- この記事に書いてあること
幽霊船の見つけ方。
幽霊船の移動ルート。
お急ぎの方は「幽霊船とは」の項目からお読みください。
HD-2D版ドラクエ2には海中を探索する要素があり、幽霊船を見つけることができます。
まるでドラクエ3ですが、探索要素としての面白さはこっちの方が上です。
今回はドラクエ2に新登場した幽霊船のことをまとめます。
日が差さぬ海底に死者が操る幽霊船を見た!
人知の及ばない場所である海底を謎の廃船がさまよっているという……
噂を聞き付けた井本探検隊はすぐさま現地へと飛んだ。
かつてペルポイと呼ばれた町が存在していた半島。その南東では波が穏やかに揺れていた。
しかし海の底には未知の存在がうごめいている。井本探検隊は潜水艦ラーミアス号に乗り、謎を解くために大海原へと旅立った。
「隊長、この辺りです。海面下の巨大な影が何度も見つかっているのは」
「潜水機構、問題ありません」
「よし。郎例隊員、霧雲隊員、潜水開始!」
井本隊長の指示に従い、隊員たちがラーミアス号を潜水させていく。
「きみ、イモトじゃなくて僕の妹だよね。この船もラーミ何とかって名前じゃないし、センスイカン? でもないし……2人とも妹の変なごっこ遊びに付き合ってくれてありがとうね」
佐丸隊員は空気を読んでいないが、井本隊長は無視した。
海上にいる間は鳥の声がうるさいほどだった。
海面を下ってしばらくの間は魚がラーミアス号に当たる音くらいあった。
しかし深海ともなると音と呼べるものはほとんどない。まるで生の全てを否定するかの如き静寂だけがあった。
「幽霊船、見つかるといいね。お、あれは?」
「ちょっ、お兄ちゃん! 海中生物に襲われたりしてもったいを付けてから見つけないと……」
「モンスターならさっきトヘロスを使ったから出ないよ」
「ああもういいよあれは何だ!」
井本隊長は佐丸隊員が見ていた先を指さした。
ラーミアス号から数十メートル先。大きな岩棚の向こうを巨大なものが動いていた。
魚ではない。海生哺乳類でもない。わずかしかその姿を見ることはできなかったが、明らかに海中で見るわけがないものの形をしていた。
まるで船のような……
「ま、僕たちも海の中で船に乗ってるんだけどね!」
「追跡!」
あちらは東から西へと――井本探検隊とすれ違う方向に動いていた。ラーミアス号は向きを180度変え、「何者か」の後を追う。
最初のうち、「何者か」とラーミアス号の間には距離があった。しかし船速はこちらの方が上。
徐々に差が縮まっていく。
「隊長、この先は岩壁です」
「このまま追い詰めて……何だと?」
井本探検隊は一様に目を見開いた。
確かにラーミアス号は「何者か」を追っていた。
そのはずなのに、追われていた者はまるで元々幻だったかのように消えてしまったのだ。
「消えるとは……まさに幽霊だ」
「不思議だねえ。僕たちも船で海に潜るなんて不思議なことをしてるんだけどさ」
井本隊長は佐丸隊員を放置して頭を抱えた。
逃げられ、そして消えてしまうのでは対処しようがない……
「ここに来ることは間違いないんだし、いっそ追いかけるんじゃなくて待ち伏せでもしたらいいんじゃない?」
「それだ!」
井本隊長はひざを打った。
◆ ◆ ◆
かくして、井本探検隊の静かなる戦いが始まった。
海流と時間だけが過ぎていくなか、息をひそめて辺りに注意を動かす。どのような小さな動きですら見逃すつもりはない。
時間がたつにつれ、不安が押し寄せてくる。
本当に幽霊船はここに戻ってくるのだろうか。
幽霊船を操っていた者は追われたことに警戒し、二度と戻ってこないのではないか。
井本探検隊が争っている者の正体は幽霊船ではなく、自分自身なのかもしれない。
「そろそろ時間が……」
「ラーミアス号の潜水時間にも限界がある……」
「そんなのあるの? あ、うちの妹っていつも腹時計がしっかりしてるもんね。2人ともこの子のおやつを食べたがる時間を覚えちゃったね」
隊員たちが口々に言い合うなか、井本隊長は周囲に視線を動かし続ける。
「いたぞ!」
その姿を捉えたのは井本隊長だった。隊員たちも目を動かす。
巨大なものが悠然と海中を動いていた。
その姿は暗紫色。この世にあれほど毒々しい色があるだろうか。
底部分を構成する木材はあちこち砕け、海水を通り抜けさせてしまう。
上部にある布も破け、もはや本来の役目を果たすことはないだろう。
壊れかけた船が隊員たちの眼前を通り抜けていく。
沈んだ船がただ海流に流されている……そのような動きではない。明らかに船首を前へ向けている。
間違いなくそれは船の動き。ただしここは海の底だ。
井本探検隊が唖然としているうちに、その船は岩壁へと向かっていって再び消えてしまった。
しかし、井本探検隊ははっきりと見た。
冷たい海の底をさまよう謎の存在――幽霊船は存在したのだ!
