
他の兵士が身代わりになるので、犠牲が出ることは同じ。だからやっぱり「やられる前に殴り込みをかけてやっつける」というのがいいと思います。
タームはどうやってアバロンに来た?
本作では「やられたクィーンが謎の液体を皇帝にぶっかける」という場面がステップでのイベント中に追加されていました。
リアルクィーンは戦う前に「あのとき卵を1つひっつけておいた」と言っていたので、あれが粘着質の液体で卵をくっつきやすくしていたんじゃないでしょうか。
地下墓地(あるいは地上の墓地からすぐ行けるところ)の近くで巣を作ったのは、故人となって弔われた皇帝の体から離れて行動開始したから……しかし僕の場合、クィーンと戦ったピーター皇帝は人魚を追って消息を絶ったはず。
とは言え、ピーター皇帝は人魚薬作りのために城下町の満月亭を使いました。卵がはがれてアバロンに残るタイミングはあったはずです。
仕事を放り出して消えたり、ヤバいものを持ち込んだり……困った人すぎる……
リアルクィーンは昔を覚えている?
リアルクィーンは「ステップでは世話になった」みたいなことを戦う前に言います。「七英雄すら恐れさせた」なんてことまで言います。
リメイク前、七英雄のことをリアルクィーンから初めて聞いたときの僕は「あんた大げさだな……絶対に話を盛っているだろ」と思うだけでした。しかし実際に七英雄はタームに苦戦していました。その場面は本作なら七英雄の記憶でたっぷり見ることができます。
タームたちは「群れ全体で1つの集合意識」みたいなものを遺伝子の中に持っていて、リアルクィーンはそれで過去を知っているんじゃないでしょうか。何だか伝承法みたいですが。
終わりに
ターム関係のイベントはリメイク前から印象に残りやすいものでした。
リメイクされたことで表現が鮮明になり、別の印象(あるいはより強い印象)が残りやすくなったかもしれません。
こういう絶望展開が好な方もいるはずですが、僕は大団円が好きです。だからこの記事を書きました。皆さんもうまく犠牲者を抑えてください。
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