- いいところ
原作を知っていればニヤリとできる。
単なるキャラゲーではなく、RPGとしてしっかり作られている。
機種 | スーパーファミコン |
メーカー | バンプレスト |
発売日 | 1994年(平成6年)6月24日 |
序盤のあらすじ
ロバーズ・キラー、ドラゴンもまたいで通る、大魔王の食べ残し……
数々の二つ名をほしいままにする大魔道士がいた。
その名はリナ=インバース。そんなリナが記憶を失った。
取扱説明書から引用・抜粋
彼女はさまざまな人物に振り回されながら冒険する。
果たして失われた記憶は戻るのか……
人気小説の初ゲーム化
スレイヤーズは当時の中高生から人気がある小説でした。
あのころはライトノベルという言葉があったかどうかすらわからない時期。後にライトノベルと呼ばれるようになる小説はロードス島戦記とか風の大陸とか硬派なものが多く、スレイヤーズの「明るいのにロードスっぽいファンタジー世界」というのは目立つ要素でした。
スレイヤーズのことを「ライトノベルをライトノベルにさせた(ライトノベルの方向性を決めた)小説」と呼ぶ方もいるほどです。
話が長くなりそうなのでこの辺りで切っておきますが、とにかく人気小説だったわけです。
本作はそのゲーム化作品。
発売されたのは第1部が終わる寸前。わかる方がわかる言い方をすると、魔竜王ガーヴが暴れている場面から『続く!』となって、ファン一同先が気になっている時期でした。
本作は第2部が終わった後の物語。そうだと明かされたのはいつだったっけ……結構早かった気がする……はっきりとは覚えていませんが、もしかして第2部開始前だったりしますかね。
珍しいシステム
レベルアップするキャラとしないキャラ
原作は超人的な実力者がごろごろ出てくる小説。
それを反映させたのか、本作には「最初から強くてレベルアップしないキャラ」と「普通にレベルアップするキャラ」がいます。
金策方法
原作小説のリナはいつも盗賊を倒して金策しています。
本作はその部分も反映させているようで、盗賊を倒すことで金策できます。
主な登場人物
仲間たちは物語の中でパーティーに加わったり外れたり。
印象に残っているキャラのことを下に書いておきます。
リナ
主人公。記憶を失っている状態でゲームスタートします。
本来のリナは魔法をいろいろ使えて剣もそれなりに使えて周囲から一目置かれている魔道士ですが、本作ではレベルが低い状態です。記憶がないから仕方ないですなぁ。
ガウリイ
天才的な実力の剣士。原作の本編に登場。
かなり好きなキャラなので、いつ出るんだろうと思いながらゲームを進めていました。
出てくるのはかなり後の方。
レミー
人を斬るのが好きすぎる剣士。原作では外伝に登場。
仲間たちは出入りが激しいんですが、この人は結構長いこと一緒にいてくれたような覚えがあります。
鍛えるとガウリイより強くなるんだとか……
ゼルガディス&アメリア
残酷な魔剣士と正義の味方マニア。原作では本編に登場。
本作は4人パーティーのゲーム。終盤は「リナ」「ガウリイ」「ある人物」で3枠が埋まり、ゼルガディスとアメリアのどっちを外すか……となることもあったようです。
僕は「ある人物」を外しました。
シルフィール
スレイヤーズでは珍しい常識人寄りの神官。原作では本編に登場。
当時は単なる横恋慕キャラとしか思っていませんでしたが、今にはダイの大冒険のメルル&エイミと同じ感想が出てきます。しかしスレイヤーズだとライバルが主人公だしな……
ブラックフォックス
盗賊。このキャラだけは漫画版のキャラです。
他のキャラは全て原作で先に見ていましたが、このキャラだけは後で見ました。
白蛇のナーガ
悪の魔道士っぽい人。原作では外伝に登場。
とあるキャラとの関係が気になる……いろいろな状況を見れば「ほぼ間違いないだろ!」という感想になりますが。
2人はいろいろな作品の中でうまく顔を合わせないようにされています。本作でも同じ。
ただ、本作は終盤になるとパーティーメンバーの入れ替えをできるようになります。その場合はナーガたちが顔を合わせることに……
イベントやキャラたちの反応はありません。
そこは「ゲームだから省かれている」と考えることもできますし、「主人公たちがわざわざ反応しなかっただけ」と考えることもできるのでは。リナたちがゲーム開始前までに「この2人の関係は○○」と知っていれば、いちいち話に出したりしないはず。
「もう知っていたからいちいち言わなかった説」は我ながら無理やりすぎる……
光の剣と重破斬・神滅斬
ガウリイが使う光の剣は今で言う中二要素たっぷりの武器。僕はかなり好きでした。
しかし本作にはありません。ガウリイが使う武器は他のものです。
原作小説ではリナの使う強力な魔法が面白いところ。使ったら危険な重破斬とか、かっこよさ成分がかなり強い神滅斬とか。
しかし本作ではそれらを使うことができません。
ゲームでは表現できなかったんじゃない? と僕の友人は言っていました。
重破斬は仕方ないとしても、光の剣と神滅斬はあってもよかったのでは……
と思っていたんですが、本作の後に出た第1部最終巻や第2部を読むとそれらが登場しないことに納得できました。作者さんは第2部の展開まで考えたうえでスーファミ版に関わっていたんだと思います。
逆に、「第2部の後だったらこの魔法を使えるのはおかしくない?」というものもあります。
スレイヤーズは魔族のボスキャラを倒すと使える魔法が減る世界。第2部でも「使えなくなったうっかり魔法を使おうとしてしまい、失敗する」という展開があります。
これは、「別の存在から力を借りた代替品魔法」を作中世界の人たちが開発した……と、僕は脳内補完していました。
終盤・クリア後の展開
このゲームにはどんでん返し要素があります。
説明書にも伏線あったな……あのキャラだけ名前以外の言葉をわざわざ書いてあったし……
クリア後の展開として、本編の読者なら「こいつに会ってみたい!」となるキャラが登場します。かなりのレアキャラで、アニメ版だとアイキャッチにチラッと出てくるだけでした。
小説第2部との関係
本作の後で第1部が最終巻が発売され、第2部が始まりました。そして2000年5月に第2部終了。
第2部の終盤に、あるキャラが登場します。懐かしいことではあるんですが、スーファミ版をやっていると「こいつとは後で戦うんだよな……」と思ってしまいます。
リバイバル展開
キン肉マンの後のキン肉マンII世が登場した辺りから、世の中にはリバイバル展開というものが増えた気がします。
2000年に終わったスレイヤーズも続編が登場! 今は小説の続きがあるからスーファミ版はパラレル扱いなのかも。
スマホゲームでもスレイヤーズの登場人物はコラボキャラとしてちょくちょく現れています。かつてのファンが作る側に回って引き込んでいる、というのもあるんじゃないでしょうか。
終わりに
小説の続編やコラボキャラとしての招待はあっても、このゲームが復活することはなかなかないかも……そこが残念なところです。
しかしニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ(いくつものファミコンソフトで遊べるゲーム機)というものもありましたし、セガサターン版やPS1版のスレイヤーズと合わせた記念版が出てくれてもいいんじゃないですかねぇ?
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