幽霊船とは
ここまでのことは忘れてください。
「潜水艦」というものはドラクエの世界観に合わないんじゃないですかね。しかし(こっちの世界で言う)SF小説みたいなものはあるかもしれないということでどうでしょうか。
それはさておき、幽霊船がドラクエシリーズに初登場したのはドラクエ3。ドラクエ2にはHD-2D版で追加されました。
ドラクエ3の幽霊船は海上をさまよっていて、居場所は大体ロマリアの辺り。ふなのりのほねを持っていれば居場所がわかります。
本作の幽霊船は海の中にいます。しかも居場所は世界中のいろいろなところで、ふなのりのほねみたいなドラゴンレーダー的アイテムはありません。
こんなの「どこにもいない……見つからない……」となってしまいやすそうです。
しかし見つける方法はいくつもあります。
そして僕の感覚だと探すのがすごく面白いです。
幽霊船の見つけ方
探し方の前提条件
- 船を入手していること。
- 船で潜水できること。
- 船で深海に行けること。
深海へ行くためにはマーメイドハープのパワーアップが必要。
紋章を5つ集め、沈没船のイベントをクリアしないといけません。

幽霊船と沈没船は別のものです。
一応「深海に行けること」も条件に入れておきましたが、普通の潜水だけできるときでも目的地ガイドには「幽霊船を探そう」と出ていました。
深海から出てきているときなら普通の潜水だけで見つけられるからです。
幽霊船のルート
幽霊船は決まったルートを進んでいます。
実際に幽霊船を追いかけてみました。
- ガライの北から西へ。
- しばらく進んでから消えてローレシア大陸の東に出現し、南下。
- 炎のほこらと舟守のほこらの中間辺りにある海溝を通り抜けつつ西に向く。
- 世界樹の森の南で消える。
- ペルポイがある半島の北に出現。
- 海底宝物庫・南海の前を通り過ぎながら北上。
- リリザの手前辺りで消える。
- ヌシの住みか・北海の近くに出現。
- 南西に進み、細長い島の手前で消える。
- 聖なるほこらの南に出現。
- なぞの海底基地の前を通り過ぎながら西へ。
- オアシスの北辺りで消える。
- メダル王の城の西に出現。この辺りで南に行ったり北に行ったりする。
- 北上し、ドラゴンの角辺りで消える。
- ガライの北辺りに出現。
1周20分弱かかります。
地図の北と東西を移動しているときは地図の反対側に少しだけ出ています。
このルートがわかっていれば見つけやすくなります。
幽霊船の逆方向に進む
幽霊船が時計回りに進むなら、こちらは反時計回りに進めばいいです。そうすればいつか会えます。
メダル王の城の西では北に行ったり南に行ったりするので見つけにくいかも。
「時計回りという言葉の意味がわからん」というのはたまに聞く話。
時計回りとは普通に進んだときの時計の針と同じ方向という意味。山手線マップで言うと「秋葉原→神田→東京」が時計回りで「東京→神田→秋葉原」が反時計回りです。

ミニマップをよく見る
幽霊船は画面右上のミニマップに映ります。紫色のマークです。
すぐさま追いかけてもいいですが、逃したときのために見つけた場所を覚えておくのがおすすめです。
幽霊船を待ち伏せする
幽霊船をどこで見つけたでしょうか。世界樹の森の南かもしれません。ガライの北やメダル王の城の西かもしれません。
どうしても捕まえられないときは、一度見つけたところで待ち構えておけばいいです。
幽霊船は決まったルートを進むので、見つけたところに必ず戻ってきます。また来たところで捕まえてしまえばOK。
待ち伏せポイントとしてわかりやすいのは海底宝物庫・南海となぞの海底基地の前。
これらの場所なら深海まで潜らなくても幽霊船を捕まえられます。
幽霊船の中はどんな感じ?
登場モンスター
くさったしたいやアンデッドマン、シャドーやガスト、たこつぼこぞうにウバナマコといろいろいます。
パンドラボックスもいるので宝箱を開けるときはインパスを使う方がいいです。
中ボス オクトネイビー
ボスキャラのオクトネイビーは強いことで知られています。
渾身斬り、しっぷう突き、さみだれけんで攻撃したり、
ちからためやバイキルトで自己強化したり、
うけながし、大ぼうぎょ、マホカンタで守りを固めたり……
多彩な戦闘手段を持っています。
直接攻撃ばかりなのでスクルトが重要です。
スクルトがないと楽ちんプレイでも「渾身斬りで800のダメージ!」とかやってきます。
うちの主人公一行は現在レベル40台で、まだ勝てていません。TwitterことXを見るとレベル50台で勝った話が多いようです。

オクトネイビーの強さからすると、適正レベルとか推奨レベルとか呼ばれるものは50よりもずっと上です。
幽霊船あれこれ
いつクリアすればいい?
クリアしなくてもエンディングまでは行けるようです。
しかし「幽霊船クリアは真のエンディングを見るために必要」という話も聞きます。僕はせっかくだからこのまま幽霊船を終えずに最後まで行ってみようと思います。
立ちふさがっている骸骨がいる……
オクトネイビーを倒すとどいてくれるらしいです。
幽霊船に入れない
Switch版だとタイミングよく近づいでAボタンを押せば入れます。
幽霊船はルーラできない?
一度入ってしまえば次からはルーラで行けます。
待ち伏せしているのに出ない
深海の海底近くにいると、上の方を通り抜けられることがあります。
逆に下の方を通り抜けられることもあります。
「深海に下りる→ある程度上の方で待つ」とすると見つけやすいです。
ルーラした幽霊船から出るとどこにいる?
ルーラしたとき幽霊船がいた場所に出ます。
そのため、幽霊船を追いかけていて見失ったときはルーラで中まで一気に飛んで外に出れば再開できます。
幽霊船が消えたときもこれで大丈夫です。
幽霊船が止まる瞬間
主人公たちが乗り込んでいる間の幽霊船は止まっています。
そうじゃなかったら乗っている間に他の場所へ連れていかれるもんな……まだ深海へ行けないのに幽霊船がより深く潜り始めたら困ります。
終わりに 海底探検が面白い!
やたらああだこうだ書いていますが、これは僕が海底探検を楽しんでいたからです。
暗い海の向こうにチラッと謎の明かりが見えて、近づいてみると幽霊船。追いかけると消えてしまって……とか探索要素としては興味を惹かれます。
FF6のデスゲイズでもこういうことができそうですが、空中だとはっきり見えるので「今、何かいた!」という探索的な面白さじゃなくなるかと。チェイス的な面白さならあるかも。
幽霊船のイベント自体は見つけてオクトネイビーを倒せば終わりですが、皆さんも楽しんでみてください。


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